井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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慶應義塾大学SFC「ワークショップデザイン」2023シラバス

「ワークショップデザイン」2023
慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
担当教員:井庭崇
開講:2023年度秋学期(後半)
曜日時限:木曜3・4限※
※ 学期前半には、同じ曜日時限に「創造システム理論」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。
実施形態:対面

【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

「対話による学び」や「つくることによる学び」の場をどのようにつくればよいのでしょうか? 本講義では、その場のひとつのかたちとして「ワークショップ」(workshop)の可能性を考えます。 現在、いろいろな種類のワークショップが開かれていますが、それらのワークショップの背後にはどのような設計意図や工夫があるのでしょうか? また、自分たちがワークショップをつくるときには、何をどのように考えればよいのでしょうか? そして、ワークショップのファシリテーションにおいては、何に気をつければよいのでしょうか?

これらのことを考え・学ぶために、授業と並行して、ワークショップを考案・設計するグループワークを行います。授業の後半では、他の履修者を対象に、自分たちの考案・設計したワークショップを実施します。これにより、「ワークショップデザイン」の感覚・スキルを実践的に高めたいと思います。最終的には、履修者ひとりひとりがつかんだワークショップ・デザインの秘訣を、パターン・ランゲージの形式でまとめ、自分たちの実践につなげる準備を行うことにします。

なお、考えを深めてもらうために、授業と並行して文献を読んで学んでいくという宿題を出しますので、各自、書籍『クリエイティブ・ラーニング』を入手しておいてください。


【授業計画】

第1・2回(11/30):イントロダクション&ワークショップ体験
授業の内容、進め方について理解します。また、ワークショップを体験します。

第3・4回(12/7):「全体性のたまご」アプローチによるデザイン&ワークショップ紹介
全体性を考慮しながら、部分をつくり込んでいく「全体性のたまご」アプローチによるデザインについて学びます。また、パターン・カードを用いた対話ワークショップやフューチャー・ランゲージ・ワークショップなど、いくつかのワークショップを紹介し、その設計上の工夫や実施事例を紹介します。

第5・6回(12/14):ワークショップ実践&振り返り・ディスカッション #1
グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。その後、実施したワークショップについて振り返り、議論します。

第7・8回(12/21):ワークショップ実践&振り返り・ディスカッション #2
グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。その後、実施したワークショップについて振り返り、議論します。


第9・10回(1/11):ワークショップ実践&振り返り・ディスカッション #3
グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。その後、実施したワークショップについて振り返り、議論します。

第11・12回(1/18):ワークショップ実践&振り返り・ディスカッション #4
グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。その後、実施したワークショップについて振り返り、議論します。

第13・14回(1/25):ワークショップ実践&振り返り・ディスカッション #5
グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。その後、実施したワークショップについて振り返り、議論します。


第15回:ワークショップ・デザインのパターン・ランゲージ作成
授業でつかんだワークショップ・デザインのコツを、パターン・ランゲージの形式で記述していき、最終レポートを作成します。(授業時間外)


【履修選抜課題】
受入学生数(予定):90人程度

選抜方法:課題提出による選抜

「自分が好きな作品の分析」

以下の内容をA4で1ページに収め、PDFファイルにして提出してください。

まず最初に、名前、学籍番号、SFCのメールアドレスを明記

映画、漫画、小説、ゲーム、ドラマ、演劇、テレビ番組、Youtube、ミュージシャン、芸人など、「自分がとても好きな作品」を取り上げ、自分が感じる「すばらしさ」(魅力)を分析してください。

(1)まず、その作品を知らない人に対して、それがどういうものかがわかるように簡単に説明してください。

(2)その上で、そのどこがどのように自分の「好き」を生んでいるのか(つまり自分はその作品のどこにどのように惹かれているのか)を「分析」し、説明してください。

この課題は、作品をただ受け取り消費するということを超えて、「その作品がどのような成り立ちをしているのか」と「自分が惹かれるのはどういう点なのか」を自覚するためのものです。好きな作品だからといって、ただただその説明に終始するのではなく、必ず分析的な目で分析して、それについて書くようにしてください。

提出の際には、必ず1ページのPDFファイルを提出してください。以上の要件をみたない課題が提出された場合には、選抜の対象外とします。


【提出課題・試験・成績評価の方法など】

成績評価は、出席と授業中のワークショップや議論への参加、ふりかえりと文献の宿題、グループワークへの貢献と期末レポートから総合的に評価します。


【履修上の注意】

  • 授業時間外にしっかりとグループワークの活動をすることが求められます。

  • 毎週、授業から自分が学んだことをまとめる宿題とともに、文献(教科書)を読んでまとめを提出する文献読解宿題も出ます。

  • 本授業では、コミュニケーションツール「slack」を用いて、授業に関するアナウンスや、グループワークのやりとりなどを行います。こまめにアクセスするようにしてください。

  • 学期前半には、同じ曜日時限に「創造システム理論」(井庭)が開講されます。そちらはかなり理論的な授業でだいぶ毛色が違いますが、よければ併せてどうぞ。


    【教材・参考文献】

    教科書

  • 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019)

    参考文献

  • 『ジェネレーター:学びと活動の生成』(市川力, 井庭崇, 学事出版, 2022)
  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』(井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)
  • 『おもてなしデザイン・パターン:インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』(井庭 崇, 中川 敬文, 翔泳社, 2019年)
  • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年)
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    慶應義塾大学SFC「創造システム理論」2023シラバス

    「創造システム理論」2023
    慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
    担当教員:井庭崇
    開講:2023年度秋学期(前半)
    曜日時限:木曜3・4限※
    ※ 学期後半には、同じ曜日時限に「ワークショップデザイン」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。
    実施形態:対面

    【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

    この授業では、「創造」とはどのようなメカニズムで成り立っているのかを定式化した「創造システム理論」について学んでいきます。「創造システム理論」は、「創造」は「発見」を構成素とするオートポイエーシスによって成り立つシステムであるという理論です。この理論は、システム理論や哲学に依拠してつくられていることから、その背後にある理論・哲学を学び、深く理解することが不可欠です。この授業では毎週、重要な文献(難解だと言われている学術書)をかなりの量読んでまとめを書く予習宿題と、授業後に改めて読み直してまとめを書く復習宿題に取り組みながら、難解な理論・哲学を読み解く力を鍛えていきます。そのような各自読解に取り組んだ上で、授業中にみんなで重要な箇所を確認していったり、担当教員がわかりやすく解説をしたりしていきます。

    このような仕組みにするのは、難しい文献の読解に取り組む経験を積み、その力を養うためです。やわらかいものばかり食べていると顎(あご)が弱くなるとの同じように、噛み砕かれたやさしい文章ばかり読んでいると、知的な咀嚼力が弱くなります。硬くても難解でも、果敢に挑戦し、読み下す力をつける機会をこの授業では提供したいと思います。

    毎週の文献読解はとても難しくて苦戦すると思いますが、それが力がつく一番の近道です。がんばってついてきてください。創造について理解が深まり、かつ、原典となる理論・哲学を学ぶことができるという「一石二鳥」に加えて、「読解力」もつくので、いうなれば「一石三鳥」です。そして、「三鳥」が得られるわけですから、通常の三倍の努力をしても、ちょうどペイします。ぜひ、一石に三倍の力を込めて取り組むようにしてください。


    【授業計画】

    第1・2回(10/5):創造と実践のオートポイエーシス
    オートポイエーティックなシステムとはどのようなシステムかを理解し、「創造」は、発見を要素とするオートポイエティック・システムであるという「創造システム理論」について学びます。さらに、「実践」も行為を構成素とするオートポイエーシスによって成り立つということを理解します。

    第3・4回(10/12):生命と神経のオートポイエーシス
    生物学者ウンベルト・マトゥラーナとフランシスコ・ヴァレラによるオートポイエーシスに関する文献を読み、オートポイエーシスの概念とその概念構築の背景を理解します。また、システム理論の世代に関する河本英夫の文献を読み、オートポイエティック・システムの位置付けと特徴を理解します。

    第5・6回(10/19):社会と心理のオートポイエーシス
    社会学者ニクラス・ルーマンの社会システム理論に関する文献を読み、社会システムと心理システム、そして、一般システム理論での水準のオートポイエーシスの定式化について理解を深めます。

    (10/26(木)は休講)

    第7・8回(11/2):現象学入門
    現象学についての入門的な文献を読み、現象学について概観します。

    第9・10回(11/9):本質観取
    エトムント・フッサールの現象学の中期の文献を読み、物事の本質をつかむ「本質観取」の方法について理解を深めます。

    第11・12回(11/11):「本質観取」実践のパターン・ランゲージ
    井庭研究室で作成した「本質観取」実践のパターン・ランゲージを用いて、本質観取を実際にどのように行えばよいのか、そのコツをつかみます。

    第13・14回(11/16):受動的綜合と能動的綜合
    エトムント・フッサールの現象学の後期の文献を読み、受動的綜合と能動的綜合について理解を深めます。 また、この授業で学んできた概念を用いて、改めて創造システム理論についてふりかえります。


    第15回:最終レポート
    最終レポートに取り組みます。(授業時間外)


    【履修選抜課題】
    受入学生数(予定):90人程度

    選抜方法:課題提出による選抜

    「創造システム理論」について書いてある以下の3つの文献のなかから2つ以上を読み、「創造システム」(Creative System)とはどのようなシステムだと理解したのかを、A4用紙1ページでまとめてください。自分なりにヴィジュアルに図示して掲載することも歓迎します(下記の文献からそのまま取ってくるのは、やめてください)。

    なお、文献(1)と(3)はオンラインで無料で読むことができます。(2)を選ぶ場合は、書籍を自分で入手・調達してください。履修選抜課題レポートには、どの文献を読んだのかを明記してください。また、レポート冒頭に名前、学籍番号、メールアドレスも明記してください。

    (1) 井庭 崇, 「自生的秩序の形成のための《メディア》デザイン──パターン・ランゲージは何をどのように支援するのか?」, 10+1 website, 2009年9月
    https://www.10plus1.jp/monthly/2009/09/post-2.php

    (2) 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019年)の p.137-161

    (3) Takashi Iba, “An Autopoietic Systems Theory for Creativity,” Procedia - Social and Behavioral Sciences, Vol.2, Issue 4, pp.305 6625, 2010
    https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1877042810011298/pdfft?md5=7c67a7f5856e7e23bc39c9be6dc5bad5&pid=1-s2.0-S1877042810011298-main.pdf


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績は、毎週の予習宿題、出席、授業での発言、復習宿題、最終レポートから総合的に評価します。


    【履修上の注意】

  • 授業と並行して、毎週、難解で分量もある文献を読んでレポートを提出する宿題が出ます。そのつもりで受講してください。

  • この授業は、楽をしたい人には絶対に向かない(そしてコンプリートできない)授業です。途中でドロップアウトしがちな人は十分注意して、覚悟して取り組み、しっかりとやり抜いてください。知的な探究心がある人、自分を鍛えて成長させたい人の参加を待っています。

  • 2023年度は、10月26日(木)の授業は休講となり、11月11日(土)に補講を行う予定です。


    【教材・参考文献】

    授業に並行して読む次の新書の本のみ、各自購入してください。

  • 竹田 青嗣, 『新・哲学入門』, 講談社, 2022

    以下は、この授業で読む予定の文献ですが、コピーを配布するので購入する必要はありません(じっくり付き合いたい本は、各自の判断でどうぞ。とても深い何度読んでも学びと発見がある本ばかりです)。

