井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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【予告】講演「時間発展のネットワーク分析:Wikipedia, Music & Chaos」

2012年5月18日(金)に、電子情報通信学会 第3回情報ネットワーク科学研究会で招待講演を行います。


「時間発展のネットワーク分析:Wikipedia, Music & Chaos」
井庭 崇(慶應義塾大学 総合政策学部 准教授)

Wikipediaのコラボレーションのネットワーク分析や、音楽の分析、カオスの状態遷移ネットワークの研究などを事例に、時間発展の特徴を捉えるネットワーク分析のアプローチについてお話しします。



電子情報通信学会 第3回情報ネットワーク科学研究会
2012年5月18日(金) 13:30 ~ 17:30
開催場所: 首都大学東京(秋葉原キャンパス(ダイビル))
電子情報通信学会 第3回情報ネットワーク科学研究会
詳細は、 http://www.ieice.org/~netsci/?p=889 を参照してください。
このブログについて/近況 | - | -

「シミュレーションデザイン」2011年度春学期シラバス

「シミュレーションデザイン」
(創造技法科目-ナレッジスキル:14160)※週2コマ4単位科目
【開講】火曜日3・4時限@慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)
【担当】井庭 崇、古川園 智樹
※東日本大震災の影響で、今年度春学期のSFCの授業は5月からの開始となります。そのため、授業が開講される曜日が一部変則的になっています。

■ 主題と目標/授業の手法など
複雑で動的に変化するシステム―――例えば生命や社会など―――を理解するためには、それに見合う道具立てが必要になります。そのような「思考の道具」として、本科目では「コンピュータ・シミュレーション」に着目します。コンピュータ・シミュレーションとは、理解したい対象の仮説的なモデルをつくり、そのモデルをコンピュータ上で動かしてみることで、その理解を深めるという方法です。
 本科目では、どのようにモデル化を行い、どのようにプログラムを構築するのか、どのようにシミュレーション実験を計画し、どのように実行・分析するのか等を、講義と演習によって身につけていきます。最終的には、各自の学術的研究で活用できる力をつけることを目指します。
 学期を通じてテーマとして取り上げるのは、「ネットワーク科学」(Network Science)の研究です。近年、自然や社会における物事の関係性の構造に共通の特徴があることがわかり、「スケールフリー・ネットワーク」として注目を集めています。授業では、スケールフリー・ネットワークの生成原理をめぐるシミュレーション研究等を追体験します。
 本授業の内容・手法は、個別学問分野に特化したものではありません。自然科学、社会科学、人文科学、工学、芸術・デザイン、数学など、あらゆる分野の人を歓迎します。

■ 教材・参考文献
本授業では、以下の本を教科書として使用します。
『新ネットワーク思考:世界のしくみを読み解く』(アルバート・ラズロ・バラバシ, NHK出版, 2002)
このほか、ネットワーク科学の英語論文を適宜配布します。

■ 提出課題・試験・成績評価の方法など
●授業中の演習への取り組み、宿題、ファイナルプロジェクトの発表/レポートから、総合的に評価します。
●ファイナルプロジェクトでは、ペアもしくは個人で、簡単なシミュレーション研究に取り組みます。

■ 履修上の注意
●この授業は、プログラミングの基本的な知識・スキルがあることを前提とします。
●授業中の演習やファイナルプロジェクトにおいて、各自のノート型パソコンを用いたシミュレーションデザインを実践します。各自PCを用意してください。
●6月12日(日)の授業は休講になります。補講を6月18日(土)の3・4限に行ないます。

