井庭研究会B2(2011年秋学期)シラバス
井庭崇研究会B2(火曜5限)
新しいシステム理論にもとづく社会研究
(コミュニケーションの連鎖の分析とメディア構築)
【Important Dates】
7月12日(火)5限 井庭研B2説明会@κ11。
7月22日(金) エントリー〆切
7月29・30日(金・土)面接
【目的・内容】
自分たちで自分たちの未来をデザインする―――― 社会が複雑化し多様化するなかで、いかにしてそれを実現するのか。これは現代社会が抱えている根本的な課題です。自己革新的な社会においては、自らヴィジョンを創造し、それを具現化する仕組みをデザインし、実践することが求められます。本研究会では、新しいシステム理論にもとづき、秩序形成の原理と新しい仕組みのデザイン/実践の方法を探究します。
本研究会は、「新しいシステム理論の探究」と「個人研究」の二本柱で構成されます。
「新しいシステム理論の探究」では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」(Social Systems Theory)に関する文献を読み込み、理解を深めます。この理論では、社会を「コミュニケーション」という出来事の生成・連鎖の視点で捉えます。そして、本来は生起しにくい社会的秩序が、いかにして生じ得るのかを考察します(より具体的に言うと、コミュニケーションの生成・連鎖を下支えしている「メディア」は何かを特定し、その働きを理解します)。この理論はこれまでにも、政治、経済、法、科学、教育、芸術、宗教、マスメディア、社会運動、組織、愛など、様々な社会現象の理解に用いられており、多様な社会現象を統一的な視点で理解し、比較検討できることがわかっています。2011年度春学期の輪読では『社会の社会』〈1〉 〈2〉を読みましたが、秋学期は『エコロジーのコミュニケーション』と『社会の科学』〈1〉 〈2〉等を読み、学問や大学の役割と可能性について議論できればと考えています。
「個人研究」では、各自の問題意識にもとづく研究に取り組みます。つまり、自分がどうしても取り組みたいテーマ、「研究への情熱」が持てるテーマについて、ルーマン理論から得た発想・分析枠組みなどを活かしながら分析・考察し、新しい仕組みの提案・実践に取り組みます。このほか必要に応じて複雑系(Complex Systems)の諸理論や創造システム理論(Creative Systems Theory)、さらには新しい研究方法(ネットワーク分析やモデリング・シミュレーション)を取り入れるなど、社会研究方法の革新にも取り組みます。
本研究会の参加者としては、これまで自分が取り組んできた研究対象を新しい視点で捉え直したい人、またはSFCらしい新しいアプローチで研究を始めたい人を歓迎します。どちらの場合でも、自分が取り組むテーマに対する「しっかりとした問題意識」と「研究遂行への強い意志」を求めます。
【授業スケジュール】
ゼミは、火曜5限に行います。
毎週のゼミでは、「輪読」や「個人研究レビュー」を行います。
●輪読では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」に関する文献を読み込み、理論の理解を深めます。
●個人研究レビューでは、各自の問題意識にもとづく個人研究の進捗状況を報告し、互いにコメント/アドバイスをし合います。
【履修条件】
● 個人研究で取り組みたいテーマが明確になっていること(具体的なイシューに落とし込めていること)。
● 個人研究によって付加価値のあるアウトプットを生み出す強い意志があること。
● 知的コミュニティとしての研究会を、自分たちでつくっていく意志があること。
【その他の留意点】
● 研究会に参加するメンバーはそれぞれ異なる研究対象領域をもつことになるので、各自の研究テーマそのものに関する知識(例えば、経営がテーマの場合、経営の理論や事例など)は自分で身につけてもらいます。
● ゼミの正規の時間よりも延長して活動を行います。また、ゼミ後に議論・交流のための食事会を開催します。ゼミの時間の後には、ほかの予定を入れないようにしてください。
● 井庭研究会B1との同時履修や、他の研究会との同時履修も歓迎します。
● 7月12日(火)5限に、κ11教室にて、担当教員と現役メンバーによる「井庭研B2説明会」を開催します。井庭研に興味がある人や迷っている人など、ぜひ来てください。
● 9月上旬から中旬にかけて、ルーマンの社会システム理論を学ぶための「特別研究プロジェクト」を開催予定です。詳細は追って連絡しますが、秋学期に先行してスタートできるので、可能であれば参加してください。
【予定受け入れ人数】
15名程度
【エントリー課題】
本シラバスをしっかりと読んで内容を理解した上で、以下のエントリー情報を7月22日(金)までにメールで提出してください。
エントリーメールの提出先: ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp
メールのサブジェクト(件名): 井庭研究会B2 履修希望
以下の内容を書いたエントリーレポート(PDF形式)を、メールで提出してください。
井庭研究会B2 履修希望
(1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名
(2) 問題意識と研究テーマ(社会のどの部分に問題を感じ、どのように解決したいと考えているのか?)