  • Takashi Iba, "An Autopoietic Systems Theory for Creativity”, Procedia - Social and Behavioral Sciences, Vol.2, Issue 4, 2010, pp.6610-6625
  • 井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』, 慶應義塾大学出版会, 2019年
    -
  • H. R. マトゥラーナ, F. J. ヴァレラ, 『オートポイエーシス:生命システムとはなにか』, 国文社, 1991
  • 河本 英夫, 『オートポイエーシス:第三世代システム』, 青土社, 1995
  • ニクラス・ルーマン, 『社会システム〈上〉〈下〉:或る普遍的理論の要綱』, 勁草書房, 2020
  • ニクラス・ルーマン, 『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』, 新泉社, 2007
  • ニクラス・ルーマン, ディルク・ベッカー 編, 『システム理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈1〉』, 新泉社, 2007
  • 小林隆児, 西研 編著, 『人間科学におけるエヴィデンスとは何か:現象学と実践をつなぐ』, 新曜社, 2015
  • 現象学とは何か: 哲学と学問を刷新する 単行本 – 2020/12/25
  • 竹田青嗣, 西研 編著, 『現象学とは何か: 哲学と学問を刷新する』, 河出書房新社, 2020
  • 竹田青嗣, 『哲学とは何か』, NHK出版, 2020
  • 竹田 青嗣, 『欲望論 第1巻:「意味」の原理論』, 講談社, 2017
  • 竹田 青嗣, 『欲望論 第2巻:「価値」の原理論』, 講談社, 2017
  • 井庭 崇「本質観取におけるアブダクションと質的帰納:フッサール現象学とパース論理学の接続」, 本質学研究, 第11号, 2022
  • 井庭崇, 「実践の本質学:パターン・ランゲージの作成における本質観取」, 本質学研究, 第12号, 2023
  • E.フッサール著, 『現象学の理念』, 作品社, 1997
  • フッサール, 『ブリタニカ草稿:現象学の核心』, ちくま学芸文庫, 2004
  • エトムント・フッサール, L.ランドグレーベ 編, 『経験と判断』, 新装版, 河出書房新社, 1999
  • エトムント・フッサール, 『イデーン I-I:純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 第1巻 純粋現象学への全体的序論』, みすず書房, 1979
  • エトムント・フッサール, 『イデーン I-II:純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 第1巻 純粋現象学への全体的序論』, みすず書房, 1984
  • エトムント・フッサール, 『イデーン II-I:純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 第2巻 構成についての現象学的諸研究』, みすず書房, 2001
  • エトムント・フッサール, 『イデーン II-II:純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 第2巻 構成についての現象学的諸研究』, みすず書房, 2001
  • エトムント・フッサール, 『能動的綜合――講義・超越論的論理学 1920-21年』, 山口一郎, 中山純一訳, 知泉書館, 2020
  • エドムント・フッサール, 『受動的綜合の分析』, 山口一郎, 田村京子訳, 国文社, 1997.
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    慶應義塾大学SFC「創造社会論」2022シラバス

    創造社会論2022
    慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
    担当教員:井庭崇
    開講:2022年度秋学期(前半)
    曜日時限:金曜4・5限※
    ※ 学期後半には、同じ曜日時限に「ワークショップデザイン」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。
    実施形態:完全オンライン開講(Zoom)

    CreSoc2022.png


    【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

    これからの社会は、どのような社会になるでしょうか? 本講義では、これからの社会を、一人ひとりが本来もっている創造性を十全に発揮する「創造社会」(Creative Society)になるという想定から出発します。創造社会では、誰もがさまざまな分野・領域で「つくる」ことをごく当たり前に行うようになります。そして何よりも、「つくる」ということが、生活・人生の豊かさや幸せを象徴するようになっていきます。

    かつてインターネットの登場によって始まった「情報社会」では、生活が変わり、組織が変わり、社会が変わりました。同様に、「創造社会」の到来においても、生活・組織・社会のあり方が大きく変わることになるでしょう。そこで、その変化とはどのようなものなのか、そして、それらの変化は何をもたらすのかを考えることは、これからの未来に向かうための重要な準備となります。

    そのような未来に向け、本講義では、自然や創造にまつわる実践・研究に取り組んでいる方々をゲストにお招きし、対話を重ね、「創造社会」の未来像を描き深めていきます。それぞれの対談で知り学んだ考え方や取り組み方を、履修者一人ひとりがパターン・ランゲージの形式でまとめ、自分たちのこれからの実践につなげていくことができるようにすることが、最終的にこの授業で取り組むことです。

    2022年度秋学期の各回のテーマは、「つくり手たちのコミュニティ」、「旅にまつわるスタートアップ」、「創造のプロセスと人生」、「自然エネルギー」、「感性」、「プラネタリーヘルス」、「手放す」です。

    この授業では、単に受け身で話を聞くというのではなく、想像力をフルに発揮して未来像を思い描くとともに、重要な考え方や実践のコツを自らつかみ取りにいく姿勢で参加することが期待されています。授業は、Zoom上で行いますが、オンライン上でも相互の存在感とコミュニケーションのために、カメラオンで参加してください。また、各自、書籍『プロジェクト・デザイン・パターン』を入手してもらい、授業と並行して読む宿題を毎週出します。

    担当教員・井庭崇から学生のみんなへ:時間が経てば「未来」はやってきます。でも、それは自分たちの望んでいる未来ではないかもしれません。いや、むしろ、何もしなければ、望む未来がやって来るなんてことはないでしょう。だから、僕たちは未来に向かって、理想・ヴィジョンと、それを実現する物事をつくり続けていかなければなりません。この授業は、よりよい未来に向けて自分にできることを精一杯(しかも創造的に、面白そうに)やっている大人たちがいることを、みんなにも知ってほしくて・感じてほしくて企画しました。「自分たちの未来を自分たちでつくる」という道へ、ようこそ!たくさん刺激を受けて、自分のエネルギーにしてもらえればと思います。


    【授業計画】

    第1・2回(10/7):「つくり手たちのコミュニティ」(小竹 貴子さん × 井庭 崇)
    小竹 貴子さん(クックパッド株式会社 Evangelist コーポレートブランディング部本部長) をゲストにお招きし、料理の「つくり手たちのコミュニティ」の立ち上げと運営についてお話を伺い、語り合います。

    小竹 貴子(Takako Kotake)
    クックパッド株式会社 Evangelist コーポレートブランディング部 本部長。1972年石川県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。株式会社博報堂アイ・スタジオでWEBディレクターを経験後、2004年有限会社コイン(後のクックパッド株式会社)入社。2006年編集部門長就任、2008年執行役就任。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2010」を受賞。個人活動として料理教室なども開催している。シンプルでおいしく、しかも手順がとても簡単なレシピが大人気で、『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』がロングヒットに。
    クックパッド: https://cookpad.com
    Forbes Japan コラム: https://forbesjapan.com/author/detail/1833
    Diamond online コラム: https://diamond.jp/ud/authors/5f06adc477656174ec010000


    第3・4回(10/14):「旅にまつわるスタートアップ」(篠塚 孝哉さん × 井庭 崇)
    篠塚 孝哉さん(株式会社令和トラベル代表取締役社長)をゲストにお招きし、事業を興すということについてお話を伺い、語り合います。

    篠塚 孝哉(Takaya Shinozuka)
    2011年株式会社Loco Partnersを創業、2013年に宿泊予約サービス「Relux」を開始。17年春にはKDDIグループにM&Aにて経営参画、最年少子会社社長(当時)として経営執行を担う。2020年3月にLoco Partnersの社長を退任。2021年4月、株式会社令和トラベルを創業。同年6月には、シードラウンドで22.5億円の大型資金調達を実施。「あたらしい旅行を、デザインする。」をミッションに海外旅行代理業を展開。2022年4月、海外旅行予約アプリ「NEWT(ニュート)」をリリース。
    株式会社令和トラベル:https://www.reiwatravel.co.jp/


    第5・6回(10/21):「創造のプロセスと人生」(森本 千絵さん × 井庭 崇)
    森本 千絵さん(アートディレクター、魅力製造家)をゲストにお招きし、創造プロセスの実際と、つくる人生についてお話を伺い、語り合います。

    森本 千絵(Chie Morimoto)
    1976年青森県三沢市で産まれ、東京で育つ。武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科を経て博報堂入社。2007年、もっとイノチに近いデザインもしていきたいと考え「出会いを発明する。夢をカタチにし、人をつなげる」をモットーに株式会社goen°を設立。現在、一児の母としてますます精力的に活動の幅を広げている。niko and...の菅田将暉・小松菜奈のビジュアル、演出、SONY「make.believe」、組曲のCM企画演出、サントリー東日本大震災復興支援CM「歌のリレー」の活動、Canon「ミラーレスEOS M2」、KIRIN「一番搾り 若葉香るホップ」のパッケージデザイン、NHK大河ドラマ「江」、朝の連続TVドラマ小説「てっぱん」のタイトルワーク、山田洋次監督『男はつらいよ50 お帰り寅さん』に続き『キネマの神様』の広告や劇中画を手掛けている。他にも松任谷由実、Official髭男dism、Mr.Children30周年のアートワーク広告の企画、演出、商品開発、本の装丁、映画・舞台の美術や、動物園や保育園の空間ディレクション、青森新空港のステンドグラス壁画を手掛けるなど、活動は多岐にわたる。また自社ブランド「mono°goen°」ECサイトの立ち上げ、22年2月にオープンしたATELIER&SHOP goen°ではこれまで紡いできた“ご縁”をより豊かに進化させるため、新たな「goen°」を分かち合うための場所として広げていく。受賞歴に、N.Y.ADC賞、ONE SHOW、朝日広告賞、アジア太平洋広告祭、東京ADC賞、JAGDA新人賞、SPACE SHOWER MVA、ADCグランプリ、日経ウーマンオブザイヤー2012、50th ACC CM FESTIVALベストアートディレクション賞、伊丹十三賞、日本建築学会賞、など。著書に、『GIONGO GITAIGO J゛ISHO』、『MORIMOTO CHIE Works 1999-2010 うたう作品集』、『アイデアが生まれる、一歩手前の大事な話』、絵本『おはなしのは』『母と暮せば』。
    goen°: http://www.goen-goen.co.jp


    第7・8回(10/28):「自然エネルギー」(山川 勇一郎さん × 井庭 崇)
    山川 勇一郎さん(たまエンパワー株式会社代表取締役、株式会社さがみこファーム代表取締役)をゲストにお招きし、自然エネルギーのこれからについてお話を伺い、語り合います。

    山川 勇一郎(Yuichiro Yamakawa)
    1975年東京都多摩市生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 社会イノベーターコース修了。たまエンパワー株式会社代表取締役、株式会社さがみこファーム代表取締役。幼少期から登山など自然に親しみ、20-30代は富士山麓でプロ自然ガイドとして年間3,000人を自然の中にいざなう。東日本大震災を機に地元多摩市にUターンし、地域主導による屋根上太陽光発電事業を手掛けたのち、2015年たまエンパワー株式会社を創業( https://tamaempower.co.jp/ )。太陽光発電事業に加え、地方自治体の脱炭素コンサルティング等を手掛ける。2019年農業に参入。太陽光発電と農業を組み合わせた「ソーラーシェアリング」を相模原市で初めて実現する。自然豊かな津久井地域の山間部で、33種類1100本のブルーベリーの摘み取りができる会員制の体験農園「さがみこベリーガーデン」を2021年6月開園( https://sagamico-bg.org/ )。食とエネルギーを通じて自然と調和した地域の未来づくりを目指す。
    たまエンパワー株式会社: https://tamaempower.co.jp
    さがみこファーム: https://sagamicofarm.co.jp


    第9・10回(11/4):「感性にもとづく実践」(小阪 裕司さん × 井庭 崇)
    小阪 裕司さん(オラクルひと・しくみ研究所代表)をゲストにお招きし、人間活動における感性と行動についてお話を伺い、語り合います。