■ 履修制限
履修人数を制限する(最大約30人まで):初回授業時に、志望理由と、簡単なプログラミングの知識を問うクイズを出します。

授業計画
第1回 イントロダクション (5/10 火)
授業の内容と進め方について説明します。

第2回 シミュレーション研究の基礎(5/17 火)
【前半】シミュレーション講義
【後半】シミュレーション実行体験演習

第3回 ネットワーク科学の基礎(5/24 火)
【前半】ネットワーク科学講義
【後半】ネットワーク科学講義・演習

第4回 ネットワークシミュレーションの基礎(5/31 火)
【前半】完全グラフ,リング
【後半】ランダム成長ネットワーク

第5回 ランダムネットワーク(6/7 火)
【前半】設計・実装
【後半】実行・分析

※6/12 休講

第6回 スモールワールドネットワーク(1)(6/14 火)
【前半】設計
【後半】実装

第7回 ゲストスピーカー対談「テクノロジー・人間・社会の関係性とそのデザイン」(6/18 土)
ゲストスピーカーとして、環境情報学部の初代学部長である 相磯秀夫先生(慶應義塾大学名誉教授)をお招きし、情報技術と人間・社会との関係を理解し、デザインする学問について対談を行います。
※補講日 6月18日(土)3・4限

第8回 スモールワールドネットワーク(2)(6/21 火)
【前半】実行
【後半】分析

第9回 スケールフリーネットワーク(1)(6/28 火)
【前半】設計
【後半】実装

第10回 スケールフリーネットワーク(2)(7/5 火)
【前半】実行
【後半】分析

第11回 ファイナルプロジェクト(1)(7/12 火)
【前半】アカデミックライティング講義
【後半】進捗報告

第12回 ファイナルプロジェクト(2)(7/19 火)
【前半】ネットワーク科学の最先端
【後半】進捗報告

第13回 ファイナルプロジェクト発表会(7/26 火)
ファイナルプロジェクトの成果を発表してください。また、授業全体を振り返り、シミュレーション研究のプロセスとコツについて再考します。
授業関連 | - | -

イベント告知「建築の計算(不)可能性」(松川昌平 × 井庭崇)

来週の1月13日(木)2限の「複雑系の数理」の授業では、松川昌平さんを遠隔ゲストにお迎えして、対談を行います。

松川 昌平 × 井庭 崇 「建築の計算(不)可能性」
日時:2011年1月13日(木)2限(11:10~12:40)
会場:慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC) ε 11教室

松川 昌平さんは、複雑系の考え方を取り入れながら、コンピュテーショナル・デザイン(アルゴリズミック・デザイン)の最先端で、独自のアプローチを探究している建築家です。松川さんのアプローチは、単にアルゴリズムを用いて「形」を生成するというのではなく、機能も含めた構造の可能性を探索するためにコンピュータを用いている点に特徴があります。複雑系の考え方が、どのように新しい建築設計の方法に結びつくのか? コンピュテーションは、物理的空間の設計をどう変えるのか? その可能性と不可能性について、『複雑系入門』著者の井庭 崇と語り合います。

松川 昌平
建築家。1974年生まれ。1998年、東京理科大学工学部建築学科卒業。1999年、000studio/ゼロスタジオ設立。2010年現在文化庁派遣芸術家在外研修員および客員研究員としてハーヴァード大学GSD在籍。アルゴリズミック・デザインの研究、実践を行なう。共訳書=コスタス・テルジディス『アルゴリズミック・アーキテクチュア』
(彰国社、2010)。

※ 松川さんは現在米国在住のため、インターネット経由の遠隔参加となります。

この対談イベントは、授業の一環として行われますが、履修者以外の聴講も歓迎しますので、興味がある方はぜひお越し下さい。なお、この対談は、映像配信の予定はありません。

ComplexSystemsMatsukawaPoster.jpg
イベント・出版の告知と報告 | - | -

ネットワーク生態学シンポジウム(2009年3月@沖縄)

日本のネットワーク科学の研究者が集う「ネットワーク生態学シンポジウム」の第5回が来年3月に開催される。今年は沖縄! 発表申込みは12月末で、論文は2月20日締切。

NetEcoSympo2009.jpg

第5回ネットワーク生態学シンポジウム
日程: 2009年 3月9日(月)-10日(火)
場所: 沖縄国際大学
詳細:http://www.jaist.ac.jp/~yhayashi/7th_webology/

・発表申込み〆切:2008年12月31日
・カメラレディ〆切:2009年2月20日厳守
(CD予稿用の原稿は一般講演8ページ程度, ポスター2ページ程度が目安)

構成: パネル討論を含めた招待講演, 一般講演, ポスター発表, 懇親会(舞踊実演)

主な内容: 複雑ネットワーク, ソーシャルネット, 社会関係資本, 経済物理, Webサイエンス, 中心性やコミュニティの分析, バイオテロや被害伝播の防止, 分散システム, 自律成長, P2P, センサやアドホックネットワークなど, 広くネットワーク科学に関する研究発表.