(3) 来学期、並行して所属する予定の研究会
(4) これまでに所属した研究会
(5) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
(6) これまでに履修した担当教員(井庭)の授業
(7) その他の自己紹介(やっていること、興味があること、将来の方向性、自己アピールなど)
※ (2)は、A4用紙で1枚程度でまとめてください。
※ (2)や(7)では、図や写真を用いて構いません。魅力的にアピールしてください。
以上のエントリー情報にもとづき、面接を行います。面接では、問題意識と研究計画がきちんと練られているかについて確認・議論します。
【評価方法】
日頃の文献読解・議論における積極性・貢献度、個人研究の成果、および研究会関連の諸活動から総合的に評価します。
【問い合わせ・連絡先】
ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp
【参考文献】
●『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007)[ N. Luhmann, Ecological Communication, University Of Chicago Press, 1989 ]
●『社会の科学』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
●『社会の教育システム』(ニクラス ルーマン, 東京大学出版会, 2004)
●『システム理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈1〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2007)
●『社会理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈2〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2009)
●『社会システム理論』〈上〉 〈下〉(ニクラス・ルーマン, 恒星社厚生閣, 1995) [ N. Luhmann, Social Systems, Stanford University Press, 1996 ]
●『社会の社会』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
●『近代の観察』(ニクラス・ルーマン, 法政大学出版局, 2003)[ N. Luhmann, Observations on Modernity, Stanford University Press, 1998 ]
●『創造的論文の書き方』(伊丹敬之, 有斐閣, 2001)
●『「超」文章法』(野口悠紀雄, 中央公論新社, 2002)
●『考える技術・書く技術:問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント, 新版, ダイヤモンド社, 1999) [ B. Minto, The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking, 3rd Revised ed, Financial Times Prentice Hall, 2008 ]
●「SFCの現場:井庭研究室」 http://www.sfc.keio.ac.jp/introducing_labs/index.html
新しいシステム理論にもとづく社会研究
(コミュニケーションの連鎖の分析とメディア構築)
【Important Dates】
7月12日(火)5限 井庭研B2説明会@κ11。
7月22日(金) エントリー〆切
7月29・30日(金・土)面接
【目的・内容】
自分たちで自分たちの未来をデザインする―――― 社会が複雑化し多様化するなかで、いかにしてそれを実現するのか。これは現代社会が抱えている根本的な課題です。自己革新的な社会においては、自らヴィジョンを創造し、それを具現化する仕組みをデザインし、実践することが求められます。本研究会では、新しいシステム理論にもとづき、秩序形成の原理と新しい仕組みのデザイン/実践の方法を探究します。
本研究会は、「新しいシステム理論の探究」と「個人研究」の二本柱で構成されます。
「新しいシステム理論の探究」では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」(Social Systems Theory)に関する文献を読み込み、理解を深めます。この理論では、社会を「コミュニケーション」という出来事の生成・連鎖の視点で捉えます。そして、本来は生起しにくい社会的秩序が、いかにして生じ得るのかを考察します(より具体的に言うと、コミュニケーションの生成・連鎖を下支えしている「メディア」は何かを特定し、その働きを理解します)。この理論はこれまでにも、政治、経済、法、科学、教育、芸術、宗教、マスメディア、社会運動、組織、愛など、様々な社会現象の理解に用いられており、多様な社会現象を統一的な視点で理解し、比較検討できることがわかっています。2011年度春学期の輪読では『社会の社会』〈1〉 〈2〉を読みましたが、秋学期は『エコロジーのコミュニケーション』と『社会の科学』〈1〉 〈2〉等を読み、学問や大学の役割と可能性について議論できればと考えています。
「個人研究」では、各自の問題意識にもとづく研究に取り組みます。つまり、自分がどうしても取り組みたいテーマ、「研究への情熱」が持てるテーマについて、ルーマン理論から得た発想・分析枠組みなどを活かしながら分析・考察し、新しい仕組みの提案・実践に取り組みます。このほか必要に応じて複雑系(Complex Systems)の諸理論や創造システム理論(Creative Systems Theory)、さらには新しい研究方法(ネットワーク分析やモデリング・シミュレーション)を取り入れるなど、社会研究方法の革新にも取り組みます。
本研究会の参加者としては、これまで自分が取り組んできた研究対象を新しい視点で捉え直したい人、またはSFCらしい新しいアプローチで研究を始めたい人を歓迎します。どちらの場合でも、自分が取り組むテーマに対する「しっかりとした問題意識」と「研究遂行への強い意志」を求めます。