    小阪裕司(Yuji Kosaka)
    オラクルひと・しくみ研究所代表。博士(情報学)。山口大学(美学専攻)を卒業後、大手小売業・広告代理店を経て、1992年オラクルひと・しくみ研究所設立。人の「感性」と「行動」を軸にした独自のビジネス理論と実践手法を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系(感性科学)マーケティング実践会」主宰。全都道府県および海外から約1500社が参加。22年に渡る活動で、1万5千件を超える現場での成果実例を生み出しており、その数は日々増え続けている。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得、産官学にまたがり、年間数多くの講演・講義も行う。2017年からは、この理論と実践手法を全国の企業に広める事業が経済産業省の認定を受けている。日本感性工学会理事、九州大学招聘講師。「日経MJ」(日本経済新聞社発行)での550回を超える人気コラム「招客招福の法則」をはじめ、連載、執筆多数。著書は、『「顧客消滅」時代のマーケティング』(PHP研究所)、『価値創造の思考法』(東洋経済新報社)はじめ、新書・文庫化・海外出版含め41冊。今夏新刊『「価格上昇」時代のマーケティング』(PHP研究所)出版予定。YouTubeチャンネル(小阪裕司の「商売道場」)
    オラクルひと・しくみ研究所: https://kosakayuji.com/
    ワクワク系(感性科学)マーケティング実践会: https://kosakayuji.com/wakuwaku/
    YouTubeチャンネル - 小阪裕司の「商売道場」: https://www.youtube.com/channel/UCtH73krTrRqmEKabaq4UPug


    第11・12回(11/11):「プラネタリーヘルス」(桐村 里紗さん × 井庭 崇)
    桐村 里紗さん(医師、tenrai株式会社 代表取締役) をゲストにお招きし、「土」と微生物の観点から、人と地球の健康についてお話を伺い、語り合います。

    桐村 里紗(Lisa Kirimura)
    医師・認定産業医/tenrai株式会社 代表取締役医師。東京大学大学院工学系研究科道徳感情数理工学講座特任研究員(2022.9.1〜)。臨床医として予防医療から生活習慣病、在宅終末期医療まで幅広く臨床経験を積み、現在は人口最少県の人口最小の町・鳥取県江府町(人口2,600人)へ移住し、人を含む惑星全体のシステムを最適化する「プラネタリーヘルス」の社会実装を産官学民連携で行う。SONYコンピューターサイエンス研究所の研究・実装する「拡張生態系」の実験圃場を地元Jリーグチームと共に運営したり、江府町において、自然資本や人的資本に基づいたプラネタリーヘルス地域モデル(鳥取江府モデル)構築を行う。東京大学では量子ゲート数理「四則和算」を応用したポストデジタルシステムの研究・実装を行い、新文明の萌芽を描く。土と微生物を結節点に健康課題と地球課題を同時に解決するプラネタリーヘルスの理論と実践の新著『腸と森の「土」を育てる:微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
    tenrai株式会社: https://tenrai.co


    第13・14回(11/25):「手放す」(藤田 一照さん × 井庭 崇)
    藤田 一照さん(曹洞宗僧侶)をゲストにお招きし、生きることや創造における「手放す」ことの大切さとその実践についてお話を伺い、語り合います。

    藤田 一照(Issho Fujita)
    曹洞宗僧侶。1954年愛媛県生まれ。東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程を中途退学し、曹洞宗僧侶となる。1987年よりアメリカ合衆国マサチューセッツ州西部にある禅堂に住持として渡米、近隣の大学や仏教瞑想センターでも禅の講義や坐禅指導を行う。2005年に帰国。2010年から2018年まで、サンフランシスコにある曹洞宗国際センター所長。神奈川県葉山町にて慣例に捉われない独自の坐禅会を主宰している。Facebook上で松籟学舎一照塾を主宰。著書に『現代坐禅講義』、『現代「只管打坐」講義』、『禅トレで生きるのがラクになる』、『禅僧が教える考えすぎない生き方』、『ブッダが教える愉快な生き方』。共著に『あたらしいわたし』、『仏教は世界を救うか?』、『脳科学は宗教を解明するか?』、『禅の教室』、『アップデートする仏教』、『退歩のススメ』、『感じて、ゆるす仏教』、『〈仏教3.0〉を哲学する』、『仏教サイコロジー』、『〈仏教3.0〉を哲学する バージョン2』、『不要不急』、訳書にティク・ナット・ハン『禅への鍵』、『法華経の省察』、ドン・キューピット『未来の宗教』、ラリー・ローゼンバーグ『〈目覚め〉への3つのステップ』、キャロライン・ブレイジャー『自己牢獄を超えて』、『禅マインド ビギナーズ・マインド2』がある。
    松籟学舎一照塾: https://www.facebook.com/isshojuku
    藤田一照HP: http://fujitaissho.info


    第15回:対談から得たことをパターン・ランゲージのかたちでまとめる

    文献宿題で読んだ『プロジェクト・デザイン・パターン』の形式を参考にしながら、対談から得た・学んだ「大切なこと」ことを、パターン・ランゲージの形式でまとめていきます。(授業時間外)


    【履修選抜課題】
    受入学生数(予定):150人程度を想定
    ※希望者が多ければ、より多くの人を受け入れる可能性があります。

    選抜方法:課題提出による選抜

    「自己紹介 × 未来ヴィジョン」シート

    担当教員とゲスト登壇者に向けて、自己紹介+自分の未来ヴィジョンを、1ページで魅力的に表現してまとめて提出してください。

    自分のこれまでと今の興味・やっていること等を紹介するとともに、これからの自分の方向性ややりたいこと・夢・挑戦などのヴィジョンを魅力的に表現してください。必ずジャスト1ページに収め(多すぎず少なすぎず)、そのなかに「名前」と「ふりがな」を入れ、自分の人となりを表す「写真」も含めるようにしてください(写真はアップでも遠景でも構いませんし、紙面が許すならば複数入れても構いません)。

    この「自己紹介 × 未来ヴィジョン」シートでは、文字だらけのいわゆる志望理由書やレポートのようなものを求めていません。紙面を文章で埋めるのではなく、パッと見て・読んで理解できるように、短めの文を配置したりして、わかりやすさを心がけてください。ビジュアル要素も入れて魅力的に表現してほしいと思います。また、アップできるファイル容量には制限があるということと、〆切直前はシステムが重くなるので、それらの点にも注意して早めの準備・提出をしてください。

    担当教員とゲスト登壇者が見て「履修者にはこういう人がいるんだ!」と魅力的に感じられるような1枚にしてほしいと思います(実際にゲスト登壇者に事前にファイルを共有します)。

    提出の際には、必ずPDFファイルで提出してください(形式が異なる場合には履修選抜の対象になりません)。

    今年は教室の制約もないことから、基本的にはより多くの人を受け入れたいと思っていますが、上記の内容や形式の要件を満たしていない人(内容が薄すぎる、文章ばかりのものになっている、分量的に少なすぎるか多すぎる、PDFではないファイル形式での提出など)は、授業中・課題等でも同様の可能性があるため、定員人数にかかわらず履修不許可とするので、注意してください。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績評価は、出席と授業中の議論への参加とふりかえり宿題(40%)、文献宿題(25%)、期末レポート(35%)にもとづき総合的に評価します。


    【履修上の注意】

  • 授業時は、履修者同士ともに学んでいることを感じられ、話し手も聴き手の反応を感じられるように、カメラをオンにして参加してください。また、これは、実際にそこにいて話を聴いていることの確認でもあります。カメラオンで参加したくないという人は、この授業は履修しないようにしてください。
  • 毎週、授業から自分が学んだことをまとめる「ふりかえり」の宿題とともに、文献(教科書)を読んでまとめを提出する「文献読解」の宿題も出ます。
  • 学期後半には、同じ曜日時限に「ワークショップデザイン」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。


    【教材・参考文献】

    教科書指定

    参考文献(井庭)

    • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年)
    • 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019)
    • 『ジェネレーター:学びと活動の生成』(市川力, 井庭崇, 学事出版, 2022)
    • 『おもてなしデザイン・パターン:インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』(井庭 崇, 中川 敬文, 翔泳社, 2019年)
    • 『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』(井庭 崇, 長井 雅史, 丸善出版, 2018)
    • 『ともに生きることば:高齢者向けホームのケアと場づくりのヒント』(金子 智紀, 井庭 崇, 丸善出版, 2022)
    • 『コロナの時代の暮らしのヒント』(井庭崇, 晶文社, 2020)


    参考文献(ゲスト)

    • 『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』(小竹 貴子, 日経BP, 2020)
    • 『料理手順がスラスラわかる 図解レシピ』(小竹 貴子, 飛鳥新社, 2021)
    • 『驚くほどシンプルでおいしくなる サラダのアイデア帖』(小竹 貴子, PHP研究所, 2021)
    • 『時間があっても、ごはん作りはしんどい』(小竹 貴子, 学研プラス, 2022)
    • 『月給たった5万円! でも、選びました 空回りの20代から、30代でクックパッドの役員になれたわけ』(小竹 貴子, 講談社 (2013
    • 『仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣』(篠塚 孝哉, かんき出版, 2012)
    • 『アイデアが生まれる、一歩手前のだいじな話』(森本 千絵, サンマーク出版, 2015)
    • 『うたう作品集:MORIMOTO CHIE Works 1999‐2010』(森本 千絵, 誠文堂新光社, 2010)
    • 『おはなしのは』(森本 千絵, 講談社, 2015)
    • 『デザイナーが未来に残したい私の3ヵ条』(水野 学, 森本 千絵 ほか, 玄光社, 2018)
    • 『腸と森の「土」を育てる:微生物が健康にする人と環境』(桐村 里紗, 光文社, 2021)
    • 『現代坐禅講義:只管打坐への道』(藤田 一照, KADOKAWA, 2019)
    • 『現代「只管打坐」講義:そこに到る坐禅ではなく、そこから始める坐禅』(藤田 一照, 佼成出版社, 2020)
    • 『ブッダが教える愉快な生き方』(藤田 一照, NHK出版, 2019)
    • 『禅僧が教える考えすぎない生き方』(藤田 一照, 大和書房, 2018)
    • 『アップデートする仏教』(藤田 一照, 山下 良道, 幻冬舎, 2013)
    • 『〈仏教3.0〉を哲学する』(藤田 一照, 永井 均, 山下 良道, 春秋社, 2016)
    • 『〈仏教3.0〉を哲学する バージョンII』(藤田 一照, 永井 均, 山下 良道, 春秋社, 2020)
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    慶應義塾大学SFC「ワークショップデザイン」2022シラバス

    ワークショップデザイン2022
    慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
    担当教員:井庭崇
    開講:2022年度秋学期(後半)
    曜日時限:金曜4・5限※
    ※ 学期前半には、同じ曜日時限に「創造社会論」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。
    実施形態:完全オンライン開講(Zoom)

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    【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

    「対話による学び」や「つくることによる学び」の場をどのようにつくればよいのでしょうか? 本講義では、その場のひとつのかたちとして「ワークショップ」(workshop)の可能性を考えます。

    現在、いろいろな種類のワークショップが開かれていますが、それらのワークショップの背後にはどのような設計意図や工夫があるのでしょうか? また、自分たちがワークショップをつくるときには、何をどのように考えればよいのでしょうか? そして、ワークショップのファシリテーションにおいては、何に気をつければよいのでしょうか?