僕も、これを主催している情報処理学会ネットワーク生態学研究会の運営委員なのだが、最近、顔を出せていないなぁ(関係者のみなさん、すみません m(_ _)m )。

この研究会は、毎年、シンポジウムとサマースクールを開催しているが、どちらも本当に面倒見がいいというか、先輩研究者が後輩を育てていこうという意志と熱意が感じられる素敵な研究会だ。僕も、井庭研の学生も、かなりお世話になった。今年も数件、出す予定だ。

ネットワーク関係の研究をしている人(始めた人、いま取り組んでいる人)は、ポスターセッションで発表すると、知的な交流がたくさんできるので、ぜひ出してみるといいと思う。
学会・カンファレンス情報 | - | -

ネットワーク可視化ツールの紹介:基本操作編

今回は、ネットワーク可視化ツール「Cytoscape」の基本操作について解説する。取り上げるのは、データの準備、データの読み込み、ネットワークのレイアウト変更、ネットワークの画像出力、セッションの保存、という一連の作業。画像もたくさん載せるので、かなりわかりやすいはず!

■データの準備

まず、可視化したいネットワークのデータを用意する。「ネットワーク」を可視化したいので、どの「ノード」(node)とどの「ノード」が「リンク」(link)で結ばれているのかを、個別に指定しなければならない。また、ネットワーク分析においては、個々のリンクの重み(強度)が重要になることがあるので、そのような情報も盛り込む必要がある。

Cytoscapeで読み込めるデータの形式にはいろいろあるが、僕らは普段、次のような形式でデータを用意している。どのノードとどのノードをリンクでつなげるのかということと、そのリンクの重みがどのくらいか、ということを、ずらっと書いていくのだ。テキストフォーマットとしては、カンマ区切りのcsv(comma separated value)形式だ。

リンク元のノード名,リンク先のノード名,リンクの重み
リンク元のノード名,リンク先のノード名,リンクの重み
リンク元のノード名,リンク先のノード名,リンクの重み

リンクに「向き」がある「有向グラフ」(directed graph)の場合には、1列目のノードから、2列目のノードへとリンクが張られる。リンクに「向き」がない「無向グラフ」(undirected graph)の場合には、1列目と2列目の順番は意味をもたない。

なお、実データを用いるときには、ノード名の一部に半角のカンマ「,」が入っていないかを確認しよう。データを読み込んだ時に、誤った区切り方で読み込まれてしまうので、事前のデータクリーニングが重要となる。

※なお、カンマが区切りの記号なので、ノード名に空白が入っていても問題はない。ただし、空白の数や全角・半角が違うと、別の名前だと判断されるので、同一のノード名にしたい場合には、それらは統一する必要がある。

今回の説明で使用するサンプルデータ(sampledata.csv)は、次のようになっている。このデータは、井庭研究会のメーリングリストにおける投稿の連鎖のデータだ。ある一定期間に、誰が誰の投稿にリプライをしたのかを調べ、上記の形式に直したものだ。1列目の人の投稿に対し、2列目の人がリプライしたということを示している。最後の数字は、期間中にそのような組み合わせが何回あったのかを表している。

Angela,Chuck,1
Angela,Hammer,1
Angela,Hana,1
  ・
  ・
  ・
Hammer,Hana,2
Hammer,Ryo,6
Hammer,Taka,4
  ・
  ・
  ・
Tomo,Chuck,1
Tomo,Miu,1
Tomo,Ryo,2

以下で、説明を読みながら実際に試してみる場合には、まず、サンプルデータ(sampledata.csv)を保存しておこう(右クリックで「名前をつけてリンク先を保存」)。


