IBALOG - Concept Walk 日本語版

新しい社会の捉え方を探して。井庭 崇のblogです。

井庭研究会2007年度夏休みの宿題

井庭研の今年の夏休みの宿題は、「ウェブと社会の未来を考える。」がテーマだ。ここで紹介することにしたい。



井庭研究会 2007年度夏休みの宿題
「ウェブと社会の未来を考える。」


時代感覚をつかみ、未来を想像し、じっくり考え、自分なりのヴィジョンを生み出し、そしてそれを書き上げるという能力を身につけてもらうため、以下のような夏休みの宿題を設定します。よく読んで、しっかり取り組んでください。

Aさん「井庭研ってどんな研究をやってるんだろう?」
Bさん「調べてみようか。えっと、「井庭研」っと。」
    (Googleで「井庭研」をキーワードに検索。)
Bさん「研究室のホームページがあったよ。どれどれ。」
Aさん「へぇ、こういうことをやってるんだ!」
 ・・・

 このように、今日知りたいことがある場合には、まずウェブで調べるということが日常的に行われています。しかし、ほんの十数年前、このようなことはまったくありませんでした。というのは、WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)というものが存在しなかったからです。いまではごく当たり前の存在であるため、そのような時代は想像できないかもしれませんが、WWWは実はごく最近の社会技術なのです。
 ここ十数年で、世界は大きく変わりました。情報通信のひとつの技術にすぎなかったインターネットが、社会的なインフラとして不可欠なものになりました。そしてその上に、新しい社会が構築されているのです。そこではオープンなコラボレーションなど、従来では考えられなかった可能性も見え始めています。
 今後社会は、どのような方向に進んでいくのでしょうか? そこでの可能性や問題点はどのようなものでしょうか? そういったことを考えるためには、表層的で一時的な現象に囚われることなく、その本質を理解する必要があります。ウェブの登場で社会の何が変わったのか、変えつつあるのか、ということを踏まえて、「ウェブと社会の未来」について自由に論じてください。
 以下の3冊が、宿題に取り組むための基本文献です。これを軽く読みこなした上で、自分なりに「ウェブと社会の未来」について論じてください。論じるときには、たんなる本のまとめや一般論ではなく、「自分なりの視点・切り口」をもってオリジナルな論考を書き上げてください(授業のレポートのような浅い議論にならないように)。

『フラット化する世界』(上)(下)(トーマス・フリードマン, 日本経済新聞社, 2006)
『Google誕生:ガレージで生まれたサーチ・モンスター』(デビッド・ヴァイス, マーク・マルシード, イースト・プレス, 2006)
『ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』(ドン・タプスコット, アンソニー・D・ウィリアムズ, 日経BP社, 2007)

WorldIsFlat1Book WorldIsFlat2Book GoogleBook WikinomicsBook

 今回の宿題は、文献を読むことではなく、文献を読んでから「考える」ことが重要なので、文献は早めに読んでしまってください。ポイントは、視点・切り口を工夫すること、しっかり考え、書いたものを推敲することです。また、誰がやっても同じというような、単なる「未来予測」にならないように、「自分」をうまく反映させてください。「The best way to predict the future is to invent it」(Alan Kay)ということを忘れずに。

【理解・発想の補助線】
 以上の本に加えて、深い理解や新しい発想を得るためのおすすめの本には、例えば、次のものがあります。
●『Webの創成:World Wide Webはいかにして生まれどこに向かうのか』(ティム・バーナーズ-リー, 毎日コミュニケーションズ, 2001)
●『リテラリーマシン:ハイパーテキスト原論』(テッド・ネルソン, アスキー, 1994)
●『ウェブ進化論:本当の大変化はこれから始まる』(梅田 望夫, 筑摩書房, 2006)
●『ロングテール:「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』(クリス アンダーソン, 早川書房, 2006)

このほかにも関係する本はいろいろあるので、各自本屋さんで探してみてください。
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