    これらのことを考え・学ぶために、授業と並行して、ワークショップを考案・設計するグループワークを行います。授業の後半では、他の履修者を対象に、自分たちの考案・設計したワークショップを実施します。これにより、「ワークショップデザイン」の感覚・スキルを実践的に高めたいと思います。最終的には、履修者ひとりひとりがつかんだワークショップ・デザインの秘訣を、パターン・ランゲージの形式でまとめ、自分たちの実践につなげる準備を行うことにします。

    今年度も完全オンライン開講で、みんなでオンラインでのワークショップ(広義の参加型オンライン授業やオンライン・イベント等)の可能性を探究します。授業はZoom上で行いますが、オンライン上でも相互の存在を感じられ、よりよいコミュニケーションができるため、また、ワークショップへの参加があるため、必ずカメラオンで参加し、ミュートを外して話すことができる環境で受講してください。

    なお、考えを深めてもらうために、授業と並行して文献を読んで学んでいくという宿題を出しますので、各自、書籍『クリエイティブ・ラーニング』を入手しておいてください。


    【授業計画】

    第1回(12/2):イントロダクション
    授業の内容、進め方について理解します。

    第2回(12/2):ワークショップ体験
    オンラインでのワークショップを体験してみます。

    第3回(12/9):「全体性のたまご」アプローチによるデザイン
    全体性を考慮しながら、部分をつくり込んでいく「全体性のたまご」アプローチによるデザインについて学びます。(オンデマンド配信の予定)

    第4回(12/9):いくつかのワークショップの紹介
    パターン・カードを用いた対話ワークショップやフューチャー・ランゲージ・ワークショップなど、いくつかのワークショップを紹介し、その設計上の工夫や実施事例を紹介します。(オンデマンド配信の予定)

    第5回 (12/16):ワークショップ実践 #1
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第6回 (12/16):振り返り・ディスカッション #1
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第7回 (12/23):ワークショップ実践 #2
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第8回 (12/23):振り返り・ディスカッション #2
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第9回 (1/6):ワークショップ実践 #3
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第10回 (1/6):振り返り・ディスカッション #3
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第11回 (1/13):ワークショップ実践 #4
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第12回 (1/13):振り返り・ディスカッション #4
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第13回 (1/20):ワークショップ実践 #5
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第14回 (1/20):振り返り・ディスカッション #5
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第15回:ワークショップ・デザインのパターン・ランゲージ作成
    授業でつかんだワークショップ・デザインのコツを、パターン・ランゲージの形式で記述していき、最終レポートを作成します。(授業時間外)


    【履修選抜課題】
    受入学生数(予定):約150人

    選抜方法:課題提出による選抜

    「自分が好きな作品の分析」

    以下の内容をA4で1ページに収め、PDFファイルにして提出してください。

    まず最初に、名前、学籍番号、SFCのメールアドレスを明記

    映画、漫画、小説、ゲーム、ドラマ、演劇、テレビ番組、Youtube、ミュージシャン、芸人など、「自分がとても好きな作品」を取り上げ、自分が感じる「すばらしさ」(魅力)を分析してください。

    (1)まず、その作品を知らない人に対して、それがどういうものかがわかるように簡単に説明してください。

    (2)その上で、そのどこがどのように自分の「好き」を生んでいるのか(つまり自分はその作品のどこにどのように惹かれているのか)を「分析」し、説明してください。

    この課題は、作品をただ受け取り消費するということを超えて、「その作品がどのような成り立ちをしているのか」と「自分が惹かれるのはどういう点なのか」を自覚するためのものです。好きな作品だからといって、ただただその説明に終始するのではなく、必ず分析的な目で分析して、それについて書くようにしてください。

    提出の際には、必ず1ページPDFファイルを提出してください。以上の要件をみたない課題が提出された場合には、選抜の対象外とします。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績評価は、出席と授業中のワークショップや議論への参加(30%)、ふりかえりと文献の宿題(30%)、グループワークへの貢献と期末レポート(40%)から総合的に評価します。


    【履修上の注意】

  • 授業時間外にしっかりとグループワークの活動をすることが求められます。
  • オンライン上でも相互の存在を感じられ、よりよいコミュニケーションができるため、また、ワークショップへの参加があるため、必ずカメラオンで参加し、ミュートを外して話すことができる環境で受講してください。そのように受講できない人は、この授業の履修はしないでください。
  • 毎週、授業から自分が学んだことをまとめる宿題とともに、文献(教科書)を読んでまとめを提出する文献読解宿題も出ます。
  • 本授業では、コミュニケーションツール「slack」を用いて、授業に関するアナウンスや、グループワークのやりとりなどを行います。こまめにアクセスするようにしてください。
  • 学期前半には、同じ曜日時限に「創造社会論」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。


    【教材・参考文献】

    教科書


    参考文献

    • 『ジェネレーター:学びと活動の生成』(市川力, 井庭崇, 学事出版, 2022)
    • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』(井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)
    • 『おもてなしデザイン・パターン:インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』(井庭 崇, 中川 敬文, 翔泳社, 2019年)
    • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年)
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    Syllabus: EXPLORING CREATIVE SOCIETY (GIGA) 2022 - Keio SFC

    EXPLORING CREATIVE SOCIETY (GIGA) 2022
    Faculty of Policy Management / Faculty of Environment and Information Studies, Keio University
    Faculty-in-charge: Takashi Iba
    Semester: Fall semester (2nd half of semester), 2022
    Day and Time: Friday 1st & 2nd Period
    Credits: 2
    Delivery: Fully Online

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    OBJECTIVES AND TEACHING METHOD

    What would society be like in the future? This class sets off by imagining that society of the future will be a “Creative Society” where each and every person makes full use of their own creativity that they originally hold within themselves. In a creative society, it will become a commonplace for everyone to “create” in many different fields and domains.

    In the past, “Information Society,” which began with the advent of the Internet, changed our lives, organizations, and society. In the same way, the arrival of Creative Society will bring enormous change in the way we live, organize and live in society.

    Imagining what those changes are and what they will bring is an important in preparation for the future. Methodologies and tools regarding the creation of a future where we can live well are important. In this course, I will share an idea that I have devoted myself to for a decade, my relevant works and my experience with you.

    The idea is to create and utilise ‘pattern languages’ for creative human actions in order to encourage people to improve their practices and dialogue in many domains. Pattern language is the media for identifying common patterns of good practices embedded in specific domains and sharing the wisdom with others. It was originally proposed in the architecture domain in the 1970s and has since been applied to various domains such as software development, education and organisations.

    For the past 15 years, my collaborators and I have created more than 80 pattern languages on diverse topics that provide tacit practical knowledge of creative human actions, comprising more than 2,000 patterns in total. Topics include the following: learning, collaboration, presentation, project design, open dialogue, education, reading, music composition, project design, startup, value-creation marketing, social intrapreneurs, change making, cooking, living well with working and parenting, living well with dementia, elderly care, management of child care, employment of people with disabilities, welfare innovation, hospitality, life transition, beauty in everyday life, natural living, digital transformation, disaster prevention and public policy design.

    These pattern languages have been practically utilised to improve practices and generate dialogues among people in various organisations and communities. I also have developed a methodology and philosphy for creating a pattern language that contains aspects of both of science and art. You will learn the case of a new type of academic study, which I call "Studies on Creative Practice".

    In this class, students are not expected to simply listen passively, but to participate with an attitude of fully exercising your imagination, envisioning the future, and grasping important ideas and practical tips on their own. In this class, there will also be time for students to practice and talk with each other in the Zoom breakout rooms, so please actively participate in them as well. Therefore, it is required to turn on your Zoom camera to show your reactions and to naturally interact with your classmates.

    Message from Professor Takashi Iba to the students:
    “The future will come as time goes by. But it may not be the future that we all hope for. Or rather, if we don’t take action, the future we hope for will never come. That is why we must continue to create ideals, visions, and things to realize them for the future. This class is designed to let everyone know and feel that there are adults out there who are doing all that they can (especially in creative and exciting ways) for a better future. Welcome to the way of Creating our future ourselves! I hope you will be inspired and use it as energy to light up your future.”


    CLASS SCHEDULE

    #1-2 - Dec. 2nd: Creative Society and Pattern Language as Media

    You will learn what is a vision of "creative society" and media that is called "pattern language". “Creative Society” is defined as a society where people create their own goods, tools, concepts, knowledge, mechanisms, and ultimately the future with their own hands. Creation in this society is no longer limited to just companies and organizations, but is entrusted to each and every individual. In such a creative society, pattern languages are key media for supporting creative acts. A Pattern Language is a collection of information called “patterns,” which together works in a language-like structure to scribe out the practical knowledge related to a certain field of knowledge. In addition, we will hold a dialogue workshop with using a pattern language for experiencing how to use a pattern language.


    #3-4 - Dec. 9th: Utilizing Pattern Languages

    You will learn what kind of pattern languages have been created and how they were utilized in the real world: learning, collaboration, presentation, project design, open dialogue, education, reading, music composition, project design, startup, value-creation marketing, social intrapreneurs, change making, cooking, living well with working and parenting, living well with dementia, elderly care, management of child care, employment of people with disabilities, welfare innovation, hospitality, life transition, beauty in everyday life, natural living, digital transformation, disaster prevention and public policy design. This class will be provided as a video on demand.


    #5-6 - Dec. 16th: Creation Process of Pattern Language

    You will learn how to create a pattern language, which the methodology has been developed in Iba Lab, Keio SFC. The process consists of three phases: Pattern Mining, Pattern Writing, and Pattern Symbolizing. You will experience pattern writing, following the Pattern Writing Sheet and give a short presentation in the class.


    #7-8 - Dec. 23rd: Community Development (Guest Speaker: Mitsu Yamazaki)
    We will invite Mitsu Yamazaki as a guest speaker who is involved in creative activities related to the Creative Society. The bio of Mitsu Yamazaki is as follows:

    Mitsuhiro Yamazaki
    CEO, MITSU YAMAZAKI LLC
    Visiting Professor, Yokohama National University

    Mitsu is an urban planner and an international business strategist based in Tokyo. Mitsu has built his career in the United States for the last 24 years, including time in Mexico and brings a unique perspective to his projects in urban development, smart city technologies and international business development.
    Prior to being an independent consultant, he worked as the International Business Development Officer for Prosper Portland, where he led the export development and foreign direct investment recruitment efforts for the City of Portland (Oregon). During his tenure he worked on a successful global trade development initiative called We Build Green Cities to guide the building of more sustainable cities around the world engaging Portland's urban design firms and best practices. One of the most notable projects he led is called Kashiwanoha Smart City Campus master plan in Japan. It is currently the largest LEED Platinum ND project in the world and was awarded the MIPIM award.
    Previously, Mitsu was a Director of Corporate Services for TIP Strategies, an Austin-based economic development consulting firm providing site selection, international business development and strategic planning services to clients in government, renewable energy and automotive sectors.
    Before TIP, he worked as the Vice President at San Antonio Economic Development Foundation as well as a Business Development Manager for Yates Construction Co., an international construction/engineering firm, focused on major industrial and commercial development projects. His prior clients include Toyota, Nissan, Honda, MUJI, Lowe’s Home Improvement and Ajinomoto.
    He currently serves as a strategic advisor to the City of Tsukuba, a consultant to the World Bank’s Tokyo Development Learning Center and advisor to several corporations and municipalities in the U.S. and Japan. He is a Senior Fellow at the Center for Public Services at Portland State University, Senior Fellow at Keio University (SFC).


    #9-10 - Jan. 6th: Pattern Language as a Work
    The feature of pattern language is not limited to functional aspect; It is also a kind of an artistic work such as novel, song and film. Pattern languages are sometimes considered as a new kind of literature. You will learn fascinating design with wholeness and fine detail like a story emmbedded in a pattern language and structure for pattern illustrations. You will also experience drawing pattern illustration and giva a short presentation in the class.


    #11-12 - Jan. 13th: Principles of Natural Deep Creation
    Writers, artists, and composers sometimes talk what happens in their creation. I have studied what they said for a long time, and discovered very interesting similarities, which is unfamiliar in general. The findings are organized into principles, which I call "Principles of Natural Deep Creation". You will learn the principles and discuss with reflecting on your experience.


    #13-14 - Jan. 20th: Collaborative Design with Future Language
    In the last class, you will learn a method for collaborative design with involving people, which I call "Future Language". Future Language is made by defining new “words” that represent visions or ideas for the future and collecting these words into a language. With these words, people are able to think of, imagine, and talk about a more richly imaginable future and collaborate towards it. You will learn cases of application in desiging restaurant, learning space, play field, workplace, and farmers market. You will experience creating a personal future language and giva a short presentation in the class.


    #15: Reflection
    Reflecting on the lectures.


    STUDENT SCREENING

    Only the selected students can take this course.
    Number of students in the class (scheduled) : About 150

    Pre-registration screening by submitted an assignment

    Self-Introduction Sheet

    Submit a one-page, engaging summary about yourself in a PDF format..

    This assignment is going to be shared among the instructor and guest speaker in advance to let them know the students’ characteristics and promote smoother engagements and communications over zoom calls.

    The introduction should entirely cover the following; where you have lived, what you have done, what your interests are and what you are doing/going to study at SFC. Please include what you would like to do and dreams/challenges you may have in the future if any.

    Be sure to keep it to ONE PAGE (neither too much nor too little, but just the right amount of information to get to know you). Please include your name, grade, and photos of yourself and what represents you. There is no specific requirement/number limitation on the amount of photos, but ones that most explains your personality are preferable.