■データの読み込み

Cytoscapeを立ち上げ、起動画面が終わるのを待つ。[File]メニューから、[Import]→[Network from Table (Text /MS Excel)]を選ぶと、「Import Network and Edge Attributes from Table」ウインドウが表示される。

Cyto_Data_FileImport.jpg

「Select File(s)」ボタンをクリックし、用意したデータファイルを選択する。ここでは、sampledata.csvを選ぶ。

次に、カンマ区切りのデータを読み込むという設定にするため、ウィンドウの真ん中にある「Advanced」パネルの「Show Text File Import Options」のチェックし、設定パネルを開く。「Delimiter」のところを「Comma」だけになるようにする(チェックが入っている「Tab」と「Space」のチェックははずす)。「Comma」だけになっていることを確認したら、「Show Text File Import Options」のチェックをはずし、設定パネルを閉じる。

Cyto_Data_ShowText.jpg

今度は、どの列がどのようなデータなのかを、「Interaction Definition」パネルで指定する。ここでは、「Source Interaction」を「column 1」、「Interaction Type」を「column 3」、「Target Interaction」を「column 2」と設定する。左下の「Preview」領域で、正しく指定されていることを確認する。

Cyto_Data_InteractionSelect.jpg

そして、右下の「Import」ボタンを押すと、データの読み込みが始まる。「Loading Network and Edge Attributes」ウィンドウが立ち上がり、読み込み状況が表示される。小さなデータであれば、あっという間に終わるが、非常に大規模なデータの場合には、この読み込みに数時間から1日かかることもある。読み込みが終わると、「Close」ボタンが押せるようになっているので、それを押して、「Loading Network and Edge Attributes」ウィンドウを閉じる。

Cyto_Vis_ScreenLayout1.jpg


■ネットワークのレイアウト変更

データの読み込みが終わると、画面中央にネットワークが可視化されているはずだ。最初に開いたときには、ノードが縦横に整列して配置されていると思う。ここで、ネットワークのレイアウトの変更をしてみよう。

ネットワークのレイアウトの変更は、[Layout]メニューで行うことができる。ネットワークをどのような観点で見たいかによって選択する。[Layout]メニューには、「yFiles」、「Cytoscape Layouts」、「JGraph Layouts」があるが、ここでは、[Cytoscape Layout]→[Edge-weighted Spring Embedded]→[unweighted]を選んでみよう。

Cyto_Vis_LayoutSelect.jpg

これで、リンクのつながり方を反映した配置になったと思う。

Cyto_Vis_ScreenLayout2.jpg


Cyto_Vis_LayoutScale.jpg見た目の基本的な調整としては、スケールを変える、という方法がある。[Layout]メニューから、[Scale]を選ぶと、左下にスケールパネルが開く。そこでスケールを変更することができる。


Cyto_Vis_ScalePanel.jpg

また、上方のツールバーにある「(1:1)の虫眼鏡」を選ぶと、ネットワークの全体像が表示されるように調整してくれる。ネットワーク図のノードをドラッグすると、個々のノードの位置を変えることもできる。

Cyto_Vis_JustFit.jpg

色や形などについての詳細な設定については、今度書くことにするとして、次に、ここで可視化したネットワーク図の画像出力を行うことにしたい。


■ネットワークの画像出力

ネットワーク図を画像として出力するには、[File]メニューから、[Export]→[Network View as Graphics] を選ぶ。

Cyto_Export_FileExport.jpg

立ち上がった「Export Network View as Graphics」ウィンドウで、「Choose」ボタンを押し、出力場所とファイル名を指定する。

Cyto_Export_Setting230.jpg出力形式にいは、PDF形式、SVG形式、EPS形式、JPEG形式、PNG形式、BMP形式が指定できる。最初の3つの形式(PDF、SVG、EPS)は、ドロー系の画像として保存される。つまり、ネットワーク図が線の情報として記録されるので、Adobe Illustrator等のドロー系ソフトで編集することができるようになる。論文などで図を使用する場合には、こちらの形式にするのがよいだろう。僕らも普段、PDF形式で出力して、Adobe Illustratorで編集・調整をしている。

