総務省の谷脇さんの講演を聞いて

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インターネット利用において、P2Pユーザー(ネットユーザー全体の10%)の10%、つまり1%の利用者がネットワーク全体の60%以上のトラフィックを使っているとのことである。
通信事業者の設備コストも増加し、このままでは一部のヘビーユーザーが原因でインターネットがまともに機能しなくなる恐れがあるとし、ヘビーユーザーに追加課金をすることは適当か否かが議論されている。

この議論は、主にインターネットサービスの事業者側が進めているが、一般の消費者が議論に参加した場合には大きな社会問題になる危険性もある。
既に契約しているものに対し追加課金をするというのは、定額でブロードバンド使い放題としてきた事業者の責任が問われることになり、誇大広告といわれても反論できないのではないだろうか。
過去にもブロードバンドサービスはその通信速度を保障しているとの誤解を招いたが、今の議論はその誤解に対して責任をとるのではなく、逆に課金するということである。

技術的には、帯域制限などの量的監視と利用コンテンツなどの質的監視がある。ブロードバンドサービスはベストエフォートであり量的監視による帯域制限はそれほど問題にならないかもしれない。質的監視については、検疫の問題に発展する懸念がある。いずれにしてもルータ等設備および運用コスト負担が必要になるが、どこから捻出するかとういことが事業者として悩ましい問題となるだろう。

仮にこのまま放置するとどうなるか。インターネットの帯域の細い事業者から順に遅いなどのクレームが起き、設備投資して事業を継続するか、あるいは信頼低下により事業から撤退することになるのではないか。その際、インターネットサービスはベストエフォートとの共通認識からある程度寛容な意見も考えられるが、IPフォンなどは電話機能としての品質を期待され、接続できない、切れるなどの深刻な事態も予測される。通信事業者は電話交換機からIP交換機へ切り替えを進めているが、議論の原点はこのあたりにあるのかもしれない。一般の人は電話としては携帯の利用が進んでおり、むしろ企業などが品質の良い電話を確保できないことが問題になるだろう。

以上をまとめると
(1)企業間の信頼できる通信回線の提供
(2)信頼できる通信回線と携帯電話の相互乗入
を優先すべき課題として提案したい。また、解決策としてNTTのフレッツ網などインターネットと相互接続はするがインターネットとは異なるネットワークを有効利用することを提案する。

参考資料:
【ネット時評 : 谷脇康彦(総務省)】「ネットワークの中立性と新しい通信競争モデルを考える」 http://www.nikkeidigitalcore.jp/archives/2007/01/post_93.html (2007年1月23日)
【ネット時評 : 谷脇康彦(総務省)】「次世代競争モデルの構築に向けて― ―総論から各論へ」 http://www.nikkeidigitalcore.jp/archives/2006/07/post_69.html (2006年7月19日)


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このページは、madpapaが2007年7月 8日 22:48に書いたブログ記事です。

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