    This screening is not asking for a typical resume or wordy application, but something that is designed according to your aesthetic. The most important things are to make it visually attractive, and easy to understand.

    The screening is not designed to see if your interests and experience match to the contents of class. However, if you don’t meet the above assignment and format requirements (e.g., not writing the assignment properly, only writing and not including visual elements, submitting too little or too much in terms of volume, submitting in a file other than PDF format, etc.), you may not be accepted.

    We are really looking forward to seeing your unique introductions!


    Assignments, Examination and Grade Evaluation

    Grading will be based on attendance, class participation including practice and reflection (60%) and final report (40%).


    Advice

    • In the class, it is required to turn on your Zoom camera to show your reactions and to naturally interact with your classmates.


    MATERIALS AND READING LIST

    • Takashi Iba & Fumio Kajiwara, translated by Ayaka Yoshikawa, Project Design Patterns: 32 Patterns of Practical Knowledge for Producers, Project Managers, and Those Involved in Launching New Businesses, CreativeShift, 2019
    • Takashi Iba with Iba Lab, Learning Patterns: A Pattern Language for Creative Learning, CreativeShift, 2014
    • Takashi Iba with Iba Lab, translated to German by Reinhard Bauer, Petra Szucsich & Martin Sankofi, Learning Patterns: Eine Mustersprache für kreatives Lernen, CreativeShift, 2018
    • Takashi Iba with Iba Lab, Presentation Patterns: A Pattern Language for Creative Presentations, CreativeShift, 2014
    • Takashi Iba with Iba Lab, Collaboration Patterns: A Pattern Language for Creative Collaborations, CreativeShift, 2014
    • Takashi Iba & Makoto Okada (eds), Iba Lab., and DFJI (Dementia Friendly Japan Initiative), Words for a Journey: The Art of Being with Dementia, CreativeShift, 2015
    • Tomoki Furukawazono & Takashi Iba, Survival Language Project, Survival Language: A Pattern Language for Surviving Earthquakes, CreativeShift, 2015
    • Mary Lynn Manns and Linda Rising, Fearless Change: Patterns for Introducing New Ideas, Addison-Wesley, 2004
    • Mary Lynn Manns and Linda Rising, More Fearless Change: Strategies for Making Your Ideas Happen, Addison-Wesley, 2015
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    慶應義塾大学SFC「創造社会論」2021シラバス

    創造社会論2021
    慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
    担当教員:井庭崇
    開講:2021年度秋学期(前半)
    曜日時限:金曜4・5限※
    ※ 学期後半には、同じ曜日時限に「ワークショップデザイン」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。
    実施形態:完全オンライン開講(Zoom)

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    【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

    これからの社会は、どのような社会になるでしょうか? 本講義では、これからの社会を、一人ひとりが本来もっている創造性を十全に発揮する「創造社会」(Creative Society)になるという想定から出発します。創造社会では、誰もがさまざまな分野・領域で「つくる」ことをごく当たり前に行うようになります。そして何よりも、「つくる」ということが、生活・人生の豊かさや幸せを象徴するようになっていきます。

    かつてインターネットの登場によって始まった「情報社会」では、生活が変わり、組織が変わり、社会が変わりました。同様に、「創造社会」の到来においても、生活・組織・社会のあり方が大きく変わることになるでしょう。そこで、その変化とはどのようなものなのか、そして、それらの変化は何をもたらすのかを考えることは、これからの未来に向かうための重要な準備となります。

    この授業では、自然との関わりを深めた「ナチュラルな創造社会」について考えたいと思います。「自然(ナチュラル)」というとき、一方では、自然(森林や海山など)などの「外なる自然」(outer nature)の意味があり、他方では、素の自分らしさと自由度をもっていきいきと生きるという「内なる自然」(inner nature)の意味があります。これらは本来は別ものではなく、相互に関係する表裏一体のものです。しかし、この二つの「自然(ナチュラル)」が分離し、しかもそれぞれが「人工的」(自然に成り立ったものではない人為的・外的)なものに浸食されてしまっていることが、現代の諸問題の根源にあるように思われます。これら二つの意味の「自然(ナチュラル)」---「外なる自然」と「内なる自然」---がうまく重なり合うようことが可能な未来はいかにして実現できるのでしょうか?

    そのような未来に向け、本講義では、自然や創造にまつわる実践・研究に取り組んでいる方々をゲストにお招きし、対話を重ね、「ナチュラルな創造社会」の未来像を描き深めていきます。それぞれの対談で知り学んだ考え方や取り組み方を、履修者一人ひとりがパターン・ランゲージの形式でまとめ、自分たちのこれからの実践につなげていくことができるようにすることが、最終的にこの授業で取り組むことです。

    2021年度秋学期の各回のテーマは、次の通りです。

    • 情報社会の次をつくる(Toward Post-Information Society)
    • 本質を捉える方法(Philosophical Method for Seeing Essences)
    • 妄想と創造(Fantasy and Creation)
    • 土をつくる(Nurturing Soil)
    • 生態系的世界観(Eco-systemic View of the World)
    • 共通了解を目指す対話(Dialogue for Creating Common Understanding)


    この授業では、単に受け身で話を聞くというのではなく、想像力をフルに発揮して未来像を思い描くとともに、重要な考え方や実践のコツを自らつかみ取りにいく姿勢で参加することが期待されています。

    授業と並行して文献を読む宿題を毎週出すので、授業初回までに早めに、書籍 『コロナの時代の暮らしのヒント』『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』を入手しておいてください。

    なお、昨年の授業(対談映像)がYouTube上で公開されています。興味がある回があれば、見てみてください。

    担当教員・井庭崇から学生のみんなへ:時間が経てば「未来」はやってきます。でも、それは自分たちの望んでいる未来ではないかもしれません。いや、むしろ、何もしなければ、望む未来がやって来るなんてことはないでしょう。だから、僕たちは未来に向かって、理想・ヴィジョンと、それを実現する物事をつくり続けていかなければなりません。この授業は、よりよい未来に向けて自分にできることを精一杯(しかも創造的に、面白そうに)やっている大人たちがいることを、みんなにも知ってほしくて・感じてほしくて企画しました。「自分たちの未来を自分たちでつくる」という道へ、ようこそ!たくさん刺激を受けて、自分のエネルギーにしてもらえればと思います。


    【授業計画】

    第1・2回(10/1):「情報社会の次をつくる」(宇野 常寛 × 井庭 崇)
    評論家の宇野 常寛さんをゲストにお招きし、「情報社会の次をつくる」ことについて語り合います。

    宇野 常寛(Tsunehiro Uno)
    評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)、『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』(朝日新聞出版)。石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)など多數。立教大学社会学部兼任講師も務める。▶︎HP


    第3・4回(10/8):「本質を捉える方法」(竹田 青嗣 × 井庭 崇)
    竹田 青嗣さん(哲学者 / 早稲田大学国際教養学部名誉教授)をゲストにお招きし、「本質を捉える方法」について語り合います。

    哲学者の竹田 青嗣さんをゲストにお招きし、「本質を捉える方法」について語り合います。

    竹田 青嗣(Seiji Takeda)
    1947年大阪生まれ。哲学者。早稲田大学政治経済学部卒業。明治学院大学国際学部教授、早稲田大学国際教養学部教授を経て現在、早稲田大学名誉教授、大学院大学至善館教授。在日韓国人二世。在日作家論から出発。文芸評論、思想評論活動をへて、実存論的な人間論を中心として哲学活動を続ける。フッサール現象学を方法的基礎とする哲学原理論としての欲望論哲学を構築(現在『欲望論』第一巻・第二巻出版、第三巻執筆中)。著書に 『現象学入門』『哲学とは何か』(NHKブックス)、『欲望論』第1巻・第2巻(講談社)、『超解読! はじめてのフッサール『現象学の理念』』 『超解読! はじめてのカント『純粋理性批判』』(講談社現代新書)、『人間的自由の条件』(講談社学術文庫)、『ニーチェ入門』(ちくま新書)、『言語的思考へ』(径書房)、『哲学は資本主義を変えられるか』(角川ソフィア文庫)など。▶︎HP


    第5・6回(10/15):「妄想と創造」(市原 えつこ × 市川 力 × 井庭 崇)
    メディアアーティストで妄想インベンターの市原 えつこさんと、歩き旅する探究人の市川 力さんをゲストにお招きし、「妄想と創造」について語り合います。

    市原 えつこ(Etsuko Ichihara)
    メディアアーティスト、1988年、愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性と日本文化に対する独特のデザインから、国内外の新聞・テレビ・ラジオ・雑誌等、世界中の多様なメディアに取り上げられている。第20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞を受賞、総務省異能vation採択。2018年にアルスエレクトロニカInteractive Art+部門でHonorary Mention(栄誉賞)を受賞、EU(ヨーロッパ連合)より科学、社会、芸術の優れた融合に贈られる「STARTS PRIZE」にも同時ノミネート。主な展覧会として、「デジタル・シャーマニズム – 日本の弔いと祝祭」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC])、「Cyber Arts Exhibition 2018 – Ars Electronica Festival」(OK Center for Centemporary Art)、「文化庁メディア芸術祭」(オペラシティアートギャラリー)、「第11回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館)等。2016年にYahoo! JAPANを退社し独立、現在フリーランス。執筆活動も活発に行い日本経済新聞COMEMOキーオピニオンリーダーなどの媒体で連載中、講演多数。2025大阪・関西万博 「日本館基本構想」クリエイター。▶︎HP

    市川 力(Chikara Ichikawa)
    一般社団法人みつかる+わかる代表理事。慶応義塾大学SFC研究所上席所員。元東京コミュニティスクール校長。長年、小学生を対象に見えないなりゆきをしなやかに生きる探究力を育む学びを研究・実践。現在は、大人と子どもがともにたくらみ学ぶ場づくりを行う。歩き旅するまちのジェネレーター。NHK for Schoolメタモル探偵団、Eテレ高校講座『総合的な探究の時間』監修・出演。主な著書は『探究する力』『科学が教える、子育て成功への道(今井むつみとの共翻訳)』『クリエイティブ・ラーニング 創造社会の学びと教育』(井庭崇編著)、分担執筆に『ポスト・コロナの学校を描く』(教育開発研究所)、『もし「未来」という教科があったなら』(学事出版)▶︎HP


    第7・8回(10/22):「土をつくる」(松坂 愛友美 × たいら 由以子 × 井庭 崇)
    ドイツで循環型でリジェネラティブなビジネスに取り組むコンセプチュアルアーティストの松坂 愛友美さんと、循環生活研究所でローカルフードサイクリング株式会社でコンポストの普及に取り組んでいる たいら 由以子さんをゲストにお招きし、「土をつくる」ことについて語り合います。

    松坂 愛友美(Ayumi Matsuzaka)
    DYCLE(ダイクル)代表、共同創業者。在ベルリン、ドイツ
    ドイツ、バウハウス大学ワイマール、造形芸術学部修士課程修了。コンセプチュアルアーティストとして、人と自然の関わり方に着目しヨーロッパやアジアをはじめ世界各国で精力的に制作活動を行う。より大きなインパクトを起こすために2015年に有限会社DYCLEをベルリンで設立。DYCLEは、Diaper(=オムツ)とCycle(=循環)を合わせた造語。堆肥化可能なオムツを通した循環型かつリジェネラティブビジネスの普及に取り組む。▶︎HP

    たいら 由以子(Yuiko Taira)
    ローカルフードサイクリング株式会社 代表取締役。福岡市生まれ。大学を卒業後、証券会社に勤務。大好きな父とのお別れをきっかけに、土の改善と暮らしをつなげるための、半径2kmでの資源循環を目指し活動開始。青年団の仲間と平成16年、NPO法人循環生活研究所を立ち上げ、子どもから高齢者、外国人までコンポストでつながる美味しい食の輪をつくるのが生きがい。生ごみ資源100研究会を主宰、循環生活研究所理事、コンポストトレーナー、NPO法人日本環境ボランティアネットワーク理事、アジア3R推進市民ネットワーク副代表、北九州大学マネジメント学科特任教授、JCVN理事など務め、国内外にコンポストを普及。行動を最良の学習手段とし、活動をスパイラルアップさせるが信条。▶︎HP