後半の3つの形式(JPEG、PNG、BMP)は、ペイント系の画像として保存される。研究の途中段階で、ネットワークの全体像をとりあえず記録したり、メンバーと共有したりするときには、便利かもしれない。


■セッションの保存

最後に、セッションの保存をする。ここでいうセッションの保存というのは、ネットワーク「図」の保存ではなく、ネットワークデータや見た目の設定などを含んだセッション全体を保存するという意味だ。Cytoscapeを閉じたあと、また次のときに、現在の状態から作業を続けるために必要となる。

Cyto_Save_FileSave.jpgセッションの保存は、[File]メニューの[Save as ...]で行う。一度、保存場所とファイル名を指定してあれば、[Save]だけでよい。Cytoscapeのセッションは、「~.cys」ファイルとして保存される。

次に読み込むときには、[File]メニューの[Open]で開くか、「~.cys」ファイルをダブルクリックすることで、保存したセッションを読み込むことができる。


以上が、Cytoscapeの基本的な操作だ。次回は、ネットワークの描画についての、より詳細な設定について解説することにしたい。
ネットワーク分析 | - | -

ネットワーク可視化ツールの紹介:インストール編

僕らが普段、ネットワークの可視化・分析に使っているソフトウェアを紹介することにしたい。バイオインフォマティックスの分野で開発された「Cytoscape」(サイトスケープ)と、そのプラグインの「NetworkAnalyzer」の組み合わせだ。オープンソース・ソフトウェアなので、無料で利用できる。

Cytoscape (http://cytoscape.org/)
    Cytoscapeは、比較的わかりやすいユーザーインターフェースで操作でき、大規模なネットワークも可視化できる魅力的なツールだ。また、多くのプラグインが開発されている点も、このコミュニティが活発であることがわかる。Cytoscapeで可視化したネットワークは、ベクター画像をPDF形式で出力することができる。僕らの研究では、Cytoscapeで出力したPDFを、Adobe Illustratorで編集している。

NetworkAnalyzer (http://med.bioinf.mpi-inf.mpg.de/networkanalyzer/)
    NetworkAnalyzerは、Cytoscape用のプラグインで、Max Planck Institute for Informaticsが開発したもの。ネットワークの直径や平均近傍数、最小経路長、クラスタリング係数などを算出してくれるネットワーク分析ツールだ。また、いろいろな分布なども表示してくれる。分析結果を画像やテキストとして保存できるのでとても便利。僕らの研究でも、このツールは重宝している。


■Cytoscapeのダウンロードとインストール
※この記事の執筆現在、Cytoscapeの最新バージョンは 2.6.1なので、以下は、そのバージョンについて書くことにする。また、Windowsへのインストールについて説明する(バージョンやOSが変わっても、基本的には同じ手順だと思う)。

cytoscape_site230.jpgまず、Cytoscapeのホームページ(http://cytoscape.org/)に行く。このサイトから、ソフトウェアのダンロードのほか、各種プラグインや関連ドキュメントなども入手できる。

サイト内に「Download Cytoscape」という項目があるので、そこからダウンロードページ飛ぶ。ユーザー登録のページのあと、ダウンロードのリンクがあるページ行く。自分が使っているOSに該当するもの(Windows / Mac / Linux)を選んで、インストールファイルをダウンロードする。

cytoscape_install230.jpgダウンロードしたファイル(exe)を実行すると、インストーラ―が立ち上がるので、ライセンスの承認やインストール先を指定して、インストールする。いま指定した場所に(デフォルトでは、CドライブのProgram Filesの中)に、cytoscapeのフォルダができる。

cytoscape_screen230.jpgそのなかのCytoscape.exeを実行(ダブルクリック)すると、起動画面が出た後に、Cytoscapeのメインウィンドウが立ち上がる。特にエラーも出なければ、正常にインストールが完了したことになる。立ち上がることを確認したら、ウィンドウを閉じて終了させる。


