井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

パターン・ランゲージ制作の拠点があるとしたら、どんなものだろうか?

ひとつ前のエントリー「クリエイティブ・メディア(創造的メディア, creative media)とは」で、パターン・ランゲージとパーソナル・ファブリケーションはともに、クリエイティブ・メディアだということを書いた。

そのように関連づけ、アナロジーで考えてみると、パーソナル・ファブリケーションにあって今のパターン・ランゲージにないのは、FabLabのような「場」だと気づく。パターン制作には高価な物理的装置は必要ないので、一見、場は重要でないように見えるが、それでも場について考えるのは重要かもしれない。

僕らがパターン・ランゲージをつくるとき、必ずひとつの場所に集まって作業するし、やりやすい環境や、必要な道具立て(ポストイット、サインペン、ホワイトボードなど)もある。だから、場が重要ではないとはいえない。しかし、これまで場の可能性については、ほとんど考えられてこなかった。

僕は、世界のあちこちで、また、いろんな分野・領域で、誰もが自分に必要なパターン・ランゲージ(より正確に言うならば、その上位概念のクリエイティブ・ランゲージ)を書けるようになることを目指している。そうであるならば、世界に点在する拠点とそのネットワークであるFabLabのように、僕らも場について、もっと真剣に考えるべきなのかもしれない。

街や組織のなかにパターン・ランゲージ制作の拠点があるというのは、どんな感じだろうか。FabLabから発想すると……あるパターンを書きたいと立ち寄り、熟練者からアドバイスをもらいながら書いて、来てる人たちでライターズ・ワークショップを行い、洗練させる。最後は冊子やオンライン化もできる。


いろいろな領域における創造・実践の知恵が行き交う空間。

それが言語化され、かたちになる場所。


考えただけでも、素敵な感じがする。

とはいえ、まずは僕はFabLabに遊びに行かねばらならない。

話はそれからだ。
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