井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

2020夏プロ「新しい学問をつくる:西洋と東洋の知を融合させた、創造実践の学問を構想する」

井庭研2020夏の特別研究プロジェクト
「新しい学問をつくる:西洋と東洋の知を融合させた、創造実践の学問を構想する」

担当:井庭 崇(総合政策学部教授)
タイプ:特別研究プロジェクトA(4単位:2020秋学期に履修申告)
実施形態:オンラインですべて実施
2020年8月6日〜9月25日

【概要】
本研究プロジェクトでは、デザイン・秩序の思想家クリストファー・アレグザンダーが模索し目指した先に、創造実践に関する新しい学問を構想することを目指し、そのヴィジョンをかたちづくることに挑みます。

まず、学問の営みと成り立ちについて学んだ上で、そのパースペクティブのもと、創造実践の理論(創造システム理論)と、創造実践を支えるメディア(パターン・ランゲージ)の位置付けと意義を捉え直し、その可能性について考えを深めます。

さらに、アレグザンダーが影響を受けた東洋の思想を理解し、その近年の展開も踏まえ、東洋の知がどのようにその新しい学問に寄与することになりそうかを探っていきます。

最終的には、西洋と東洋の知を融合させた、創造実践の学問がどのようなものになり得るのかを大胆に構想し、ヴィジョンとしてまとめます。


【本プロジェクトで取り上げる文献】
  • パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭崇 編, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭崇 編, 慶應義塾大学出版会, 2011)
  • クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭崇 編, 慶應義塾大学出版会, 2019)
  • 創造的論文の書き方』(伊丹敬之, 有斐閣, 2001)
  • 複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』(井庭崇, 福原義久, NTT出版, 1998)
  • 人間科学におけるエヴィデンスとは何か』(小林隆児, 西研 編, 新曜社, 2015)※
  • アブダクション:仮説と発見の論理』(米盛裕二, 勁草書房, 2007)
  • 科学革命の構造』(トーマス・クーン, みすず書房, 1971)
  • 科学の未来』(フリーマン・ダイソン, みすず書房, 2005)※
  • 社会科学をひらく』(イマニュエル・ウォーラーステイン+グルベンキアン委員会, 藤原書店, 1996)※
  • 「ディジタル・メディア時代における「知の原理」を探る:知のStrategic Obscurantism」(井関 利明, 『メディアが変わる知が変わる:ネットワーク環境と知のコラボレーション』, 井上輝夫, 梅垣理郎 編, 有斐閣, 1998, p.3~p.40) ※
  • クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』(スティーブン・グラボー, 工作舎, 1989)
  • 時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993)
  • イメージの心理学』(河合隼雄, 新装版, 青土社, 2020)
  • 意味の深みへ:東洋哲学の水位』(井筒俊彦, 岩波文庫, 岩波書店, 2019)
  • レンマ学』(中沢新一, 講談社, 2019)
  • 東洋哲学の構造:エラノス会議講演集』(井筒俊彦, 慶應義塾大学出版会, 2019)

    ※は、文献の一部のコピーを配布予定、それ以外は各自購入

    2020SummerBooks.png


    【参加条件】
    エントリー可能なのは、下記の条件を満たすSFCの学部生・大学院生です(塾内 他学部生や研究員等は応相談)。

    (1)原則として、すべての日程を、Zoomでオンライン参加できること。 

    (2)すべての文献(コピーを配布する資料は除く)を早めに余裕をもって購入し、それが取り上げられる日までに自分で読んでくること。

    (3)パターン・ランゲージや創造システム理論に関して多少知識を持ち、関心をもっていること(主に、井庭研に所属している人を想定した内容になっており、取り上げる文献のそれぞれを理解するだけでなく、それらを材料としてパターン・ランゲージや創造システム理論の理解を深めていくことに取り組むプロジェクトのため)。


    【募集方法】
    研究会や授業等で告知し、参加希望者は「井庭研 2020夏の特別研究プロジェクト 参加エントリー」フォームより登録。必要な場合にはエントリー内容をもとに選抜し、エントリー者に個別に連絡する。(2020年7月10日〆切)

    【必要経費】
    文献(書籍)購入代:約4万円(各自購入)

    【評価方法】
    プロジェクト活動への参加と貢献、レポートから、総合的に評価します。


    【授業スケジュール】

    2020年

    8月6日(木) 13:00~18:00
    研究と学問の営みについて知る(1)
    『創造的論文の書き方』、『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』、『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』の内容について話し合います。

    8月7日(金) 13:00~18:00
    研究と学問の営みについて知る(2)
    『アブダクション:仮説と発見の論理』の内容について話し合います。

    8月20日(木) 13:00~18:00
    一歩引いて学問の歴史的展開・潮流を理解する(1)
    『科学革命の構造』と『科学の未来』(第2章)の内容について話し合います。

    8月21日(金) 13:00~18:00
    一歩引いて学問の歴史的展開・潮流を理解する(2)
    『社会科学をひらく』および「ディジタル・メディア時代における「知の原理」を探る」の内容について話し合います。

    8月27日(木) 13:00~18:00
    アレグザンダーの挑戦について改めて理解を深める(1)
    『クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』の内容について話し合います。

    8月28日(金) 13:00~18:00
    アレグザンダーの挑戦について改めて理解を深める(2)
    『クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』の内容について話し合います。

    9月1日(火) 13:00~18:00 ※当初予定していた9月3日より変更
    アレグザンダーの挑戦について改めて理解を深める(3)
    『時を超えた建設の道』の内容について話し合います。

    9月7日(月) 13:00~18:00 ※当初予定していた9月4日より変更
    アレグザンダーの挑戦について改めて理解を深める(4)
    『時を超えた建設の道』の内容について話し合います。

    9月10日(木) 13:00~18:00
    アレグザンダーの挑戦について改めて理解を深める(5)
    『時を超えた建設の道』の内容について話し合います。

    9月11日(金) 13:00~18:00
    アレグザンダーの挑戦について改めて理解を深める(6)
    『時を超えた建設の道』の内容について話し合います。

    9月17日(木) 13:00~18:00
    東洋的な知について学び、つながりを考える(1)
    『イメージの心理学』『意味の深みへ:東洋哲学の水位』の内容について話し合います。

    9月18日(金) 13:00~18:00
    東洋的な知について学び、つながりを考える(2)
    『レンマ学』の内容について話し合います。

    9月24日(木) 13:00~18:00
    東洋的な知について学び、つながりを考える(3)
    『東洋哲学の構造:エラノス会議講演集』の内容について話し合います。

    9月25日(金) 13:00~18:00
    ふりかえり:新しい学問のかたちをイメージする
    これまでのすべての文献・議論の内容を振り返り、西洋と東洋の知を融合させた、創造実践の学問のかたちについて話し合い、ヴィジョンとしてまとめます。
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