    第9・10回(10/29):「生態系的世界観」(小林 泰紘 × 山本 郁也 × 井庭 崇)
    エコシステミック・カタリストの小林 泰紘さんと、花人の山本 郁也さんをゲストにお招きし、「生態系的世界観」について語り合います。

    小林 泰紘(Yasuhiro Kobayashi)
    エコシステミックカタリスト。一般社団法人 EcologicalMemes 共同代表。株式会社BIOTOPE 共創パートナー。世界28ヶ国を旅した後、社会的事業を仕掛ける起業家支援を行う。その後は、個人の生きる感覚を起点とした事業創造支援に従事。幅広い業界での戦略づくりや事業開発を手がけたのち、独立。現在は、循環・再生型社会に向けた企業の未来ビジョンや事業づくりを伴奏するカタリスト・共創ファシリテーターとして活動。娘の誕生と育休を機に、一人ひとりが自己内多様性や自然環境とのつながりを取り戻し、生きる喜びを表現し続けていくための探究・実践の活動体 Ecological Memesを立ち上げる。座右の銘は行雲流水。趣味が高じて通訳案内士や漢方・薬膳の資格を持つ。イントラプレナー会議主宰。株式会社BIOTOPE 共創パートナー。一般社団法人 EcologicalMemes 代表理事。▶︎HP

    山本 郁也(Fumiya Yamamoto)
    池坊から花の道へ。その後、なげいれ、たてはなを学ぶ。 現在流派なし、無所属。 作品集に『風動いて開く花』『Post-Mortem Portraits』。 論考に「生殖器崇拝としてのいけ花」(『いけ花文化研究』第8号、2021年)など。▶︎HP


    第11・12回(11/5):「共通了解を目指す対話」(西 研 × 井庭 崇)
    哲学者の西研さんをゲストにお招きし、「共通了解を目指す対話」について語り合います。

    西 研(Ken Nishi) 
    1957年鹿児島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。京都精華大学助教授、和光大学教授を経て、東京医科大学教授(哲学教室)。教育出版小学校国語教科書『広がる言葉』編集委員。主な研究領域として、1.フッサール現象学を哲学対話と人間科学の方法として洗練すること、2.ルソー・ヘーゲルらの社会哲学を「自由な社会の理念」として現代的に再生すること(日独仏の地方自治の現場での調査も行っている)3.「支援のための哲学的人間論」を構築すること(ホームレス支援のNPOでの勉強会を行い、教育現場との交流も多い)。単著として、『哲学は対話する--プラトン、フッサールの〈共通了解〉をつくる方法』(筑摩選書)、『まなびのきほん しあわせの哲学』『読書の学校 プラトン「ソクラテスの弁明」』『100分de名著ブックス ニーチェ「ツァラトゥストラ」』『同ブックス ルソー「エミール」』(以上NHK出版)、『哲学の練習問題』『集中講義 これが哲学!』(以上河出文庫)ほか多数。共著として、竹田青嗣・西研『超解読! はじめてのヘーゲル「法の哲学」』(講談社現代新書)、竹田青嗣・西研編著『現象学とは何か--哲学と学問を刷新する』(河出書房新社)、小林隆児・西研編著『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』(新曜社)、中村良夫・鳥越皓之編『風景とローカルガバナンス』(早稲田大学出版部)ほか。▶︎HP


    【履修選抜課題】
    受入学生数(予定):200人程度を想定
    ※200人としていますが、希望者が多ければ、最大900人まで受け入れる可能性があります。

    選抜方法:課題提出による選抜

    「自己紹介 × 未来ヴィジョン」シート

    担当教員とゲスト登壇者に向けて、自己紹介+自分の未来ヴィジョンを、1ページで魅力的に表現してまとめて提出してください。

    自分のこれまでと今の興味・やっていること等を紹介するとともに、これからの自分の方向性ややりたいこと・夢・挑戦などのヴィジョンを魅力的に表現してください。必ずジャスト1ページに収め(多すぎず少なすぎず)、そのなかに「名前」と「ふりがな」を入れ、自分の人となりを表す「写真」も含めるようにしてください(写真はアップでも遠景でも構いませんし、紙面が許すならば複数入れても構いません)。

    この「自己紹介 × 未来ヴィジョン」シートでは、文字だらけのいわゆる志望理由書やレポートのようなものを求めていません。紙面を文章で埋めるのではなく、パッと見て・読んで理解できるように、短めの文を配置したりして、わかりやすさを心がけてください。ビジュアル要素も入れて魅力的に表現してほしいと思います。また、アップできるファイル容量には制限があるということと、〆切直前はシステムが重くなるので、それらの点にも注意して早めの準備・提出をしてください。

    担当教員とゲスト登壇者が見て「履修者にはこういう人がいるんだ!」と魅力的に感じられるような1枚にしてほしいと思います(実際にゲスト登壇者に事前にファイルを共有します)。

    提出の際には、必ずPDFファイルで提出してください。

    今年は教室の制約もないことから、基本的にはより多くの人を受け入れたいと思っていますが、上記の内容や形式の要件を満たしていない人(内容が薄すぎる、文章ばかりのものになっている、分量的に少なすぎるか多すぎる、PDFではないファイル形式での提出など)は、授業中・課題等でも同様の可能性があるため、定員人数にかかわらず履修不許可とするので、注意してください。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績評価は、出席と授業中の議論への参加とふりかえり宿題(40%)、文献宿題(25%)、期末レポート(35%)にもとづき総合的に評価します。


    【履修上の注意】

  • 毎週、授業の直後3時間の間に、出席確認の提出物を出してもらいます。
  • 毎週、授業から自分が学んだことをまとめる宿題とともに、文献(教科書)を読んでまとめを提出する文献読解宿題も出ます。
  • 本授業では、コミュニケーションツール「slack」を用いて、授業に関するアナウンスややりとり、「ふりかえり」などの提出を行います。こまめにアクセスして、参加するようにしてください。
  • 学期後半には、同じ曜日時限に「ワークショップデザイン」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。


    【教材・参考文献】

    教科書
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    参考文献

    • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年)
      - 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019)
    • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)
    • 『おもてなしデザイン・パターン:インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』(井庭 崇, 中川 敬文, 翔泳社, 2019年)
    • 『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』 (井庭 崇, 岡田 誠 編著, 慶應義塾大学 井庭崇研究室, 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ, 丸善出版, 2015)
    • 『園づくりのことば:保育をつなぐミドルリーダーの秘訣』(井庭 崇, 秋田 喜代美 編著, 野澤 祥子, 天野 美和子, 宮田 まり子, 丸善出版, 2019)

    • 『遅いインターネット』(宇野 常寛, 幻冬舎, 2020)
    • 『哲学とは何か』(竹田 青嗣, NHK出版, 2020)
    • 『現象学入門』(竹田 青嗣, NHK出版, 1989)
    • 『現象学とは何か: 哲学と学問を刷新する』(竹田 青嗣, 西研 編著, 河出書房新社, 2020)
    • 『欲望論 第1巻:「意味」の原理論』(竹田 青嗣, 講談社, 2017)
    • 『欲望論 第2巻:「価値」の原理論』(竹田 青嗣, 講談社, 2017)
    • 『中学生からの哲学「超」入門―自分の意志を持つということ』(竹田 青嗣, 筑摩書房, 2009)
    • 『はじめての哲学的思考』(苫野一徳, 筑摩書房, 2017)
    • 『哲学は対話する:プラトン、フッサールの〈共通了解をつくる方法〉』(西研, 筑摩書房, 2019)
    • 『人間科学におけるエヴィデンスとは何か:現象学と実践をつなぐ』(小林隆児, 西研 編著, 新曜社, 2015)
    • 『しあわせの哲学』(西研, NHK出版, 2021)

    • 『時を超えた建設の道』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993)
    • 『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)
    • 『創造性とは何か』 (川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
    • 『「都市主義」の限界』(養老孟司, 中央公論新社, 2002)
    • 『虫眼とアニ眼』(養老 孟司, 宮崎 駿, 新潮文庫, 新潮社, 2008)
    • 『惑星の風景:中沢新一対談集』(中沢新一ほか, 青土社, 2014)
    • 『意味の深みへ:東洋哲学の水位』(井筒俊彦, 岩波文庫, 岩波書店, 2019)
    • 『東洋哲学の構造:エラノス会議講演集』(井筒俊彦, 慶應義塾大学出版会, 2019)
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    慶應義塾大学SFC「ワークショップデザイン」2021シラバス

    ワークショップデザイン2021
    慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
    担当教員:井庭崇
    開講:2021年度秋学期(後半)
    曜日時限:金曜4・5限※
    ※ 学期前半には、同じ曜日時限に「創造社会論」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。
    実施形態:完全オンライン開講(Zoom)

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    【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

    「対話による学び」や「つくることによる学び」の場をどのようにつくればよいのでしょうか? 本講義では、その場のひとつのかたちとして「ワークショップ」(workshop)の可能性を考えます。

    現在、いろいろな種類のワークショップが開かれていますが、それらのワークショップの背後にはどのような設計意図や工夫があるのでしょうか? また、自分たちがワークショップをつくるときには、何をどのように考えればよいのでしょうか? そして、ワークショップのファシリテーションにおいては、何に気をつければよいのでしょうか?

    これらのことを考え・学ぶために、授業と並行して、ワークショップを考案・設計するグループワークを行います。授業の後半では、他の履修者を対象に、自分たちの考案・設計したワークショップを実施します。これにより、「ワークショップデザイン」の感覚・スキルを実践的に高めたいと思います。最終的には、履修者ひとりひとりがつかんだワークショップ・デザインの秘訣を、パターン・ランゲージの形式でまとめ、自分たちの実践につなげる準備を行うことにします。

    今年度は、完全オンライン開講のため、みんなでいろいろなツールを試しながら、オンラインでのワークショップ(広義の参加型オンライン授業やオンライン・イベント等)の可能性を探究します。

    考えを深めてもらうために、授業と並行して文献を読む宿題を出すので、授業初回までに早めに、書籍『プロジェクト・デザイン・パターン』『おもてなしデザイン・パターン』を入手しておいてください。


    【授業計画】

    第1回(12/3):イントロダクション
    授業の内容、進め方について理解します。

    第2回(12/3):ワークショップ体験#1
    オンラインでのワークショップを体験してみます。

    第3回(12/10):ワークショップ体験#2
    オンラインでのワークショップを体験してみます。

    第4回(12/10):「全体性のたまご」アプローチによるデザイン
    全体性を考慮しながら、部分をつくり込んでいく「全体性のたまご」アプローチによるデザインについて学びます。

    第5回 (12/17):ワークショップ実践 #1
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第6回 (12/17):振り返り・ディスカッション #1
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第7回 (12/24):ワークショップ実践 #2
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第8回 (12/24):振り返り・ディスカッション #2
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第9回 (1/14):ワークショップ実践 #3
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第10回 (1/14):振り返り・ディスカッション #3
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第11回 (1/21):ワークショップ実践 #4
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第12回 (1/21):振り返り・ディスカッション #4
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第13-15回:ワークショップ・デザインのパターン・ランゲージ作成 #1-3 (授業時間外)
    授業でつかんだワークショップ・デザインのコツを、パターン・ランゲージの形式で記述していき、最終レポートを作成します。


    【履修条件】
  • 授業外のグループワークと授業中の活動・議論にしっかり参加するつもりがあること。


    【履修選抜課題】
    受入学生数(予定):約60人

    選抜方法:課題提出による選抜

    以下の(1)(2)を合わせてA4で1ページに収め、PDFファイルにして提出してください。

    最初に、名前、学籍番号、SFCのメールアドレスを明記

    (1)これまでに自分が「経験」した(受けた・参加した・行った)オンラインの授業やセミナー、ワークショップ、習い事、イベントなどで、よいと思ったやり方、仕組み、ツール、工夫があれば教えてください(誰がいつ行った何の場だったのか、授業名やセミナー/ワークショップ/イベントの情報や、使用したツール名なども、わかる範囲で書いてください)。

