私は、「シニアと通信メディアの関わり」の研究分野と「実務経験で感じた事象、NPOやボランティアに参加して行動し、得た結果」の実践領域を統合し、新しい知識体系の構築と望ましい人間環境を作り出す事を追求したいと考えています。また、環境と人間とのかかわり合いに関する一般的理解を深め、多様化する情報メディアと情報の処理・伝達さらには情報と社会のシステムの関係等を調査し研究したいと考えています。その為には、シニアと通信メディアの関係を研究標題とし、実社会と連動しながらこの問題に取り組みたいと考えています。

  学習・研究成果中間報告書


項目 1.研究標題
   2.設定理由

   3.活動報告
   4.追補・調査・活動報告
   5.奨励基金使途報告


1.研究標題

新しいコミュニケーションの形態と補完

         -SNP」「LS311」の進展と構築より-












2.設定理由

私が参加する活動のひとつに「SNP」があります。シニア層がコンピュータによって生活を更に豊かにしていく事を目的としている団体です。情報通信技術を活用し人や地域再活性を促す活動をしています。ネットワーク交流に通信メディアの広がりと可能性を実感しながらコミュニケーション・プロジェクトを進めています。

この団体の会員は企業を退職、または現役の会社員が3分の2以上をしめています。近年はそれぞれ個々のネットワーク交流により、活動の動きに新しい方向性が見られるようになってきました。会社の広報・宣伝から独立した社員の自主的参加型です。社会、とくに地域社会のさまざまな団体や組織と一緒になり、より深い関りを持つ活動、さらに社員が企画、準備にも参与するという方式です。従来の資金的なものだけの社会貢献とは異にしています。そのような会員が集結した団体によるコラボレーションが、7月に日米のNPO同士がパートナーシップ関係を築き、シニアネット学習センターを米国カリフォルニア州ロサンゼルス近郊に開設する事が決定しました。この学習センターでは、ロサンゼルス近郊の日系アメリカ人をはじめとする米国の高齢者が、インターネットを通して日本の高齢者と交流を深めていく学習活動です。電子メールの操作方法を初歩から学び、新しいシニアの国際交流が始まります。

また、SFC入学後、神奈川県藤沢市を拠点とした国際交流と情報化を推進するシニアの団体「LS311」に参加し活動を開始しました。この団体は海外居住や旅行経験の豊富なシニアが多数参加しています。海外は北マリアナ諸島・ロタ島、オーストラリア・カウラ、ニュージーランド・オークランド、アメリカ・カリフォルニア州ガーディナを拠点としています。

現在、参加者がより交流を活発に行えるツールとして情報化の再構築を課題としています。シニアが生活の中で、情報を理解し、ネットワークを利用する事によりグローバルな世界を体験し、人や地域社会に貢献できる事を目標としています。情報化推進の初期段階から参画できる事に大変興味深い課題と捉えています。

 情報活動が自律的でしなやかな人々の共同作業により、人間コミュニケーションが主となり、ネットワークによって一つに繋いでいきます。さらに双方向の情報が発信され、交流を深め新しい付加価値と文化を産み出しつつあります。

このように情報化社会に暮らす人達が、豊かな生活をおくる為の活動は急速な発展をしています。その中でも特にシニア達が加齢に伴い様々なコミュニケーション行動を、通信メディアによって、以前には考えられない新しいコミュニケーションの形態を作り、補っていく様態です。

 これからも異質な人たちの中から生まれる新しい文化創造に関わりを持ち、研究を進めていきたいと考えています。そして、コラボレーションの成功により如何に価値のある物を生み出していくのか、また、情報技術による通信メディアの発達が人間コミュニケーションにどのような影響を及ぼし、表れるのか等、注目をしていきたいと考えています。


3.活動報告

 本研究活動報告は、2001年7月から12月16日迄の期間に行われました。尚、継続している団体活動は2001年の中間報告と致しました。


4.追補・調査・活動報告

5.奨励基金報告

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