生活世界をめぐる、3つの構成原理
 
1. 客観的世界の構成原理
2. 主観的世界の構成原理
3. 間主観的世界の構成原理
4. メディアスケープ(媒介景)
5. 核家族の視点(産業社会に対応)
6. 粒子家族の視点(消費社会に対応)
7. 携帯家族の視点(情報社会に対応)
7.携帯家族の視点(情報社会に対応)

ネットワーク環境は、消費社会の閉塞状況を打破する、唯一の可能性を もたらしたばかりでなく、まったく新しい社会システムを生成する可能 性ももたらそうとしている。そのとき、その新しい社会環境のなかで、 個人は、家族は、どのような変容を期待されるのであろうか。まだわ からない。できることは、可能性の背景になるヴィジョンを明確にして その実現可能性への論理(政策)を思考することである。

◇価値

◆共生/環境重視

・目的達成にはその前提への自明の容認(無限な環境)があり欲求充足にはその背後に自己への強い共感(自己の幸福は善)がある。しかし、目的と欲求への懐疑がうまれたとき、その自明性はもろくも崩れる。そのとき、ネットワーク環境が投げかけようとしているテーマが、環境(自然から生活まで、重層的な環境)との共生というコンセプトである。共生が社会的価値として合意されてはいないが、ネットワーク環境に適合しえるコンセプトであることは確かだ。

◇主体

◆融合/拡散

◆超越/共感

◆ボランティア

◆ネットジェネレーション(共振する自律)

・ここでは、個人のコンセプトが大きく変容する。自己と環境の境界は融合し、自己は、従来の自己の超越を求めながら、環境への共感をもとに、大きく拡散する。ここでは、単純なプライバシーの優位性は後退し、環境と融合しながら、反転する自己(環境から自己を見つめることで、環境を自己化し自己が環境化する)の中に、新しい自己の存立を探そうとする。これが、現象面ではボランティアにこだわることの本質(ボランティアはメタファーとして意味がある)でありネットジェネレーションに期待されることである。

◇関係

◆探索/支援

◆ネットコミュニティ

◆ネットビジネス(ボランティア経済)

◆贈与性

・関係は、主体の情報所有を起点に生成されるのではく、主体が情報を所有していないことを起点に生成させる。その場合、主体は必要な情報をネットワーク環境のなかで探索し、環境は主体を支援する。関係の基本は、すべての主体が、自己を環境化させること(反転する自己)、つまり贈与する環境(所有する情報で、他の主体を支援する)になること、にある。こうして、新しい関係が贈与を起点に生成される。その結果、新しい生活領域が、ネットコミュニティとかネットビジネスというかたちで立ち上がる。これは、従来の経済=生産システムでもないし、消費システムでもない。

◇環境

◆ネットワーク(情報の豊かさ)

・物の豊かさが、物の希少性の価値の解消・後退(いいものは、無限にある、ということが、ものの豊かさ)にあるとすれば、ネットワーク環境の登場は、情報の希少性の価値が解消・後退することにある。いままでのような、対面的なコミュニ ケーションからマスコミュニケーションまでのように、情報環境が貧しいがゆえに、情報所有が価値の源泉であった環境とは異なり、ネットワーク環境では、無限にアクセスできる情報環境にあるから、ある主体の所有する価値はどこまでも後退する。その結果、上記のような関係が生成されるのである。このような意味で、ネットワーク環境とは、豊かな情報環境のことなのである。