■NetworkAnalyzerのダウンロードとインストール
NetworkAnalyzerのページは、Cytoscapeのホームページ(http://cytoscape.org/)から辿ることができる。
ページの上方にある「Plugins」をクリックすると、プラグインのページに飛ぶ(http://chianti.ucsd.edu/cyto_web/plugins/index.php)。そのなかの「Analysis -- Used for analyzing existing networks」の[+]をクリックすると、その項目の詳細が展開される。そのなかの「NetworkAnalyzer」のところに、NetworkAnalyzerのホームページ(http://med.bioinf.mpi-inf.mpg.de/networkanalyzer/)へのリンクがある。

netana_site230.jpg左のメニューの「Software」の「Download」をクリックすると、NetworkAnalyzerのダウンロードページに行く(http://med.bioinf.mpi-inf.mpg.de/netanalyzer/download.php)。

そこで、NetworkAnalyzerプラグインのユーザー登録をして、ダウンロードページからダウンロードする。ダウンロードした圧縮ファイルを解凍するときの注意としては、その階層に内容が展開されてしまうので、フォルダをつくり、そこに入れて解凍する方がよい。

解凍してでてきた二十数個のjarファイルをすべて、先ほどインストールしたCytoscapeフォルダの「plugins」フォルダに入れる。これでプラグインの設定は完了だ。

cytoscape_plugin230.jpg再度、Cytoscape.exeを実行(ダブルクリック)し、Cytoscapeのメインウィンドウの上部にあるメニューにある「Plugins」のなかに「Network Analysis」の項目があれば、プラグインのインストール完了だ。

これらのツールの具体的な使い方については、別途書きたいと思う。
ネットワーク分析 | - | -

『ネットワーク科学への招待』が出版されました!

Book-NetworkScience150.jpg僕も1章書いている本が出た。

『ネットワーク科学への招待:世界の“つながり”を知る科学と思考』(青山 秀明, 相馬 亘, 藤原 義久 (共編著), 臨時別冊・数理科学2008年7月号(SGCライブラリ 65), サイエンス社, 2008)

この本は、雑誌『数理科学』でリレー連載していた論文を、まとめたものだ。日本におけるネットワーク科学の著名な研究者たちも参加している。目次は以下のようになっている。

I 序論
 ネットワーク科学とは

II 物理・数理
 非線形科学と複雑ネットワーク
 振動子ネットワークの引き込みと体内時計
 複雑ネットワーク上のランダム・ウォーク
 複雑ネットワーク上のコンタクト・プロセスへ向けて
 6次の隔たり:ある計算

III 生物・生態
 毒性の進化と「小さな世界」
 遺伝子発現ダイナミクスの統計則
 生体ネットワークをどう研究するべきか
 生体内相互作用ネットワークの数理モデル
 複製細胞の反応ネットワークダイナミクス
 生態ネットワークのダイナミクス

IV 経済・社会
 社会ネットワーク分析とは何か?
 スモールワールドの検証とフラクタルモデル
 見えざる経済構造:企業ネットワークと企業ダイナミクス
 生産ネットワークの大規模構造と連鎖倒産
 イノベーションの創発ネットワーク:光触媒研究におけるコミュニティ形成とその機能
 イノベーションネットワークと地理モデル

V 情報
 情報通信ネットワークが持つべき特性
 ネットワーク科学とインターネット
 SNSという複雑ネットワーク
 P2Pネットワークと複雑ネットワーク
 ネットワークの可視化技術:大規模情報からの意味情報の抽出
 相関構造の有意成分とネットワーク推定

VI ネットワーク科学のゆくすえ
 ネットワーク科学の方法論と道具論
 ささやかな幻滅と大きな期待


この中で、僕が書いたのは、「ネットワーク科学の方法論と道具論」(井庭 崇)である。ここでまるごと引用するわけにはいかないので、その論文のイントロ部分のみ、紹介することにしたい。

「ネットワーク科学の方法論と道具論」(井庭 崇)

