井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

「その言語でのニュアンス」(第二言語によるライティング・パターン)

「第二言語によるライティング・パターン」(Second Language Writing Patterns: A Pattern Language for Writing in a Second Language)プロトタイプ Ver. 0.1のなかのパターンのひとつ。


「その言語でのニュアンス」

対応する言葉を充てるのではなく、その言語でのニュアンスを踏まえた言葉を選ぶ。


Context: 自分が深く慣れ親しんでいるわけではない第二言語で、文章を書いている。

Problem: 個々の部分では、自分が言いたいことに対応する言葉が一応使われているが、その言語でのニュアンスからするとズレた奇妙な文章になってしまう。こういうことが起きやすいのは、たいてい、母語の言葉に対応する第二言語の言葉を、辞書で調べて書いたときである。それが奇妙な文章になってしまうのは、第二言語におけるニュアンスを踏まえない言葉の選び方をしてしまうからである。言語をつなぐ辞典(例えば、和英辞典や英和辞典)で書かれているのは、意味を極端にシンプル化して対応関係を示してくれているにすぎない、と考えた方がよい。

Solution: 第二言語だけで書かれている辞典(例えば、英英辞典)を用いて、使う言葉のニュアンスを理解して、より適切な言葉を選ぶようにする。そのような辞典では、言葉の意味をその言語の別の言葉で「説明」してくれている。つまり、第二言語のなかでの言葉の意味的ネットワークを示してくれている。その関係性をつかむことが、第二言語での言葉のニュアンスを学ぶことにつながる。複数の辞典に目を通すと、より効果的である。

Consequence: 第二言語でのニュアンスを踏まえた、より自然な文章になる。また、その言語で考えるための概念のネットワークを自分のなかにもち、それを成長させることができる。
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