井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

"Design Your Learning!" Dialogue Workshop @SFC

SFCの授業「パターンランゲージ」で、初めての "Design Your Learning!" Dialogue Workshop with Learning Patterns を行った。学びのパターン・ランゲージである「学習パターン」を使ったオリジナルのワークショップだ。

ワークショップの内容は、40個ある学習パターンのなかから自分がこれから取り入れたいと思う5つのパターンを選び、すでに経験している人から体験談を聞くというものである。

人によって取り入れたいパターンも経験しているパターンもばらばらなので、全員が聞き手、かつ、語り部となる。

ワークショップの時間を短縮するため、事前準備として、前の週に次のような宿題を出しておいた。

『Learning Patterns』(学習パターン)の冊子を読み、以下のものを作成する。

(1)自分が体験したことがある「学び」のパターンについて、すべてリストアップし、各パターン100~200字の体験談/エピソードを書く。複数枚にわたる場合にはホッチキス止めで提出。

(2)自分が体験したことがある「学び」のパターンのリストを、A4用紙1枚に収まるように、なるべく大きめに印刷する。

(3)自分が今学期取り入れたい「学び」のパターンを5つ選ぶ。それを A4用紙1枚に収まるように、なるべく大きめに印刷する。

(1)は事前に一度経験を思い出しておくための準備であり、実際のワークショップでは、(2)と(3)の紙を使う。

ワークショップを始める前に、まず教室の机と椅子をすべて壁側に寄せて、真ん中に大きな場をつくる。これで場づくりは完了。


ワークショップでは次のことを行う。

参加者は「自分が体験したことがあるパターンのリスト」の紙と、「自分が今学期取り入れたい5パターンのリスト」の紙を手に持って歩く。

自分が今学期取り入れたいパターンを、すでに体験している人を探す。ただし、ふだんから話す機会がある友達は避ける(この機会がなければ話さないと思われる人と話す)。

体験している人を見つけたら、体験談を聞き、「体験談の概要」と「その人の名前」をメモする。1パターンあたり、何人も聞く。

逆に、自分の体験したパターンについて、体験談を他の人に話す。

このようにして、ワークショップ中に、5パターン分すべての体験談を集める。5パターンそれぞれ最低1人は違う人の体験談が入るようにする。

ルールは、たったこれだけ。所要時間50分。


ワークショップは、(僕らが予想した以上に)かなり盛り上がっていた。

自分の体験を生き生きと話す。そして、自分が取り入れたい「学び方」を実践している人から話を聞く。

誰でも何らかの「学び」を日々実践しているので、知らない人同士であっても、必ず何らかの共通点や、理解しあえる差異があるものだ。特に、同じキャンパスにいる学生同士なので、重なる部分はさらに多くなるはずだ。

学習パターンが、コミュニケーションのメディアとなり、ふだんはなかなか語らない/聞くことがない各人の「学び方」に関するコミュニケーションが誘発される。これが、このワークショップの肝である。

ワークショップに込めた僕らの狙いについては次の機会に書くとして、今回はパターン・ランゲージを使った新しいワークショップをやったという報告まで。

LearningWorkshop1.jpg

LearningWorkshop2.jpg

LearningWorkshop3.jpg

LearningWorkshop4.jpg
授業関連 | - | -
CATEGORIES
NEW ENTRIES
RECOMMEND
ARCHIVES
PROFILE
OTHER