1. はじめに:概念・方法・道具

いまから十年ほど前、ネットワークに関する新しい概念がふたつ提唱された。「スモールワールド・ネットワーク」と「スケールフリー・ネットワーク」の概念である。これらの概念は、その後の研究を方向付け、ネットワーク科学の分野を切り拓くきっかけとなった。「概念」とは物事の捉え方であり、私たちに従来とは異なる現実を見せてくれる。かつて社会学者のタルコット・パーソンズが「概念とはサーチライトである」と表現したとおり、ネットワークの新しい概念も、その光によって、これまで見ることのできなかった現実を捉えることを可能にしてくれた。

このように、科学の営みを振り返るとき、概念の革新に注目が集まることが多いが、実は「方法」や「道具」の知識についても革新がおきているということを忘れてはならない。科学的研究では、「概念」と「方法」と「道具」を駆使して研究が行われている(図1)。そして、それらがお互いに影響しあいながら、それぞれの革新を誘発している。本稿では、このような観点から、ネットワーク科学について再考したい。これにより、いわばネットワーク科学の「科学哲学」を構想し、また、次なる十年を展望することを目指したい。
ResearchTriangle150.jpg


このような問題意識のもと、この論文では、「概念」、「方法」、「道具」の相互作用について、実際の事例を通して理解していく。論文で取り上げているのは、近年のネットワーク科学の立役者であるダンカン・ワッツとアルバート・ラズロ・バラバシの事例だ。それぞれスモールワールドネットワークとスケールフリーネットワークの概念を生み出し、この分野をリードしてきた立役者たちである。彼らがどのように、「概念」、「方法」、「道具」を生み出しながら、研究を進めてきたのかを読み解いていく。

本屋さんで見つけたら、ぜひ手にとってみてほしい。
ネットワーク分析 | - | -

ORF2007 「SFCブックカフェ:知の生態系を育てる」

2007年11月22日(木)・23日(金・祝)に六本木ヒルズで開催されるOpen Research Forum 2007 (ORF2007)において、「SFCブックカフェ:知の生態系を育てる」をオープンします。

bookshelf「SFCブックカフェ」には、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の教員・学生・卒業生が書いた「本」を一堂に集めて展示してあります。まずは、書架を辿りながら、SFCで取り扱っている研究分野の広がりと深さを味わってください。さらにこの空間には、「本」というメディアをキーとして、「知」の関係性と広がりを感じることができるシステムが組み込まれています。

複数の本をテーブルに置くことで、どの本が選ばれたかをシステムが認識し、大型タッチディスプレイ上で「知の生態系」が進化をしていくさまを見ることができます。また、手元のモニターでは、お選びいただいた本の内容に関連した、おすすめのブースや著書の紹介が表示されます。

bookcafeこれらは、既存の分類上は一見バラバラに見えるSFCの研究領域が、どのように「つながっているのか/つながる可能性があるのか」を発見するとともに、本やブース展示などの見えない関係性を「知の生態系」としてとらえなおし、参加者が本を手に取りテーブルへ置くことで、その生態系がダイナミックに育っていくことを実感するためのものです。システムはすべて、ICタグの技術、メディアデザインの技術、関係性を解析する技術など、SFCで日頃から研究されている技術と知恵の組み合わせで実現されています。

また、ブックカフェには時おりブックマスターが現れ、SFCの知のつながりについて解説が行われたり、研究者がリビングルームで語るようなトークセッションの時間帯があります。コーヒーを片手に、実空間の「本」を手に取り、ソファーでくつろぎながら「知の生態系」が包み込む場所と時間をお楽しみください。

電子タグの高度利活用(Auto-IDラボ+NTTCom)
実空間とシステムの融合(國領二郎研究室+田中浩也研究室+プラットフォームデザインラボ)
選択によるネットワーク形成(熊坂賢次研究室+井庭崇研究室)
可視化エンジンNautilus(脇田玲研究室)
トークセッション企画/関連ブログ(加藤文俊)

bookcafe-logo展示場所:40カフェ内の「ブックカフェ」スペース
展示日時:11月22日(木)、23日(金・祝)ともに終日
HomePage: http://bookcafe.sfc.keio.ac.jp/


SFC Open Research Forum 2007
「toward eXtremes: 未来創造塾の挑戦」


日時:2007年11月22日(木)  10:00~21:00
    2007年11月23日(金・祝)10:00~19:00
会場:六本木アカデミーヒルズ40(六本木ヒルズ森タワー40階)
   入場無料(お名刺をご持参ください)
主催:慶應義塾大学SFC研究所
HP:http://orf.sfc.keio.ac.jp/
イベント・出版の告知と報告 | - | -

「隠れた関係性の可視化」展を開催します!

