2020年を振り返る:成果発表・活動等一覧
2020年は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で、暮らしが大きく変わった。大学の授業が完全オンライン開講となり、子どもたちも春は学校に行かずに家にいた。国際学会は現地開催ができなくなり、すべてオンラインで実施、講演などもすべてオンラインでの実施となった。みんなで、オンラインで何ができるのか・どこまでできるのかに挑戦している感じで、それはそれで2020年代の始まりとしては意味があることであったと感じている。
日々の仕事は、昨年までのサバティカルのように、ほぼ家にいて仕事をするというスタイル。それ自体は僕には合うので悪くはない。しかし、これまで通りの生活とは大きく異なるため、それに合わせた家事・子育てのウェイトが増えた。
そんななか、いま自分の専門からできることはないかと考え、『コロナの時代の暮らしのヒント』を書き下ろして出版した。僕のなかでは、これほどまで、思い立ってから出版までの時間が短い本は珍しい。また、この本は、いろいろなパターン・ランゲージのパターンを紹介しつつ、我が家の具体例を紹介するというエッセイのような本になっていて、こういう本を書くのも初めてだ。思いがけない経験となった。
来年も、コロナが明けるのかは不透明であるが(変異種なども出てきており、さらに深刻化する可能性も大きい)、そのときどきの状況に合わせて柔軟にスタイルを変えていきながら、人生における重要な一歩一歩を進んでいきたい。
今年の成果の一覧をつくってみると、やはり、例年よりも発表や登壇がかなり少なかったんだなぁ、と思う。国際学会がオンライン開催となり、いつものような学会経験ができないということで、井庭研メンバーが今年出そうという積極的な雰囲気にならなかったことが大きい。僕もあまり積極的には誘わなかった。
しかし、今年らしいこともある。今年は、オンライン授業を初めてやりながら、オンライン授業の研究をする(オンライン授業のパターン・ランゲージをつくる)というような探究・仕事の仕方をしてきた。それらの成果の多くは、まだ今年はパブリッシュできていないが、来年順次公開していきたいと思っている。
井庭研の研究も面白いものがどんどんできつつあるし、僕自身の研究も深まってきてよい感じだ。来年もさらに深めて、しっかり書いて、本や論文として出していきたい。
【書籍】
今年、書籍を1冊書き下ろして出版しました。また、僕のインタビューが掲載された本が出ました。
『コロナの時代の暮らしのヒント』(井庭 崇, 晶文社, 2020年9月)
『教育の未来をつくるスクールリーダーへ』(『教職研修』編集部 編, 教育開発研究所, 2020年1月) ※5章 未来をつくる子どもたちの力と学び
【学会基調講演】
Takashi Iba, "Support for Living Better Throughout the COVID-19 Situation with Pattern Languages: An Attempt at Pattern Translation to Another Domain and Pattern Language Remix," 9th Asian Conference on Pattern Languages of Programs (AsianPLoP 2020), Sep, 2020
井庭 崇, 「クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育」, 2020年度「台湾日本語教育研究」国際シンポジウム, 2020年11月
【学会発表】
今年は、国際学会論文(英語)を10本、発表しました。*
*以下のリストに、1本情報が抜けていたので、追記しました。
Takashi Iba, Miho Masai, Yuuri Abe, Yuji Kosaka, "Patterns for Building Customer Relationships in a Pattern Language for Value-Creation Marketing", Proceedings of 24th European Conference on Pattern Language ofPrograms, July, 2020
Konomi Munakata, Takashi Iba, "Wholeness Egg II: A Design Technique Applied in Everyday Life", Proceedings of 24th European Conference on Pattern Language ofPrograms, July, 2020
Haruka Iba, Takashi Iba, "Patterns for Gaining Language as Native Speakers Do: A Pattern Language for Improving Foreign Language Skills when Studying Abroad, Part 2", Proceedings of 24th European Conference on Pattern Language of Programs, July, 2020
