IBALOG - Concept Walk 日本語版

新しい社会の捉え方を探して。井庭 崇のblogです。

井庭研究会B2(2011年春学期)シラバス

井庭崇研究会B2(火曜5限)

新しいシステム理論にもとづく社会研究
(コミュニケーションの連鎖の分析とメディア構築)


【Important Dates】

2011年
1月13日(木) 5限 井庭研説明会
1月22日(土) エントリー〆切
1月27・28日(木・金) 面接
1月29日(土) 井庭研最終発表会(2010年度)


【目的・内容】

自分たちで自分たちの未来をデザインする―――― 社会が複雑化し多様化するなかで、いかにしてそれを実現するのか。これは現代社会が抱えている根本的な課題です。自己革新的な社会においては、自らヴィジョンを創造し、それを具現化する仕組みをデザインし、実践することが求められます。本研究会では、新しいシステム理論にもとづき、秩序形成の原理と、新しい仕組みのデザイン/実践の方法を探究します。

本研究会は、「新しいシステム理論の探究」「個人研究」の二本柱で構成されます。

「新しいシステム理論の探究」では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」(Social Systems Theory)に関する文献を読み込み、理解を深めます。この理論では、社会を「コミュニケーション」という出来事の生成・連鎖の視点で捉えます。そして、本来は生起しにくい社会的秩序が、いかにして生じ得るのかを考察します(より具体的に言うと、コミュニケーションの生成・連鎖を下支えしている「メディア」は何かを特定し、その働きを理解します)。この理論はこれまでにも、政治、経済、法、科学、教育、芸術、宗教、マスメディア、社会運動、組織、愛など、様々な社会現象の理解に用いられており、多様な社会現象を統一的な視点で理解し、比較検討できることがわかっています。

「個人研究」では、各自の問題意識にもとづく研究に取り組みます。つまり、自分がどうしても取り組みたいテーマ、「研究への情熱」が持てるテーマについて、システム理論にもとづいて分析・考察し、新しい仕組みの提案・実践に取り組みます。このほか必要に応じて複雑系(Complex Systems)の諸理論や研究方法(ネットワーク分析やモデリング・シミュレーション)を取り入れるなど、社会研究方法の革新にも取り組みます。

本研究会の参加者としては、これまで自分が取り組んできた研究対象を新しい視点で捉え直したい人、またはSFCらしい新しいアプローチで研究を始めたい人を歓迎します。どちらの場合でも、自分が取り組むテーマに対する「しっかりとした問題意識」と「研究遂行への強い意志」を求めます。

Ilab2_2011s.jpg


【授業スケジュール】

ゼミは、火曜5限を予定しています。
毎週のゼミでは、「輪読」と「個人研究レビュー」を行います。

● 輪読では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」に関する文献を読み込み、理論の理解を深めます。
● 個人研究レビューでは、各自の問題意識にもとづく個人研究の進捗状況を報告し、互いにコメント/アドバイスをし合います。


【履修条件】

● 個人研究で取り組みたいテーマが明確になっていること(具体的なイシューに落とし込めていること)。
● 個人研究によって付加価値のあるアウトプットを生み出す強い意志があること。
● 知的コミュニティとしての研究会を、自分たちでつくっていく意志があること。


【その他の留意点】

● 研究会に参加するメンバーはそれぞれ異なる研究対象領域をもつことになるので、各自の研究テーマそのものに関する知識(例えば、経営がテーマの場合、経営の理論や事例など)は自分で身につけてもらいます。
● ゼミの時間は延長することがあります。また、ゼミ後に議論・交流のための食事会を開催します。ゼミの時間の後には他の予定を入れないようにしてください。
● 井庭研究会B1との同時履修や、他の研究会との同時履修も歓迎します。
● 履修希望者は、1月29日(土)に開催される井庭研最終発表会(2010年度)に参加してください。


【予定受け入れ人数】

10人程度


【エントリー課題】

本シラバスをしっかりと読んで内容を理解した上で、以下のエントリー情報を1月22日(土)までにメールで提出してください。

エントリーメールの提出先: ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp
メールのサブジェクト(件名): 井庭研究会B2 履修希望

以下の内容を書いた文書ファイル(WordもしくはPDFファイル)を、メールに添付してください。

井庭研究会B2 履修希望
(1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名
(2) 問題意識と研究テーマ(社会のどの部分に問題を感じ、どのように解決したいと考えているのか?)
(3) 来学期、並行して所属する予定の研究会
(4) これまでに所属した研究会
(5) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
(6) これまでに履修した担当教員(井庭)の授業
(7) その他の自己紹介(やっていること、興味があること、将来の方向性、自己アピールなど)

