処暑とは思えない暑さのなか、涼と学びを求めて箱根に上がってきました。
今回の目的は、企業人が集まる「SFCフォーラム 経営サロン」合宿での講演でした。
私のお題は民主党と政治主導。「政治主導を問い直す―歴史的経験知からのアプローチ」と題して報告させて頂きました。
政治主導、官僚主導、内閣主導、官邸主導といったことばを整理しながら、その歴史的経緯から現状を論じたところ、実際にそれらの分野で活躍された方々から多くのコメントを頂くことができました。これまでの政治学分野での研究報告とはかなり違った向きの議論になり、有益でした。
何より楽しかったのは、同僚他分野の仲間の報告が聞けたこと。普段から親しくしている同僚が展開する最前線での議論は、さまざまな意味で新鮮でした。やはりここは本当に時代を拓くキャンパスなのだと改めて実感。そこで議論をできることの幸せを感じました。政治史、ユビキタス、プロボノ、パターン・ランゲージ。融合できたら本当に素敵です。
悔やまれるのは、深更まで話し続けて温泉に漬かれなかったことでしょうか。また改めて、ゆっくり行きたいものです。
帰途、同僚に連れて行ってもらった蕎麦屋が小田原にあった山県有朋の邸宅「古稀庵」の離れを移築したお店(暁亭)でした。古稀庵の跡地には一度行ったことがあるのですが、某損保の保養所になり、門と庭は当時のままでしたが建物がなく寂しく思ったものでした。後日、政治家の別荘を研究している同業先生に伺ったところ、古稀庵の建物のうち、少なくとも本館と洋館は関東大震災で全壊したとのこと。この離れがそれ以前のものか、以後のものか気になるところです。