Yumiko Shimokawa, Natsuki Takahashi, Misaki Yamakage, Takashi Iba, "28 Important Knacks to Improve Patterns", Proceedings of 24th European Conference on Pattern Language ofPrograms, July, 2020
Misaki Yamakage, Sakie Namiki, Sawami Shibata, Kiyoka Hayashi, Takashi Iba and Mitsuhiro Yamazaki, "A Pattern Language for Creating a City with Natural, Local and Creative Elements Learned from Portland, Oregon", PUARL + Building Beauty Conference 2020, September, 2020
Takashi Iba, Miho Masai, Yuuri Abe, Yuji Kosaka, "Patterns for Motivating Customers in a Pattern Language for Value-Creation Marketing", HILLSIDE Proceedings of Asian Conference on Pattern Language of Programs, October 2020
Miwane Umewaka, Ryohei Suzuki, Keibun Nakagawa, Takashi Iba, "Omotenashi Design Patterns: A Pattern Language for Creative Hospitality", HILLSIDE Proceedings of Asian Conference on Pattern Language of Programs, October 2020
Chiaki Sano, Yuki Kawabe, Rioja Kuroda, Takashi Iba, "Taste Language for Taste Centered Cooking: 14 patterns for Japanese soup stock," HILLSIDE Proceedings of Asian Conference on Pattern Language of Programs, Sep, 2020
Takashi Iba, "Support for Living Better throughout the COVID-19 Situation using Pattern Languages: An Attempt at Pattern Language Remix and Domain Translation", HILLSIDE Proceedings of Conference on Pattern Language of Programs 27, October 2020
Takashi Iba, Miho Masai, Yuuri Abe, Yuji Kosaka, "Patterns for Learning Through Practice: in a Pattern Language for Affective-Science-based Marketing", HILLSIDE Proceedings of Conference on Pattern Language of Programs 27, October 2020
【講演・鼎談】
講演・対談・鼎談は、オンライン19本、スタジオから配信2本、リアル1本行いました。
前野 隆司, 井庭 崇, 岩田 華林, 「幸福学 × パターン・ランゲージ:創造社会におけるこれからの幸せな生き方」, shiawase 2020, 2020年3月
井庭 崇, 原尻 淳一, 対談「Learning by creating:集めて、育てて、日常知をつくりだす」, みつかる+わかる 面白ゼミ第2回 わかる知性編, 一般社団法人みつかる+わかる, オンライン, 2020年5月
井庭 崇, 三浦 英雄, 塚越 暁, 伊東 優, 原尻 淳一, 川井 拓也, 市川 力, 「つくるお父さん大集合 つくる=みつかる+わかるで面白人生」, みつかる・わかる面白ゼミ(父の日スペシャル), 一般社団法人みつかる+わかる, オンライン, 2020年6月
井庭 崇, 新井 宏征, 「創造社会における学び」, VUCA labo #004, オンライン, 2020年7月
井庭 崇, 市川 力, 原尻淳一, 「ジェネレーターとジェネレーターシップ」, 一般社団法人みつかる+わかる, みつかる+わかる夏の集中面白ゼミ ジェネレーターシップをイチから考える 第1回, オンライン, 2020年8月