※ (2)は、A4用紙で1枚程度でまとめてください。
※ (2)と(7)では、図や写真を用いて構いません。

以上のエントリー情報にもとづき、面接を行ないます。


【評価方法】

日頃の文献読解・議論における積極性・貢献度、個人研究の成果、および研究会関連の諸活動から総合的に評価します。


【関連科目】

30080:社会システム理論
14160:シミュレーションデザイン
30120:ネットワーク分析
30070:現代社会理論
30090:社会構造分析
30100:社会関係分析


【関連プロジェクト】

井庭研究会B1:パターン・ランゲージによる実践知の言語化プロジェクト (魅力があり、想像力をかきたて、人を動かす「ことば」の探究)
● 大学院プロジェクト:インターリアリティ


【研究会ホームページ】

http://ilab.sfc.keio.ac.jp/


【問い合わせ・連絡先】

ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp


【参考文献】

●『社会システム理論』〈上〉 〈下〉(ニクラス・ルーマン, 恒星社厚生閣, 1995) [ N. Luhmann, Social Systems, Stanford University Press, 1996 ]
●『社会の社会』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
●『社会の科学』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
●『社会の経済』(ニクラス ルーマン, 文眞堂, 1991)
●『社会の法』〈1〉 〈2〉(ニクラス・ルーマン, 法政大学出版局, 2003) [ N. Luhmann, Law as a Social System, Oxford University Press, 2008 ]
●『社会の芸術』(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2004) [ N. Luhmann, Art as a Social System, Stanford University Press, 2000 ]
●『社会の教育システム』(ニクラス ルーマン, 東京大学出版会, 2004)
●『マスメディアのリアリティ』(ニクラス・ルーマン, 木鐸社, 2005) [ N. Luhmann, The Reality of the Mass Media, Stanford University Press, 2000 ]
●『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007)[ N. Luhmann, Ecological Communication, University Of Chicago Press, 1989 ]
●『情熱としての愛:親密さのコード化』(ニクラス・ルーマン, 木鐸社, 2005)[ N. Luhmann, Love as Passion: The Codification of Intimacy, Stanford University Press, 1998 ]
●『福祉国家における政治理論』(ニクラス・ルーマン, 勁草書房, 2007)
[ N. Luhmann, Political Theory in the Welfare State, Walter De Gruyter Inc, 1990 ]
●『信頼:社会的な複雑性の縮減メカニズム』(ニクラス ルーマン, 勁草書房, 1990) [ N. Luhmann, Trust and Power, Wiley, 1979 ]
●『権力』(ニクラス・ルーマン, 勁草書房, 1986) [ N. Luhmann, Trust and Power, Wiley, 1979 ]
●『宗教社会学:宗教の機能』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 1999)[ N. Luhmann, Religious Dogmatics and the Evolution of Societies, Edwin Mellen Press, 1984 ]
●『近代の観察』(ニクラス・ルーマン, 法政大学出版局, 2003)[ N. Luhmann, Observations on Modernity, Stanford University Press, 1998 ]
●『ポストヒューマンの人間論:後期ルーマン論集』(ニクラス ルーマン, 東京大学出版会, 2007)
●『システム理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈1〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社 (2007)[ N. Luhmann, Introduction to Systems Theory, Polity, 2011 ]
●『社会理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈2〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2009)
●『批判理論と社会システム理論:ハーバーマス=ルーマン論争』(ユルゲン・ハーバーマス, ニクラス・ルーマン, 木鐸社, 1984)

●『オートポイエーシス:生命システムとはなにか』(H.R.マトゥラーナ, F.J.ヴァレラ, 国文社, 1991) [ H. R. Maturana, F. J. Varela, Autopoiesis and Cognition: The Realization of the Living, Springer, 1980 ]
●『知恵の樹:生きている世界はどのようにして生まれるのか』(ウンベルト・マトゥラーナ, フランシスコ・バレーラ, 筑摩書房, 1997) [ H. R. Maturana, F. J. Varela, Tree of Knowledge: The Biological Roots of Human Understanding, Shambhala, 1987/1992 ]

●『社会学的想像力』(ミルズ, 新装版, 紀伊国屋書店, 1995) [ C. W. Mills, The Sociological Imagination, Oxford University Press, 2000 ]
●『ised 情報社会の倫理と設計:設計篇』(東 浩紀, 濱野 智史 編, 河出書房新社, 2010)

●『創造的論文の書き方』(伊丹敬之, 有斐閣, 2001)
●『創造の方法学』(高根 正昭, 講談社, 1979)
●『考える技術・書く技術:問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント, 新版, ダイヤモンド社, 1999) [ B. Minto, The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking, 3rd Revised ed, Financial Times Prentice Hall, 2008 ]
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