    (2)自分がオンラインで実施するとしたときの、ワークショップのやり方、仕組み、ツール、工夫についての「アイデア」を考えて書いてください。複数思いついたら、すべて書いてください。

    提出の際には、必ず1ページPDFファイルを提出してください。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績評価は、出席と授業中のワークショップや議論への参加(30%)、ふりかえりと文献の宿題(30%)、グループワークへの貢献と期末レポート(40%)から総合的に評価します。


    【履修上の注意】

  • 授業時間外にグループワークの活動をすることが求められます。
  • 毎週、授業の直後3時間の間に、出席確認の提出物を出してもらいます。
  • 毎週、授業から自分が学んだことをまとめる宿題とともに、文献(教科書)を読んでまとめを提出する文献読解宿題も出ます。
  • 本授業では、コミュニケーションツール「slack」を用いて、授業に関するアナウンスややりとり、「ふりかえり」などの提出を行います。こまめにアクセスして、参加するようにしてください。
  • 学期前半には、同じ曜日時限に「創造社会論」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。


    【教材・参考文献】

    教科書

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    参考文献

    • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年)
    • 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019)
  • 授業関連 | - | -

    慶應義塾大学SFC「パターンランゲージ」2021シラバス

    「パターンランゲージ」
    慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
    担当教員:井庭 崇
    開講:2021年度春学期(前半)
    曜日時限:金曜4・5限(オンライン開講)

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    【主題と目標/授業の手法など】

    この授業では、一人ひとりがもつ創造性を支援するためのメディア「パターンランゲージ」について、その考え方と作成方法を体験的に学びます。パターンランゲージでは、創造・実践の経験則(コツ)を「パターン」という小さな単位にまとめ、言語化します。

    2021年度の授業では、感じるままに思い切り遊ぶ場をつくり活動している「原っぱ大学」(HARAPPA株式会社)との共同研究として、「自然に遊び心が発動される場づくりのパターンランゲージ」を、履修者全員で本気でつくります。原っぱ大学の代表の塚越 暁さんからのメッセージは以下の通りです。

    皆さん、こんにちは。原っぱ大学 “ガクチョー” の塚越です。

    大人と子どもが野で遊ぶ「原っぱ大学」を逗子に立ち上げて5年。大人も子どもも “自然に” 遊び心が発動される場をつくってくることができました。その場は僕らスタッフの在り方や行動、そして積み重ねられてきた環境により出来上がっているはずなのですが…。

    場をつくってきた僕らは当事者すぎてこの場を構成している重要なエッセンスが何なのか感覚でしかとらえきれていません。新しく加わったスタッフはそこで何が起きているのか、どうふるまえばいいのか理解できないで困る、ということが頻繁におきるようになりました。僕らの場のエッセンス、行動原理を共通言語化しなければ・・・。

    そんな悩みが次第に大きくなり井庭先生に相談したところ、今回の授業のご提案をいただきました。自分たちだけでは抽出できない場に潜むパターンを皆さんと一緒に発見したいです。そこから浮かび上がるパターンは僕ら原っぱ大学スタッフの共通言語になるとともに、大人と子どもが自由に「遊ぶ」場を構成する普遍的なものになるのではないかと思っています。ぜひ、皆さんの力を貸してください!

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    これまで井庭研究会ではいろいろな企業・団体と共同研究でパターンランゲージをつくってきましたが、今回のように授業で外部の方の願いに応える共同研究は初めてです(初めてのチャレンジ、ワクワクしますね!)。この授業に参加するみんなで、使命感をもって、よりよいパターンランゲージに仕上げていきたいと思います。つくったパターンランゲージはホームページ等で広く公開する予定です。

    この授業は、オンデマンド映像とリアルタイムの時間をうまく組み合わせる《オンデマンド・ライブ・ミックス》の形式で行います。解説のレクチャーはオンデマンド映像で各自見てもらい、金曜4・5限の授業時間中にグループワークを行います。従来であれば授業外で行っていたグループワークを授業時間内に行い、従来であれば授業時間内に行っていたレクチャーを授業外に行うという「反転」をします。これにより、必ず全員が集まって《まとまった時間》のなかで取り組むグループワークが実現するとともに、グループワークの場に教員・TA/SAが顔を出し、相談に乗ったりアドバイスをしたりすることができ、グループワーク成果のクオリティを上げることができると見込んでいます。

    パターンランゲージの作成は、本来、非常に多くの作業と長い時間を要するものなので、授業期間内にゼロから完成まで持っていくために、いろいろと工夫をします。まず、初回授業の前に映像を見てもらい取り組んでもらう課題(履修選抜課題)があります。詳細は、本シラバスの【履修選抜課題】と、慶応SFC「パターンランゲージ」2021年度授業サイト(https://note.com/iba/m/m00e53370e26a)を見てください。これにより、スムーズなスタートを切ることができます。

    また、授業期間中は、すべての作成作業を履修者だけで行うのではなく、担当教員とTA/SAが「ジェネレーター」として作成の一部を担い、次のステップへと進めることもします。その意味で、担当教員やTA/SAも一緒に取り組むクラス全体のプロジェクトだということになります。このような工夫をすることで、なんとか5週間で完成まで持っていければと思います。なお、原っぱ大学の塚越さんも授業時間に参加していただける予定です。また、この授業・共同研究は、一般社団法人みつかる+わかるのメンバーにも関わってもらえる予定です。

    この授業では、パターンランゲージについて多面的に理解を深めてもらうために、授業と並行して文献を読む宿題を毎週出すので、授業初回までに早めに、書籍 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』を入手しておいてください。

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    【授業計画】

    第1・2回(4/9 金):グループワーク(サマリー・ライティング)
    マイニング・インタビューから得られた大切なポイントのサマリーを記述していくグループワークに取り組みます。

    第3・4回(4/16 金):グループワーク(CPSライティング)
    体系化して得られた「パターンの種(たね)」のCPS(Context, Problem, Solution)を書くグループワークに取り組みます。

    第5・6回(4/23 金):グループワーク(CPSリバイズ)
    フィードバックを踏まえて、CPSを修正をするグループワークに取り組みます。

    第7・8回(4/30 金):グループワーク(パターン・ライティング)
    CPSをもとに、フル記述形式のパターンを書くグループワークに取り組みます。

    第9・10回(5/7 金):ライターズ・ワークショップ & グループワーク(パターン・イラスト作成)
    書いたパターンをよりよくするためのライターズ・ワークショップを行います。また、パターン・イラストを描くグループワークに取り組みます。

    第11・12回(5/14 金):グループワーク最終成果発表 & ふりかえり
    この授業で取り組んできたグループワークの成果のパターン・ランゲージを発表するとともに、これまでを振り返ります。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績は、授業への参加、グループワークでの貢献と成果、文献読解の宿題、最終レポートから総合的に評価します。

    【履修上の注意】

  • 授業は全回オンラインで行います(Zoom)。受講に適した通信環境で参加してください(原則としてカメラオン推奨)。

  • 授業と並行して、文献を読んでまとめを提出する個人宿題が毎週出ます。授業初回までに早めに、書籍 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 慶應義塾大学出版会)を入手しておいてください。


    【学生が準備するソフト・機材】

  • 本授業のグループワークではパソコンを用いて作業をするので、授業へはスマートフォンやタブレットではなく、パソコンで参加するようにしてください。

  • 本授業は、Zoomを用いて行います。https://zoom.us/ からインストールし、適宜、最新版にアップデートするようにしてください。


    【履修選抜課題】

    受入学生数(予定):約 90 人
    選抜方法:課題提出による選抜

    慶応SFC「パターンランゲージ」2021年度授業サイト(https://note.com/iba/m/m00e53370e26a)にアクセスし、そこに書かれている説明をよく読んだ上で、指定の映像を見て、以下の課題に取り組んで提出してください。

    「自然に遊び心が発動される場づくり」における大切なことを10〜20程度、マイニング・インタビュー映像で語られたことから抽出し、記述してください。大切なことは、それぞれ、どういうときに何をすることが大切か(語られていればその理由も)それぞれ1行程度にまとめてください。それを10〜20程度、箇条書きで書いてほしいと思います。授業では、この課題で提出されたものを素材として、パターンランゲージを作成していきます。

    提出形式:PDF
    課題レポートの最初に、必ず、名前、学年、学籍番号、メールアドレスを記載してください。


    【教材・参考文献】

    教科書
  • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年)

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    参考文献
  • 『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』(井庭 崇, 長井 雅史, 丸善出版, 2018年)
  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016年)
  • 『おもてなしデザイン・パターン:インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』(井庭 崇, 中川 敬文, 翔泳社, 2019年)
  • 『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』(井庭 崇, 岡田 誠 編著, 慶應義塾大学 井庭崇研究室, 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ, 丸善出版, 2015年)
  • 『園づくりのことば:保育をつなぐミドルリーダーの秘訣』(井庭 崇, 秋田 喜代美 編著, 野澤 祥子, 天野 美和子, 宮田 まり子, 丸善出版, 2019年)
  • 『ミラパタ(未来の自分をつくる場所:進路を考えるためのパターン・ランゲージ)ブックレット&カード セット』(クリエイティブシフト, 2017)
  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇+井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013年)
  • コロナの時代の暮らしのヒント』(井庭 崇, 晶文社, 2020年)
  • 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019年)
  • 『時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993年)
  • 『パタン・ランゲージ:環境設計の手引』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1984年)
  • 『Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン』(Mary Lynn Manns, Linda Rising, 丸善出版, 2014年)
  • 『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡浩一郎, 技術評論社, 2009年)
  • 『A Tale of Pattern Illustrating:パターンイラストの世界』(原澤 香織, 宮崎 夏実, 櫻庭 里嘉, 井庭 崇, CreativeShift, 2015)


    【担当教員】

    井庭 崇(いば たかし)
    慶應義塾大学総合政策学部 教授。株式会社クリエイティブシフト代表取締役社長、一般社団法人みつかる+わかる 理事、および、パターン・ランゲージの学術的な発展を促す国際組織 The HillsideGroup 理事も兼務。2003年、慶應義塾大学政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。
    様々な創造実践領域の研究を通じて、「創造」(creation)そのもの本質に迫り、「創造システム理論」や「深い創造の原理」等を提唱している。また、創造社会(Creative Society)の実現に向けての社会論、および、実践支援の方法としての「パターン・ランゲージ」の作成・研究に取り組んでいる。井庭研メンバーと作成したパターン・ランゲージは、多様な分野の70種類以上にのぼり、その数は、1600パターン以上となる。
    編著書・著書に、『パターン・ランゲージ』(慶應義塾大学出版会、2013年)、『クリエイティブ・ラーニング』(慶應義塾大学出版会, 2019年)、『社会システム理論』(慶應義塾大学出版会、2011 年)、『コロナの時代の暮らしのヒント』(2020年)、『対話のことば』(丸善出版, 2018年)、『プロジェクト・デザイン・パターン』(翔泳社、2016年)、『おもてなしデザイン・パターン』(翔泳社, 2019年)、『プレゼンテーション・ パターン』(慶應義塾大学出版会、2013年:2013年度グッドデザイン賞受賞)、『旅のことば』(丸善出版、2015年)、『園づくりのことば』(丸善出版, 2019年)、『複雑系入門』(NTT出版、1998年)など。2012年にNHK Eテレ「スーパープレゼンテーション」で「アイデアの伝え方」の解説を担当。


    ※ 学期後半には、同じ金曜4・5限に「創造システム理論」(井庭・若新)が開講されます。併せてどうぞ。

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  • 授業関連 | - | -

    Syllabus: DESIGNING SFC SPIRITS (GIGA) 2020 - Keio SFC

    DESIGNING SFC SPIRITS (GIGA) 2020
    Faculty of Policy Management / Faculty of Environment and Information Studies, Keio University
    Faculty-in-charge: Takashi Iba
    Semester: Fall semester (1st half of semester), 2020
    Day and Time: Friday 1st & 2nd Period
    Credits: 2
    Delivery: Fully Online


    OBJECTIVES AND TEACHING METHOD

    SFC is celebrating the 30th anniversary of its founding this year. For this class, we have invited a handful of SFC alumni from around Japan and the world, who have especially embodied the SFC spirit in their roles as societal leaders. These select alumni have asked themselves throughout their everyday lives, what the “spirit” of this era is, and they have been continuously updating their way of thinking and doing and their selves based on this question. As they speak to you about their thoughts and experiences, we hope to give you the resources and inspiration to design the core of your own “SFC Spirit”.

