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新しい社会の捉え方を探して。井庭 崇のblogです。

学会発表「プロジェクト推進のパターン・ランゲージとその評価」

2007年8月17日から19日に開催された「日本ソフトウェア科学会 ネットワークが創発する知能研究会&情報処理学会 数理モデル化と問題解決研究会 合同ワークショップ」で、「プロジェクト推進のパターン・ランゲージとその評価」という研究発表をしてきた。

 プロジェクト推進のノウハウを「パターン・ランゲージ」としてまとめるという僕らの研究については、すでにこのブログでも紹介しているが(⇒学会発表「プロジェクトを推進するためのパターンの提案」)、今回の発表は、そのプロジェクト・パターンを実際に授業に導入し、その評価を行ったというもの。

 プロジェクト・パターンを導入した授業は、SFCで僕が担当している創造実践科目「コラボレーション技法ワークショップ」という授業だ。この授業では、履修者は学期を通じてグループワークに取り組んでいる。今回の研究では、その履修者に提出してもらった、プロジェクト・パターンについてのフィードバックを、定量的・定性的に解析した。僕らはこれまでにいろんなパターン・ランゲージを提案してきたが、開発したパターンをきちんと評価したのは、実は今回が初めて。その意味で、今回の研究は大きな前進だと思っている。

 さらに、フィードバックの解析においても工夫をしてみた。パターンの「選択ネットワーク」(Choice Network)というものの可視化を行ったのだ。パターンの「選択ネットワーク」では、それぞれのパターンをノードとし、一人ひとりが同時に選択したパターン同士をリンクで結んでいく。これは、先日、商品の選択ネットワークを描く方法として提案したものと同じやり方だ(⇒学会発表「商品ネットワークの成長モデル:市場の秩序形成の探究に向けて」)。

JWEIN-ChoiceNetwork

 この選択ネットワークの分析を通じて、今後、重みつきネットワーク(重みつきグラフ)を解析する手法を開発していくことがとても重要だと痛感した。これまでのネットワーク科学では、主にネットワークにおける「リンクがあるか/ないか」という構造面に注目が集まっていたが、実データの解析となると、リンクの重み(強さ)を考慮しなければならない。この点については、いろいろ考えていることがあるので、また近いうちに書きたいと思う。

JWEIN-Presentation
●井庭 崇, 湯村 洋平, 若松 孝次, 古市 奏文, 「プロジェクト推進のパターン・ランゲージとその評価」, 日本ソフトウェア科学会 ネットワークが創発する知能研究会&情報処理学会 数理モデル化と問題解決研究会 合同ワークショップ, 東京, 2007年8月
Paper 論文(PDF)
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