井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

クリエイティブ・メディア(創造的メディア, creative media)とは

僕がパターン・ランゲージ制作で取り組んでいるのは、それがクリエイティブ・メディアをつくるということだからである。

クリエイティブ・メディアという言葉は、ソーシャル・メディアのように、数年後には一般的な言葉になると、僕は考えている。それは、僕の好きな言葉 "The best way to predict the future is to invent it."(Alan Kay)にあるように、自分がそうするという意味も含んでいる。


では、「クリエイティブ・メディア」とは何か。ここでは、作業定義として、以下のような定義を与えておくことにしたい。

クリエイティブ・メディア(創造的メディア, creative media)・・・人々の創造性を刺激し、誘発し、拡張するメディアの総称。エンパワーされるのは、個人のみならず、組織、社会も含む。上記の機能を果たせば、実装形態は問わない(言語、方法、ソフトウェア、装置など)。


パターン・ランゲージは、コミュニケーション・メディアであるとともにクリエイティブ・メディアでもある。デザインの実践知(発想・こだわり・知恵)が、相互に関係するモジュールとして記述されており、それらが、そのドメインでのデザインを支援する。人々をクリエイティブにするランゲージなのだ。

僕にとっては、パーソナル・ファブリケーションの装置たち(とそれにまつわる思想と方法)もクリエイティブ・メディアである。それがあることによって、創造性が刺激・誘発・拡張される。しかも、FabLabという場も同様にクリエイティブ・メディアとして機能している。


ここでいう「クリエイティブ・メディア」は、僕の「創造システム理論」(Creative Systems Theory)で言うならば、「発見メディア」(discovery media)とほぼ同義である。これは、ソーシャル・メディアはコミュニケション・メディアであるというのに似ている。

情報社会において、ソーシャル・メディアが重要な位置を占めたが、創造社会では、クリエイティブ・メディアが重要な位置を占めることになると考えるのが自然だろう。少なくとも僕はそう考えている。
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