【授業スケジュール】
ゼミは、火曜5限に行います。
毎週のゼミでは、「輪読」や「個人研究レビュー」を行います。
●輪読では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」に関する文献を読み込み、理論の理解を深めます。
●個人研究レビューでは、各自の問題意識にもとづく個人研究の進捗状況を報告し、互いにコメント/アドバイスをし合います。
【履修条件】
● 個人研究で取り組みたいテーマが明確になっていること(具体的なイシューに落とし込めていること)。
● 個人研究によって付加価値のあるアウトプットを生み出す強い意志があること。
● 知的コミュニティとしての研究会を、自分たちでつくっていく意志があること。
【その他の留意点】
● 研究会に参加するメンバーはそれぞれ異なる研究対象領域をもつことになるので、各自の研究テーマそのものに関する知識(例えば、経営がテーマの場合、経営の理論や事例など)は自分で身につけてもらいます。
● ゼミの正規の時間よりも延長して活動を行います。また、ゼミ後に議論・交流のための食事会を開催します。ゼミの時間の後には、ほかの予定を入れないようにしてください。
● 井庭研究会B1との同時履修や、他の研究会との同時履修も歓迎します。
● 7月12日(火)5限に、κ11教室にて、担当教員と現役メンバーによる「井庭研B2説明会」を開催します。井庭研に興味がある人や迷っている人など、ぜひ来てください。
● 9月上旬から中旬にかけて、ルーマンの社会システム理論を学ぶための「特別研究プロジェクト」を開催予定です。詳細は追って連絡しますが、秋学期に先行してスタートできるので、可能であれば参加してください。
【予定受け入れ人数】
15名程度
【エントリー課題】
本シラバスをしっかりと読んで内容を理解した上で、以下のエントリー情報を7月22日(金)までにメールで提出してください。
エントリーメールの提出先: ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp
メールのサブジェクト(件名): 井庭研究会B2 履修希望
以下の内容を書いたエントリーレポート(PDF形式)を、メールで提出してください。
井庭研究会B2 履修希望
(1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名
(2) 問題意識と研究テーマ(社会のどの部分に問題を感じ、どのように解決したいと考えているのか?)
(3) 来学期、並行して所属する予定の研究会
(4) これまでに所属した研究会
(5) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
(6) これまでに履修した担当教員(井庭)の授業
(7) その他の自己紹介(やっていること、興味があること、将来の方向性、自己アピールなど)
※ (2)は、A4用紙で1枚程度でまとめてください。
※ (2)や(7)では、図や写真を用いて構いません。魅力的にアピールしてください。
以上のエントリー情報にもとづき、面接を行います。面接では、問題意識と研究計画がきちんと練られているかについて確認・議論します。
【評価方法】
日頃の文献読解・議論における積極性・貢献度、個人研究の成果、および研究会関連の諸活動から総合的に評価します。
【問い合わせ・連絡先】
ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp
【参考文献】
●『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007)[ N. Luhmann, Ecological Communication, University Of Chicago Press, 1989 ]
●『社会の科学』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
●『社会の教育システム』(ニクラス ルーマン, 東京大学出版会, 2004)
●『システム理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈1〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2007)
●『社会理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈2〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2009)
●『社会システム理論』〈上〉 〈下〉(ニクラス・ルーマン, 恒星社厚生閣, 1995) [ N. Luhmann, Social Systems, Stanford University Press, 1996 ]
●『社会の社会』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
●『近代の観察』(ニクラス・ルーマン, 法政大学出版局, 2003)[ N. Luhmann, Observations on Modernity, Stanford University Press, 1998 ]
●『創造的論文の書き方』(伊丹敬之, 有斐閣, 2001)
●『「超」文章法』(野口悠紀雄, 中央公論新社, 2002)
●『考える技術・書く技術:問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント, 新版, ダイヤモンド社, 1999) [ B. Minto, The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking, 3rd Revised ed, Financial Times Prentice Hall, 2008 ]
●「SFCの現場:井庭研究室」 http://www.sfc.keio.ac.jp/introducing_labs/index.html
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