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１．客観的世界の構成原理 ７５年以降のライフスケープを理解しようとするとき、そのためには、 それ以前に、つぎの２つのステップを踏まなければならない。最初は、 主体の客観的な世界がどのように構成されているか、を認知しなけれ ばならない。これが生活世界の第一の構成原理である。 ここでは、主体は、社会環境のなかに包含され、外化（対象化/客体 化）された自己として、主体と環境をめぐる生活世界を認知する。 ここで認知される自己のリアリティは『事実』としてのリアリティで あり、すべての同一の了解が共有されていると認識されることで構成 される生活世界である。この構成原理で認知される主体は、すべて客観的な事実として存在す る。しかもこの事実としてのリアリティは、つぎのような階層をもっ ている。 ◇基本属性 ：（１）性別、（２）年齢 ◇派生属性１：（３）家族、（４）地域（住所、住居形態） ◇派生属性２：（５）学歴、（６）職業、（７）所得水準 これは、主体を生活世界に位置づける最初の原理で、この点にかんし ては、客観的な了解が容易に成立するといえよう。このような生活世 界を、ここではライフストラクチュア（life-structure：生活構造) と呼ぶ。 このような構造論的なアプローチは、生活世界の基本的な構造を認知 する目的には有効であり、現在でも多くの社会調査や生活調査に必要 とされるアプローチである。また歴史的には、1955年体制の生活世界 を理解する場合には、多くの場合、この構造論的なアプローチで十分 な効果をあげることができたはずである。
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