井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

「パターン・ランゲージの魅力は?」 井庭研メンバーそれぞれの思い

パターン・ランゲージとはどのようなものか、そして、その魅力は何かということについて、井庭研メンバーそれぞれが語ってくれた。それぞれに自分なりの思い入れがあって、とても興味深い。全員学部生で、1年生〜4年生たちです。


「あなたが思うパターン・ランゲージの魅力は? パターン・ランゲージを一言で言うと?」

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誰もが、様々な分野で活躍し理想の姿を実際に創造できたら…素敵ですよね。一気に大きな成果を出すことが難しくとも、パターンの単位のような、小さな達成が積み重なっていくことで、着実に理想の姿に近づいていくと思います。パターン・ランゲージは、そんな個人や団体の活動を優しく後押ししてくれる存在だと思います。一言で言うならば「人を幸せにすることば」ですね!

40年前に提唱された方法なのに、今もまだ新しい応用・活用方法が見出されていることが一番の魅力だと思います。そういう意味で、パターン・ラン ゲージは「パターン・ランゲージとは何か」ということを、まだまだ考えていける奥の深い方法・思想だと思います。

個人の意思、そして個性を最大限に尊重している方法がパターン・ランゲージであり、その背景にある思想はすごく優しいものです。ありのままを受け入れてくれ、ありのままを肯定してくれるのが、パターン・ランゲージという方法の魅力です。

言葉にできないような良さ・質感を、それでも表現しようという努力と、そのランゲージが人の創造行為に影響を与えること。

自分が感じる小さくとも”良い”を、定義しようとするのではなくて想像して表現するのがいいなと思っています。あと、読む人によって全然違うものになるところ。パターン・ランゲージを一言で言うと、「質を感じることのできるちっちゃな物語」です。

言葉で表現しにくい所を言葉で表現できるところ。また、創造行為の支援に関して、主体者に自由をもたせて支援できるところ。

人間の知の構造を明らかにしようとしていると思うところ。思考するのに適度な型を与えてくれること。人間が持っているもうひとつの言語。

「センスの記述」や「共通言語」など、パターン・ランゲージはいろいろな側面から説明されますが、私は「つくることでわかる」のがパターン・ランゲージの最大の魅力だと思っています。「このことについて書きたい!」と思ってパターンを書き始めても、書き上げたときには自分も知らなかったことが記述されている。この快感は一度味わうと忘れられません。

パターン・ランゲージをつくると、その分野について新しい発見が必ずあります。また、パターンがあれば"理想"のようなフワフワとしたものについても語り合うことができます。自分が関心があったり研究したい対象について深く理解し、さらにその未来をつくっていくことを支援できるのがパターン・ランゲージの魅力だと思いました。

こうなったらいいな、という世界観をみせられること、そして、それを押し付けるのではなく、パターンを見た人の解釈に委ねられるのが魅力に感じます。生活にパターンを取り入れることによって、少しでもその人の考え方や生き方にプ ラスの変化が生まれたらいいなと思います。一言で表すと、人々の中に新しい考え方や価値観を生むツールだと思います。

「いい」と思っているのにそれが言葉にできないモヤモヤが、パターンにすることでキラキラすること。細分化することで分かりやすく、かつ、編み込 まれることで魅力的になります。一言でいうと精巧に編み込まれた物語だと思います。

コミュニケーションにおいて、必要不可欠である言葉の曖昧な表現や認識のずれを失くし、個々人が表現したい本質を捉えることが出来る有用なツールだと思います。

人間としてより本質的なところに近づけることが、魅力だと思います。一言で言うと、当たり前を再確認・共有すること。

パターン・ランゲージのテーマは限定されていなくて、様々なテーマで研究することができます。このように研究の限界がないというこ とがパターン・ランゲージの一つの魅力ではないかと思っています。パターン・ランゲージはより良い自分を作るための「ガイドブック」だと思います。

 私たちにとってパターン・ランゲージが貢献し得る一番の価値としては、「暗黙知を明らかにしてくれること」だと思います。パターンは簡単に言うと、これまでの先人が経験してきた状況・問題・解決を記したものであり、それはインタビューや著書をもとに作成されています。つまり、人の 「生の言葉」であって、だからこそ頭の中に入り易く、気軽に実践しやすいというのが大きな魅力です。
 井庭研では人間行為のパターン・ランゲージを作成しています。自分たちで「新しくつくる」「つくり直す」社会を目指しています。これからの世 の中はどうなっていくんだろう、誰が世界を変えるんだろうかなあと「自分の人生をも客観的に見てしまいそうな現代の人たち」に向けた、「自分を変える・自分の世界を変える、身近で手軽な手段」だと思います。

個人の秘訣が組織や、悩んでいる他の人に分かりやすく共有されるところです。パターンランゲージは、悩んでいる、また何かを突き抜けたいと感じている個人や組織を後押ししてくれる存在だと思います。パターン・ランゲージを一言でいうと、「前進を生むもの」だと思います。

個々が持っている知識、経験が他者の学びや成長を創発するというところに魅力があると思います。自分の中にある何気ない経験が、他者から見たら悩みをブレイクスルーするための鍵になったり、そういったことの連鎖を引き起こせる可能性があるメディアだと思います。

パターン・ランゲージの最大の魅力は、他の分野の人とコラボレーションをするため出来たということです。まさに私が実現したいことでした!

ひとつのパターンだけでも、そのパターンを読んだ人の分だけ物語があるくらい、個人に寄り添っている様々な人間活動のためのコツやヒントであることが面白いなと思います。

パターン・ランゲージをつくったり、ひとつひとつのパターンを理解することで自分の世界観が広がることです。
ひとつのパターン・ランゲージには、ひとつの世界観があります。自分の触れたことのない分野であっても、そのパターン・ランゲージを知ることによって自分の思考の中にそこで描かれている世界観が入り込んできます。そうすると、そのパターンを知る前とは自分の見える世界や社会が違って認識でき、また違う景色を見ることが出来るのです。そして、新たな角度で物事を考えることができると思います。

地域活性化の研究でも感じますが、「なぜかわからないけど活性化に成功した地域」、「なんとなく魅力的な地域」など、数字などはっきり見ることができない部分が存在しています。そういうあいまいな部分を、「言葉」として可視化しているところが魅力です。パターン・ランゲージは、「見えないコツを浮き上がらせてくれるもの」です。

「上手く言葉にできないけれど大切なこと」を認識したり、共有したりできるようになるところ。モヤモヤしたものと向き合い続けることはとても 大変だけど、それを明らかにすることで助けられたり、勇気をもらえる人がいるはずです。パターン・ランゲージをつくることは自分自身の学びに もなりますが、誰かをサポートすることにも繋がると思います。

井庭研に入ったきっかけにもつながるのですが、何かをデザインするときの「センス」を言語化できる部分に魅力を感じています。それが小さな単位としてわかりやすい名前がついているので覚えやすく、パターン・ランゲージは大きな可能性をひめた「ヒケツ共有言語」だと思います!

「行動」として頭のなかに取り込まれるのではなく、「言葉」として取り込まれるところが良い所だと思います。それによって普段の生活のなかでも共通言語として使うことができたり、意識することができるようになります。また、自分の理想の状態・ こうありたいという姿を浮かべやすくなるのもよいなぁと思います。
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