井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

体験学習ゲームのパターン分析

学習パターンのカードゲームづくりの話に関連して、懐かしい話を思い出した。

井庭研の1年目(2004年)に、「体験学習のパターン分析」をするプロジェクトがあった。メンバーは、当時の学部3年生の3人チーム。もうみんな卒業してしまったが、個性的で面白いチームだった。

「ゲーミングのタイプとパターン分類:学習ゲームの作成を支援する」(赤石真依, 野田尚子, 斎藤卓也, 井庭崇研究室研究論文, 2004)

これは後に、以下の学会でも発表している。

「体験学習ゲームのパターン分析」(井庭崇, 赤石真依, 野田尚子, 斎藤卓也, 情報処理学会MPS研究会, 2006)


分析のプロセスとしては、自分たちで集められるだけ体験学習ゲームのやり方を集めて、それらがどのようなビルディングブロックで成り立っているのかを理解しようということだ。ここでいうパターンというのは、パターン・ランゲージのパターンという意味ではなく、一般的な意味での「パターン」として使っている(後にパターン・ランゲージ化しようという構想はあったが)。

文献を読んでは、とにかく、付箋(ポストイット)にそのゲームの重要な要素を挙げていく。それをたくさん出したのちに、KJ法のようなやり方で、全体のなかでの要素の関係性を見いだしていく。ここがこのプロジェクトの山場。一番大変なフェーズであり、創造的な瞬間でもある。

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体験学習チーム活動風景(2004)


当時はまだ共同研究室がなかったので、僕の研究個室の一角で活動をしていた。

模造紙にたくさんの紙や付箋を貼りながら、ああでもない、こうでもないと、思考とコミュニケーションの連鎖を続けていく。手をどんどん動かす。変化を起こし、変化を楽しむ。

こういうとき、ノートやパソコン上で、こちょこちょ作業してはだめ。目の前に広がる空間をめいっぱい使って、自分たちの考えていることをマッピングしていく。

考えるためのスペースの広さが、思考の大きさを決めるからだ。

ちょうど、昨日の「パターン・ランゲージ」の授業で話したね、これ。

↓ 昨日の板書。
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