SFCにおける学びの真髄
新年度・新学期が始まった。新たな気持ちで、スタートしたいと思う。
4月に入ってまず最初にやったことは、キャンパス・ライフ・ガイダンス(CLG)において行った「新入生へのメッセージ」という講演だ。午前と午後の2回行ったので、総合政策学部と環境情報学部の新入生約900人に話したことになる。「SFCを 1万倍 楽しむ方法」と題した講演では、次のようなことを語った。
まず、SFCがか掲げる「研究プロジェクト中心」とはどういうことか。ここでいう「研究」とは、いわゆる学術研究だけでなく、創作や社会実践をも含む、広い概念であるということ。そして、SFCでの学びの真髄が、授業の履修が中心なのではなく、「研究」を絶えず行うという「研究プロジェクト中心」であるということ。僕の言葉でいうと、「アウトプットから始まる学び」ということだ。既存の知識を自分にインプットすることによって学ぶのではなく、自分からアウトプットしていくことによって学ぶということである。そのためには、主体性が求められる。「SFCはみんなを大人扱いします。」――― 1年生から自分の歩く道を考えながら決めていく、つまりセルフ・プロデュースが求められているのである。
このことをさらに考えるために、講演では3つのキーワードを掲げた。「創造」、「先端」、「方法」の3つだ。「創造」(innovation)とは、何かをつくったり実践したりするということ。アウトプットを生み出すということだ。「先端」(frontier)とは、最先端の領域・問題に取り組むということ。すでに誰かが行っていることをなぞっても意味がない。「車輪の再発明」ではなく、まだ誰も成し遂げていないことに取り組むことが重要だということ。「方法」(method)とは、「どのように取り組むのか」という方法を意識し、分野を超えて「方法」を探究し、他分野の方法を移転したり、新しい方法を生み出したりすることが重要だということ。SFCは既存のディシプリン(学問分野)に依存しているわけではないので、学問の間を自由に行き来し、「方法」をディシプリンから解放し、新しい分野に適用するということこそ、SFCの強みであり、取り組むべき課題だと僕は考える。取り組みたい問題に合わせて「方法」を適切に選択するという力、そして新しい「方法」をつくりだす力を養ってほしい。
「創造」、「先端」、「方法」というキーワードをつかって、「研究」を語ると左図のようになる。「研究」とは、「先端」領域において「創造」するということである。そして、それを実践するためには「方法」が必要なのであり、「方法」自体のイノベーションも求められる。実はこのような考えのもと、SFCの現行カリキュラムは、研究プロジェクトを中心に、「創造」支援系と「先端」支援系の授業を配置した構造になっている。
「研究プロジェクト中心」≒「アウトプットから始まる学び」というのは、このような「研究」を、学部の後半からではなく、学部1年生から行うということである。その点において、SFCは明らかに他の大学・学部とは異なる学びのスタイルをとっている。1・2年生は一般教養でインプットして3・4年生からゼミに入り、卒論でアウトプットする、というスタイルではないのだ。入学したらすぐ「いまから」「いつでも」アウトプットする、というのがSFCのスタイルだ。これが「アウトプットから始まる学び」の真髄である。私の研究会では、学部2年生でも学会発表(国内外)を行う。それは、1年生から「研究」(先端領域における創造)に取り組んでいるからこそ可能となるのだ。
以上のことを、講演の最後に、聴いている1年生に引き寄せて「5W1H」で表現した。
これが、何よりも学生のみんなに伝えたいことなのだ。「いまから」「いつでも」アウトプットをしてほしい。そこからSFCでの学びが始まる。
「入学おめでとう! SFCで楽しみ、SFCを面白くしてください。」
4月に入ってまず最初にやったことは、キャンパス・ライフ・ガイダンス(CLG)において行った「新入生へのメッセージ」という講演だ。午前と午後の2回行ったので、総合政策学部と環境情報学部の新入生約900人に話したことになる。「SFCを 1万倍 楽しむ方法」と題した講演では、次のようなことを語った。
まず、SFCがか掲げる「研究プロジェクト中心」とはどういうことか。ここでいう「研究」とは、いわゆる学術研究だけでなく、創作や社会実践をも含む、広い概念であるということ。そして、SFCでの学びの真髄が、授業の履修が中心なのではなく、「研究」を絶えず行うという「研究プロジェクト中心」であるということ。僕の言葉でいうと、「アウトプットから始まる学び」ということだ。既存の知識を自分にインプットすることによって学ぶのではなく、自分からアウトプットしていくことによって学ぶということである。そのためには、主体性が求められる。「SFCはみんなを大人扱いします。」――― 1年生から自分の歩く道を考えながら決めていく、つまりセルフ・プロデュースが求められているのである。
このことをさらに考えるために、講演では3つのキーワードを掲げた。「創造」、「先端」、「方法」の3つだ。「創造」(innovation)とは、何かをつくったり実践したりするということ。アウトプットを生み出すということだ。「先端」(frontier)とは、最先端の領域・問題に取り組むということ。すでに誰かが行っていることをなぞっても意味がない。「車輪の再発明」ではなく、まだ誰も成し遂げていないことに取り組むことが重要だということ。「方法」(method)とは、「どのように取り組むのか」という方法を意識し、分野を超えて「方法」を探究し、他分野の方法を移転したり、新しい方法を生み出したりすることが重要だということ。SFCは既存のディシプリン(学問分野)に依存しているわけではないので、学問の間を自由に行き来し、「方法」をディシプリンから解放し、新しい分野に適用するということこそ、SFCの強みであり、取り組むべき課題だと僕は考える。取り組みたい問題に合わせて「方法」を適切に選択するという力、そして新しい「方法」をつくりだす力を養ってほしい。
「創造」、「先端」、「方法」というキーワードをつかって、「研究」を語ると左図のようになる。「研究」とは、「先端」領域において「創造」するということである。そして、それを実践するためには「方法」が必要なのであり、「方法」自体のイノベーションも求められる。実はこのような考えのもと、SFCの現行カリキュラムは、研究プロジェクトを中心に、「創造」支援系と「先端」支援系の授業を配置した構造になっている。
「研究プロジェクト中心」≒「アウトプットから始まる学び」というのは、このような「研究」を、学部の後半からではなく、学部1年生から行うということである。その点において、SFCは明らかに他の大学・学部とは異なる学びのスタイルをとっている。1・2年生は一般教養でインプットして3・4年生からゼミに入り、卒論でアウトプットする、というスタイルではないのだ。入学したらすぐ「いまから」「いつでも」アウトプットする、というのがSFCのスタイルだ。これが「アウトプットから始まる学び」の真髄である。私の研究会では、学部2年生でも学会発表(国内外)を行う。それは、1年生から「研究」(先端領域における創造)に取り組んでいるからこそ可能となるのだ。
以上のことを、講演の最後に、聴いている1年生に引き寄せて「5W1H」で表現した。
今日から 【When】
SFCで 【Where】
君(たち)が 【Who】
先端的な研究を 【What】
個人的関心+社会的ニーズにもとづき 【Why】
新しい「方法」によって 【How】
行ってください。
これが、何よりも学生のみんなに伝えたいことなのだ。「いまから」「いつでも」アウトプットをしてほしい。そこからSFCでの学びが始まる。
「入学おめでとう! SFCで楽しみ、SFCを面白くしてください。」
「研究」と「学び」について | - | -