井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

SFC授業シラバス「ワークショップデザイン」(2014年度春学期前半)

2014年度からスタートする新カリキュラムで、新しく「ワークショップデザイン」(2014年度春学期前半, 月曜2・3限:井庭 崇)という新設科目を担当します。この授業では、ワークショップをどのようにデザインすればよいかを考え、実際に他の履修者を対象にワークショップを仕掛けます。

この科目は「4学期制科目」です。週2コマ行い、春学期の前半(4・5月)の7週間で一気に集中的に学ぶことになります。

なお、2014年度から履修者選抜が初回授業よりも前に行われるので、注意してください。


■主題と目標/授業の手法など

「対話による学び」や「つくることによる学び」の場をどのようにつくればよいのでしょうか? 本講義では、その場のひとつのかたちとして「ワークショップ」(workshop)の可能性を考えます。

現在、いろいろな種類のワークショップが開かれていますが、それらのワークショップの背後にはどのような設計意図や工夫があるのでしょうか? また、自分たちがワークショップをつくるときには、何をどのように考えればよいのでしょうか? そして、ワークショップのファシリテーションにおいては、何に気をつければよいのでしょうか?

これらのことを考え・学ぶために、授業と並行して、ワークショップを考案・設計するグループワークを行います。授業の後半では、他の履修者を対象に、自分たちの考案・設計したワークショップを実施します。これにより、「ワークショップデザイン」の感覚・スキルを実践的に高めたいと思います。

WorkshopDesign.jpg

■授業計画
第1回 イントロダクション (4/7)
授業の内容、進め方について説明します。

第2回 ワークショプと設計意図 (4/7)
ワークショップを実際に体験し、その設計意図について考えます。

第3回 ゲスト・ファシリテーターによるワークショップ実践 (4/14)
社会問題の解決に関心のある学生に向けた教育プログラム「Changemakers Learning Camp」や、異色の「恋のパターン・ランゲージ ワークショップ」など国内外でワークショップを実践している下向 依梨さんにお越しいただき、ワークショップを開催していただきます。

第4回 ゲスト・ファシリテーターによるワークショップ解説 (4/14)
ワークショップの設計とその意図について、ゲストの下向 依梨さんにお話しいただきます。

第5回 ワークショップの設計 (4/21)
ワークショップの内容や進め方をどのように考えればよいのか、また、より効果を高めたり楽しめたりするための工夫について考えます。

第6回 振り返りと評価の設計 (4/21)
ワークショップでの学びを確実なものにするための「振り返り」(reflection)と「評価」について考えます。

第7回 プロトタイプ・ワークショップの実践(1) (4/28)
グループで考えてきたワークショップを試しに実施してみます。

第8回 プロトタイプ・ワークショップの実践(2) (4/28)
実施したワークショップの反応や感触から、自分たちのワークショップの内容・構成を再検討します。

第9回 ワークショップ・ファシリテーション実践(1) (5/12)
グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

第10回 ワークショップ・ファシリテーション実践(2) (5/12)
グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

第11回 ワークショップ・ファシリテーション実践(3) (5/19)
グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

第12回 ワークショップ・ファシリテーション実践(4) (5/19)
グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

第13回 ワークショップ・ファシリテーション実践(5) (5/26)
グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

第14回 振り返りと総括 (5/26)
この授業での活動と学びを振り返り、総括を行います。

その他
グループワーク, 課題・レポート


■提出課題・試験・成績評価の方法など
成績評価は、授業中の演習・議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。

■履修上の注意
授業時間外にグループワークの活動をすることが求められます。

■履修者制限
履修人数を制限する。
受入学生数(予定):約 90 人
選抜方法:課題提出による選抜(SFC-SFS)
課題内容:以下の質問に答え、志望理由について書いて提出してください。 なぜこの授業に参加したいと考えるのか? また、自分のこれからとどのように関係すると考えているのか?
エントリー〆切日時:2014年4月3日(木)15:00
履修許可者発表日時:2014年4月4日(金)15:00


■教材・参考文献
教材・参考文献は以下の通りです。この他の文献については、適宜、授業中に指示します。

  • 『創造性とは何か』(川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
  • 『発想する会社!:世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』(トム・ケリー, ジョナサン・リットマン, 早川書房, 2002)
  • 『ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ』(デヴィッド・ボーム, 英治出版, 2007)
  • 『知がめぐり、人がつながる場のデザイン:働く大人が学び続ける”ラーニングバー”というしくみ』(中原 淳, 英治出版, 2011)
  • 『「未来の学び」をデザインする:空間・活動・共同体』(美馬 のゆり, 山内 祐平, 東京大学出版会, 2005)
  • 『MAKE SPACE メイク・スペース:スタンフォード大学dスクールが実践する創造性を最大化する「場」のつくり方』(スコット・ドーリー, スコット・ウィットフト, 阪急コミュニケーションズ, 2012)
  • 『シナリオ・プランニング:戦略的思考と意思決定』(キース・ヴァン・デル・ハイデン, ダイヤモンド社, 1998)
  • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
  • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『人を賢くする道具:ソフト・テクノロジーの心理学』(D.A.ノーマン, 新曜社, 1996)
  • 『アブダクション:仮説と発見の論理』(米盛裕二, 勁草書房, 2007)
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