2007年11月22日(木)・23日(金・祝)に六本木ヒルズで開催されるOpen Research Forum 2007 (ORF2007)において、「隠れた関係性の可視化」展を開催します。

NetworkImage近年さまざまな分野で、現象の背後に潜む「隠れた関係性の可視化」とその解析が行われています。物事の関係性を「ネットワーク」として捉え、その全体像を把握したり、関係性の特徴を理解したりするわけです。対象となる現象の詳細を省き、「ノード」(点)と「リンク」(線)に抽象化して捉えることで、関係性そのものに注目した分析が可能になります。現在SFCにおいても、先端生命科学、情報社会学、国際関係論などのさまざまな分野において、このような「隠れた関係性の可視化」と解析が行われています。ORF2007では、その取り組みについて、展示・デモンストレーションを行います。「組織化」や「秩序形成」に関する、分野を超えた議論・研究のきっかけとなれば幸いです。

「インタラクトーム統合解析プラットフォーム eXpanda」(斎藤輪太郎研究室)
「クックパッドのレシピの構造分析と料理創発支援ツールの開発」(熊坂賢次研究室)
「ウィキペディアの各種ジャンルの時系列解析」(熊坂賢次研究室)
「SFCから生まれた本のネットワーク: 共著者/書籍ネットワーク」(井庭崇研究室)
「SFCブックカフェ「知の生態系」のネットワーク形成の仕組み」(井庭崇研究室)
「同盟ネットワークの歴史的変化」(井庭崇研究室/草野厚研究室)
「国際テロ組織のネットワーク理論からの考察」(神保謙研究室)

DemoPlace
【展示場所】
A04区画
(40カフェ内の「ブックカフェ」前のスペース)

【展示日時】
11月22日(木)、23日(金・祝)ともに終日


SFC Open Research Forum 2007
「toward eXtremes: 未来創造塾の挑戦」


日時:2007年11月22日(木)  10:00~21:00
    2007年11月23日(金・祝)10:00~19:00
会場:六本木アカデミーヒルズ40(六本木ヒルズ森タワー40階)
   入場無料(お名刺をご持参ください)
主催:慶應義塾大学SFC研究所
HP:http://orf.sfc.keio.ac.jp/
イベント・出版の告知と報告 | - | -

NetworkScience ニューヨーク学会旅行

5月下旬にニューヨークで行われた国際学会に参加・発表するため、井庭研メンバーとニューヨーク学会旅行に行ってきた。今回はワークショップとカンファレンスあわせて5日間の学会だった。その前後もつけると7泊8日(+機中泊1)という、結構長い旅行となった。終わってみるとあっという間だったけどね。
 今回泊まったところは、ニューヨークといってもマンハッタンではなく、コロナ地区というところ。マンハッタンから地下鉄で3、40分くらいの地域。夕方に学会が終わったら、マンハッタンに地下鉄で向かう。おいしいものを食べたり観光したりと、短くとも充実した時間をすごす。ということの繰り返し。デリバリー中華から始まり、オイスターバー、コリアン、メキシカン、イタリアンなどなど、振り返ればいろいろおいしいものを食べたなぁ、という感じ。それだけでなく、ソーホーの素敵なカフェを見つけたり、かわいいチョコレート屋さん(Marie Belle)やカラフルなキャンディーショップ(Dylan's Candy Bar)にも行きました。
 学会自体がとても刺激的で、それだけでもかなり価値があったのだけど、こういう付加価値もついて、今回の旅はかなり充実したものだったと思う。

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