井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

「学びながら書く」(第二言語によるライティング・パターン)

「第二言語によるライティング・パターン」(Second Language Writing Patterns: A Pattern Language for Writing in a Second Language)プロトタイプ Ver. 0.1のなかのパターンのひとつ。


「学びながら書く」

文章を書いているときこそが、表現のストックを溜めるチャンスである。


Context: 自分が深く慣れ親しんでいるわけではない第二言語(外国語)で、文章を書いている。

Problem: いま書こうとしていることを、どのように表現すればよいのかわからず、なかなか筆が進まない。それは、第二言語でどのような言葉で表現するのが適切なのかや、どのような言い回しがよく用いられているのかについての知識が欠けていることに原因がある。

Solution: 自分で文章を書いているときにこそ、その言語で書かれていて、かつ、自分が書く内容・分野に近い本/Webページに目を通して、適切な単語やよく使われている言い回しを学ぶ。そのとき、著者独特の言い回しを中和するため、著者が異なる複数の文献に目を通すようにするとよい。「学んでから」書くのではなく、「学びながら」書くという点が重要なので、最初から最後までいつも表現のストックを溜めながら書き進めるようにする。現段階で表現ストックが少ないことを悔やむのではなく、「目的がはっきりしている分、効率的に学ぶことができる」と前向きに考えよう。

Consequence: 読めば読むほど、その分野・内容での言葉の使い方をつかむことができ、その言語における自然な文章に近づいていくだろう。ただし、表現を学ぶことを楽しみすぎて、書く手がながく止まることがないように注意しよう。また、ひとつの文献から長めのフレーズをそのままコピーしてしまうと「盗用」になってしまうので、注意が必要である。その意味でも、複数の文献から学ぶということが大切である。
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