井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

ネットワーク可視化ツールの紹介:インストール編

僕らが普段、ネットワークの可視化・分析に使っているソフトウェアを紹介することにしたい。バイオインフォマティックスの分野で開発された「Cytoscape」(サイトスケープ)と、そのプラグインの「NetworkAnalyzer」の組み合わせだ。オープンソース・ソフトウェアなので、無料で利用できる。

Cytoscape (http://cytoscape.org/)
    Cytoscapeは、比較的わかりやすいユーザーインターフェースで操作でき、大規模なネットワークも可視化できる魅力的なツールだ。また、多くのプラグインが開発されている点も、このコミュニティが活発であることがわかる。Cytoscapeで可視化したネットワークは、ベクター画像をPDF形式で出力することができる。僕らの研究では、Cytoscapeで出力したPDFを、Adobe Illustratorで編集している。

NetworkAnalyzer (http://med.bioinf.mpi-inf.mpg.de/networkanalyzer/)
    NetworkAnalyzerは、Cytoscape用のプラグインで、Max Planck Institute for Informaticsが開発したもの。ネットワークの直径や平均近傍数、最小経路長、クラスタリング係数などを算出してくれるネットワーク分析ツールだ。また、いろいろな分布なども表示してくれる。分析結果を画像やテキストとして保存できるのでとても便利。僕らの研究でも、このツールは重宝している。


■Cytoscapeのダウンロードとインストール
※この記事の執筆現在、Cytoscapeの最新バージョンは 2.6.1なので、以下は、そのバージョンについて書くことにする。また、Windowsへのインストールについて説明する(バージョンやOSが変わっても、基本的には同じ手順だと思う)。

cytoscape_site230.jpgまず、Cytoscapeのホームページ(http://cytoscape.org/)に行く。このサイトから、ソフトウェアのダンロードのほか、各種プラグインや関連ドキュメントなども入手できる。

サイト内に「Download Cytoscape」という項目があるので、そこからダウンロードページ飛ぶ。ユーザー登録のページのあと、ダウンロードのリンクがあるページ行く。自分が使っているOSに該当するもの(Windows / Mac / Linux)を選んで、インストールファイルをダウンロードする。

cytoscape_install230.jpgダウンロードしたファイル(exe)を実行すると、インストーラ―が立ち上がるので、ライセンスの承認やインストール先を指定して、インストールする。いま指定した場所に(デフォルトでは、CドライブのProgram Filesの中)に、cytoscapeのフォルダができる。

cytoscape_screen230.jpgそのなかのCytoscape.exeを実行(ダブルクリック)すると、起動画面が出た後に、Cytoscapeのメインウィンドウが立ち上がる。特にエラーも出なければ、正常にインストールが完了したことになる。立ち上がることを確認したら、ウィンドウを閉じて終了させる。


■NetworkAnalyzerのダウンロードとインストール
NetworkAnalyzerのページは、Cytoscapeのホームページ(http://cytoscape.org/)から辿ることができる。
ページの上方にある「Plugins」をクリックすると、プラグインのページに飛ぶ(http://chianti.ucsd.edu/cyto_web/plugins/index.php)。そのなかの「Analysis -- Used for analyzing existing networks」の[+]をクリックすると、その項目の詳細が展開される。そのなかの「NetworkAnalyzer」のところに、NetworkAnalyzerのホームページ(http://med.bioinf.mpi-inf.mpg.de/networkanalyzer/)へのリンクがある。

netana_site230.jpg左のメニューの「Software」の「Download」をクリックすると、NetworkAnalyzerのダウンロードページに行く(http://med.bioinf.mpi-inf.mpg.de/netanalyzer/download.php)。

そこで、NetworkAnalyzerプラグインのユーザー登録をして、ダウンロードページからダウンロードする。ダウンロードした圧縮ファイルを解凍するときの注意としては、その階層に内容が展開されてしまうので、フォルダをつくり、そこに入れて解凍する方がよい。

解凍してでてきた二十数個のjarファイルをすべて、先ほどインストールしたCytoscapeフォルダの「plugins」フォルダに入れる。これでプラグインの設定は完了だ。

cytoscape_plugin230.jpg再度、Cytoscape.exeを実行(ダブルクリック)し、Cytoscapeのメインウィンドウの上部にあるメニューにある「Plugins」のなかに「Network Analysis」の項目があれば、プラグインのインストール完了だ。

これらのツールの具体的な使い方については、別途書きたいと思う。
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