生活世界をめぐる、3つの構成原理
 
1. 客観的世界の構成原理
2. 主観的世界の構成原理
3. 間主観的世界の構成原理
4. メディアスケープ(媒介景)
5. 核家族の視点(産業社会に対応)
6. 粒子家族の視点(消費社会に対応)
7. 携帯家族の視点(情報社会に対応)
4.メディアスケープ(媒介景)

生活者は、さまざまなメディアに接触して自分の生活世界を形成して いる。そのメディアからの影響力は、現実の家庭や学校での影響とまっ たく同じように、大きい。生活者は、現実の生活のなかで生きると同 じように、フィクションの世界にも生きている。しかもそのフィクショ ンの世界は、あきらかにヴァーチャル・リアリティ(事実としての現 実)であり、その世界を欠落させては、生きることの全体の意味を理 解することにはならない。生活者が生きるうえで、現実の生活は制約 条件として重要な機能をはたすが、フィクションの世界は、生活世界 に方向性やヴィジョンを付与するという機能にかんして、非常に重要 である。たとえば、テレビドラマに勇気づけられて、生きる喜びを認 識できる人もいるだろうし、難解な本を読むことで、人生の哲学を知 る人もいよう。それらは、現実の生活と同じように、生活世界を構成す る上で欠かせない要因である。 そこで、このようなヴァーチャル・リアリティを構成する情報記憶を、 メディアスコープ(媒介景)と呼ぶ。具体的には、つぎのようなメディ アを想定する。

◇テレビ

◇マンガ ・アニメ

◇音楽

◇ゲーム

◇CM

◇本・雑誌

◇映画・演劇

◇デジタル・ネットワーク

ライフスケープをめぐる、3つのパースペクティブ

ライフスケープは、一方ではスケープ(情報景)から構成されるが、 他方では、そのスケープをそのような視点から解読すればいいのか、 というパースペクティブを必要とする。この場合、パースペクティブ は、生活世界を根底から規定する家族(家族意識)形態をもとに、つ ぎのように提示される。

■核家族の視点 (産業社会に対応)

■粒子家族の視点(消費社会に対応)

■携帯家族の視点(情報社会に対応)

それぞれは、つぎのフレームのもとで、解読の視点を構成する。

◇価値:なにが望ましい生活世界なのか。

◇主体:どのような主体であるのか。

◇関係:どのような関係が形成・維持されているのか。

◇環境:どのような環境が前提とされているのか。