    As this is a course that would benefit all SFC students, we welcome students of all grade levels. We especially encourage first year students new to SFC to take this class alongside “Policy Management Studies” and “Environment and Information Studies”.

    For Fall Semester 2020, we plan on inviting the following alumni as guest lecturers:

  • Masatada 'SEICHU' Kobayashi (Rakuten, Inc.)
  • Takako Yamada (Waku Work English)
  • Kotaro Chiba (Drone Fund)
  • Acci Baba (Visual Artist)
  • Takuya Matsuo (17Junana Inc.)
  • Koichiro Eto (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology)
  • Sandra Okita (Columbia University)
  • Takashi Iba (Keio University)
  • Eri Otsu (O2 Farm)
  • Kotaro Watanabe (Takram)
  • Teru Sato (BEENEXT Capital Management Pte. Ltd)
  • Kazuhide Sekiyama (Spiber Inc.)

    Most lectures will be conducted in English. However, a few will be interpreted into English, with the lecture originally given by the guest speaker in Japanese.

    Classes will be conducted via zoom online. Students are expected to focus, actively engage, and have meaningful interactions among students during each session. Depending on the guest, there may be workshops or group discussions; Students are expected to focus and actively engage in every session.

    Students must submit a reflection report after every class of what was learned and thought during the lecture. At the end of the course, students will be asked to create contents introducing SFC spirits, such as video, blog, web page, songs ... etc., and broadcast it on the Internet.


    CLASS SCHEDULE

    #1 - Oct. 2nd: SFC Spirits (Guest Lecture: Masatada 'SEICHU' Kobayashi & Takako Yamada)
    The overview and requirements for this course will be introduced by Takashi Iba. Then, guest lectures will be provided by Masatada 'SEICHU' Kobayashi, CWO (Chief Well-Being Officer) at Rakuten, Inc., and Takako Yamada, Founder of Waku Work English.

    #2 - Oct. 2nd: SFC Spirits (Guest Lecture: Masatada 'SEICHU' Kobayashi & Takako Yamada)
    Guest lectures will be followed by discussion and dialogue time.


    #3 - Oct. 9th: SFC Spirits (Guest Lecture: Kotaro Chiba & Acci Baba)
    Guest lectures will be provided by Kotaro Chiba, Investor, General Partner at Drone Fund and ChibaDojo Fund, who was former Executive Vice President & entrepreneur COLOPL(a smartphone gaming company listed in Tokyo stock market 3667), and Acci Baba, a Japanese Visual Artist living and working in Berlin, Germany.

    #4 - Oct. 9th: SFC Spirits (Guest Lecture: Kotaro Chiba & Acci Baba)
    Guest lectures will be followed by discussion and dialogue time.


    #5 - Oct. 16th : SFC Spirits (Guest Lecture: Takuya Matsuo & Koichiro Eto)
    Guest lectures will be provided by Takuya Matsuo, Cannes Award-Winning Creative Director at 17Junana Inc., and Koichiro Eto, Researcher & Media Artist, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology.

    #6 - Oct. 16th : SFC Spirits (Guest Lecture: Takuya Matsuo & Koichiro Eto)
    Guest lectures will be followed by discussion and dialogue time.


    #7 - Oct. 23rd : SFC Spirits (Guest Lecture: Sandra Okita & Takashi Iba)
    Guest lectures will be provided by Sandra Okita, Associate Professor of Technology and Education at Teachers College, Columbia University, and Takashi Iba, Professor at Faculty of Policy Management, Keio University.

    #8 - Oct. 23rd: SFC Spirits (Guest Lecture: Sandra Okita & Takashi Iba)
    Guest lectures will be followed by discussion and dialogue time.


    #9 - Oct. 30th: SFC Spirits (Guest Lecture: Eri Otsu & Kotaro Watanabe)
    Guest lectures will be provided by Eri Otsu, O2 Farm in Minamiaso, Kumamoto, and Kotaro Watanabe, Partner & Context Designer at Takram.

    #10 - Oct. 30th: SFC Spirits (Guest Lecture: Eri Otsu & Kotaro Watanabe)
    Guest lectures will be provided by Eri Otsu, O2 Farm in Minamiaso, Kumamoto, and Kotaro Watanabe, Partner & Context Designer at Takram.


    #11 - Nov. 6th: SFC Spirits (Guest Lecture: Teru Sato & Kazuhide Sekiyama)
    Guest lectures will be provided by Teru Sato, Founder and CEO at BEENEXT Capital Management Pte. Ltd., and Kazuhide Sekiyama, Director and Representative Executive Officer at Spiber Inc.

    #12 - Nov. 6th: SFC Spirits (Guest Lecture: Teru Sato & Kazuhide Sekiyama)
    Guest lectures will be followed by discussion and dialogue time.


    #13 - Extra classes: SFC Spirits (Guest Lecture and Message: Daisuke Yanasawa and alumni) - on-demand
    Watching the videos provided by Daisuke Yanasawa, CEO at KAYAC Inc., and alumni.

    #14 - Extra classes: Reflection on Designing SFC Spirits
    Reflecting the lectures and designing / expressing your own SFC spirit.

    #15 - Extra classes: Reflection on Designing SFC Spirits
    Reflecting the lectures and designing / expressing your own SFC spirit.


    REQUIREMENT

    Can actively participate in online class activities every week.


    STUDENT SCREENING

    Only the selected students can take this course.
    Number of students in the class (scheduled) : About 300

    Pre-registration screening by submitted an assignment

    Self-Introduction Sheet

    Submit one-page, engaging summary of yourself to the lecturers in a PDF format.

    This assignment is going to be shared with all the lecturers in advance so as to let them know students’ characteristics and promote smoother engagements and communications over zoom calls.

    The introduction should entirely cover the following; where you have lived, what you have done, what your interests are and what you are doing/going to study at SFC. Please include what you would like to do and dreams/challenges you may have in the future if any.

    Be sure to keep it to ONE PAGE (because it is not too many, but not too few for me to get to know you). Please include your name, grade, and photos of yourself and what represents you. There is no specific requirement/number limitation for photos of you, but ones that explain your personality the most are preferable.

    This screening is not asking for a typical resume or wordy application, but something that is designed in a way of your aesthetic. The most important things are to make yours visually attractive, and easy to understand.

    And here is good news for you: this year we are hoping to accept more people than usual, as we do not have classes onsite. The screening is not designed to see if your interests and experience match to the contents of class. However, if you don't meet the above content and format requirements (e.g., not writing the content properly, only writing and not including visual elements, submitting too little or too much in terms of volume, submitting in a file other than PDF format, etc.), you may not be accepted.

    Also, there is a limit to the amount of file size that can be uploaded, and SFC-SFS gets heavy right before the deadline, so please prepare yours in good time.

    We are really looking forward to seeing your unique introductions!


    Assignments, Examination and Grade Evaluation

    Grading will be based on attendance, class activity, reflection reports, and final assignment.


    MATERIALS AND READING LIST

    Reference
  • Iba Laboratory, SFC Culture Language: Words that express qualities of SFC, Keio University, 2015
  • Takashi Iba with Iba Laboratory, Learning Patterns: A Pattern Language for Creative Learning, CreativeShift, 2014
  • 授業関連 | - | -

    慶應義塾大学SFC「ワークショップデザイン」2020シラバス

    ワークショップデザイン2020
    慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
    担当教員:井庭崇
    開講:2020年度秋学期(後半)
    曜日時限:金曜4・5限※
    ※ 学期前半には、同じ曜日時限に「創造社会論」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。
    実施形態:完全オンライン開講(Zoom)

    【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

    「対話による学び」や「つくることによる学び」の場をどのようにつくればよいのでしょうか? 本講義では、その場のひとつのかたちとして「ワークショップ」(workshop)の可能性を考えます。

    現在、いろいろな種類のワークショップが開かれていますが、それらのワークショップの背後にはどのような設計意図や工夫があるのでしょうか? また、自分たちがワークショップをつくるときには、何をどのように考えればよいのでしょうか? そして、ワークショップのファシリテーションにおいては、何に気をつければよいのでしょうか?

    これらのことを考え・学ぶために、授業と並行して、ワークショップを考案・設計するグループワークを行います。授業の後半では、他の履修者を対象に、自分たちの考案・設計したワークショップを実施します。これにより、「ワークショップデザイン」の感覚・スキルを実践的に高めたいと思います。最終的には、履修者ひとりひとりがつかんだワークショップ・デザインの秘訣を、パターン・ランゲージの形式でまとめ、自分たちの実践につなげる準備を行うことにします。

    今年度は、完全オンライン開講のため、みんなでいろいろなツールを試しながら、オンラインでのワークショップ(広義の参加型オンライン授業やオンライン・イベント等)の可能性を探究します。

    考えを深めてもらうために、授業と並行して文献を読む宿題を出すので、授業初回までに早めに、書籍『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』を入手しておいてください。


    【授業計画】

    第1回(11/13):イントロダクション
    授業の内容、進め方について理解します。

    第2回(11/13):「全体性のたまご」アプローチによるデザイン
    全体性を考慮しながら、部分をつくり込んでいく「全体性のたまご」アプローチによるデザインについて学びます。

    第3回 (11/20):構成主義の学びの理論
    ピアジェ、ヴィゴツキー、デューイ、パパートによる構成主義の学習観について学びます。

    第4回 (11/20):これまでのオンラインの経験を語り合う
    自分がこれまでに経験したオンラインの授業やセミナーワークショップ、習い事、イベントなどで、よいと思ったやり方、仕組み、ツール、工夫について語り合います。

    第5回 (11/27):オンラインのいろいろなツールを体験する#1
    オンライン・ワークショップで使えそうなツールをいろいろ試してみます。

    第6回 (11/27):オンラインのいろいろなツールを体験する#2
    オンライン・ワークショップで使えそうなツールをいろいろ試してみます。

    第7回 (12/4):ワークショップ実践 #1
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第8回 (12/4):振り返り・ディスカッション #1
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第9回 (12/11):ワークショップ実践 #2
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第10回 (12/11):振り返り・ディスカッション #2
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第11回 (12/18):ワークショップ実践 #3
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第12回 (12/18):振り返り・ディスカッション #3
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第13-15回 ワークショップ・デザインのパターン・ランゲージ作成 #1-3 (授業時間外)
    授業でつかんだワークショップ・デザインのコツを、パターン・ランゲージの形式で記述していき、最終レポートを作成します。


    【履修条件】
  • 授業外のグループワークと授業中の活動・議論にしっかり参加するつもりがあること。


    【履修選抜課題】
    受入学生数(予定):約60人

    選抜方法:課題提出による選抜

    以下の(1)(2)を合わせてA4で1ページに収め、PDFファイルにして提出してください。

    最初に、名前、学籍番号、SFCのメールアドレスを明記

    (1)これまでに自分が「経験」した(受けた・参加した・行った)オンラインの授業やセミナー、ワークショップ、習い事、イベントなどで、よいと思ったやり方、仕組み、ツール、工夫があれば教えてください(誰がいつ行った何の場だったのか、授業名やセミナー/ワークショップ/イベントの情報や、使用したツール名なども、わかる範囲で書いてください)。

    (2)オンラインで実施するワークショップのやり方、仕組み、ツール、工夫についての「アイデア」を考えて書いてください。複数思いついたら、すべて書いてください。

    提出の際には、必ず1ページPDFファイルを提出してください。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績評価は、グループワークへの貢献、授業中の演習・議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。


    【履修上の注意】

  • 授業時間外にグループワークの活動をすることが求められます。

  • 毎週、授業から自分が学んだことをまとめる宿題とともに、文献(教科書)を読んでまとめを提出する文献読解宿題も出ます。


    【教材・参考文献】

    教科書

    参考文献
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