井庭 崇, 市川 力, 原尻淳一, 「ジェネレーターシップを発揮するあり方」, 一般社団法人みつかる+わかる, みつかる+わかる夏の集中面白ゼミ ジェネレーターシップをイチから考える 第2回, オンライン, 2020年8月
井庭 崇, 石黒 和己, 「『複雑系』から学ぶ」, TANKENラボ #1, 探究総合研究所(TANKEN), オンライン, 2020年8月
井庭 崇, 市川 力, 原尻淳一, 「ジェネレーターシップが育つ場」, みつかる+わかる夏の集中面白ゼミ ジェネレーターシップをイチから考える 第3回, 一般社団法人みつかる+わかる, オンライン, 2020年9月
井庭 崇, 「パターン・ランゲージとは何か(井庭崇レクチャー)」, クリエイティブシフト, オンライン, 2020年9月
井庭 崇, 「魅力的なオンライン授業づくりの工夫・コツを語るオンラインセミナー」, クリエイティブシフト, オンライン, 2020年9月
安西洋之,市川文子, 井庭崇, 鼎談「未来をつくる意味の編集・デザイン」, 創造社会論2020, 2020年10月
小泉寛明, 山崎満広, 井庭崇, 鼎談「ナチュラル × ローカル × クリエイティブなまち・コミュニティをつくる」, 創造社会論2020, 2020年10月
前田隆行, 若野達也, 小島希世子, 井庭崇, 鼎談「働く喜び・生きがいを育む」, 創造社会論2020, 2020年10月
上田信行, 塚越暁, 井庭崇, 鼎談「楽しさと面白さの体験をつくる」, 創造社会論2020, 2020年10月
三田愛, 五井野太志, 山田貴子, 井庭崇, 鼎談「自然のなかで自然に生きる」, 創造社会論2020, 2020年10月
鞍田崇, 渡邉康太郎, 井庭崇, 鼎談「いとおしさのデザイン」, 創造社会論2020, 2020年11月
井庭 崇, 「慶応SFCの特徴と魅力」, 神奈川県立多摩高校, 2020年11月
井庭 崇, 「テレワークスタイルのつくりかた」, 金融庁 昼休み講演会, オンライン, 2020年11月
井庭 崇, 宇野常寛, 「コロナの時代の暮らしのヒント」, 遅いインターネット会議, 2020年11月
井庭 崇, 「『クリエイティブ・ラーニング』読書会」, 苫野一徳オンラインゼミ」, オンライン, 2020年11月
井庭 崇, 「ポートランドから学ぶ ナチュラルでローカルでクリエイティブなまちのつくり方のパターンランゲージ 」, ローカル都市経営学講座第3回, オンライン, 2020年12月
井庭 崇, 「Lifeの本質、深い創造、クリエイティブ・ラーニング」, 風越コラボ(第二期), オンライン, 2020年12月
【リリースしたパターン・ランゲージ】
「テレワークスタイルのつくりかた:テレワーク時代の働き方をデザインするためのパターン・ランゲージ」(クリエイティブシフト)
【メディア掲載】
後日追記します。
日々の仕事は、昨年までのサバティカルのように、ほぼ家にいて仕事をするというスタイル。それ自体は僕には合うので悪くはない。しかし、これまで通りの生活とは大きく異なるため、それに合わせた家事・子育てのウェイトが増えた。
そんななか、いま自分の専門からできることはないかと考え、『コロナの時代の暮らしのヒント』を書き下ろして出版した。僕のなかでは、これほどまで、思い立ってから出版までの時間が短い本は珍しい。また、この本は、いろいろなパターン・ランゲージのパターンを紹介しつつ、我が家の具体例を紹介するというエッセイのような本になっていて、こういう本を書くのも初めてだ。思いがけない経験となった。
来年も、コロナが明けるのかは不透明であるが(変異種なども出てきており、さらに深刻化する可能性も大きい)、そのときどきの状況に合わせて柔軟にスタイルを変えていきながら、人生における重要な一歩一歩を進んでいきたい。
今年の成果の一覧をつくってみると、やはり、例年よりも発表や登壇がかなり少なかったんだなぁ、と思う。国際学会がオンライン開催となり、いつものような学会経験ができないということで、井庭研メンバーが今年出そうという積極的な雰囲気にならなかったことが大きい。僕もあまり積極的には誘わなかった。
しかし、今年らしいこともある。今年は、オンライン授業を初めてやりながら、オンライン授業の研究をする(オンライン授業のパターン・ランゲージをつくる)というような探究・仕事の仕方をしてきた。それらの成果の多くは、まだ今年はパブリッシュできていないが、来年順次公開していきたいと思っている。
井庭研の研究も面白いものがどんどんできつつあるし、僕自身の研究も深まってきてよい感じだ。来年もさらに深めて、しっかり書いて、本や論文として出していきたい。
【書籍】
今年、書籍を1冊書き下ろして出版しました。また、僕のインタビューが掲載された本が出ました。
【学会基調講演】
【学会発表】
今年は、国際学会論文(英語)を10本、発表しました。*
*以下のリストに、1本情報が抜けていたので、追記しました。
【講演・鼎談】
講演・対談・鼎談は、オンライン19本、スタジオから配信2本、リアル1本行いました。
【リリースしたパターン・ランゲージ】
【メディア掲載】
後日追記します。
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