2013年6月厚生労働省は、子宮頸がん予防ワクチン接種の積極的な接種勧奨の差し控えとした。
接種部位以外の体の広い範囲で持続する疼痛の副反応症例等について十分に情報提供できない状況にあるのが理由だ。
自身の周囲でもワクチン接種で1回目を接種したものの、副作用が怖くて2回目は接種せず中断した人がいる。
同様な人も以外にいるのではないか。では、代わりに子宮頸がんから守るにはどうするべきか。
ワクチン接種以外の子宮頸がんの予防の現状を調べてみた。
そもそも子宮頸がんの原因は何か?これはHPVというウイルスが原因である。
HPVとはヒト・パピローマウイルスのことで、イボなどの良性の腫瘍を起こす。
性交渉などによってほとんどの女性が感染したことがあるといわれる。
通常は、感染しても免疫力によって自然消滅するが、HPVの中には特に危険な種類のHPV(ハイリスク型HPV)が存在し
このハイリスク型HPVに持続感染してしまうと、がんが引き起こされる。
従って子宮頸がんは、いわば感染症である。
感染症であるからワクチンにより体内に抗体を作ることで以後感染症にかかりにくくすることに有効と考えられた。
ワクチンが積極的に推奨されなくなり、代わりにできることはないか。。
コンドームはどうか?
他の性感染症予防では、コンドームが感染予防に有効であることも多い。
HPVでもコンドームがある程度有効で感染の確率は減らせるが、外陰部の粘膜などからも感染することからコンドームでは防げないこともあるようだ。
その他感染を減らす手段としては、清潔なセックスを心掛ける、不特定多数の人と性交渉を持たないことが有効なようである。
HPV検査?
HPVの検査を定期的に受けることが有効である。HPVの感染はめずらしいことではなく感染しても免疫力によって自然消滅を繰り返している。
しかしハイリスク型HPVに持続感染してしまうとがんが引き起こされる可能性が高くなる。
HPV検査は、子宮頸がんの原因ウイルスであるHPVを直接見つけ出す検査であり、感染が判明し早期に適切な対処をすることにより子宮頸がんを予防できる。
HPV検査は以下でできる。
検査の流れは
の順。
産婦人科や健診機関では医師による採取(工程1)と標本作成(工程2)が行われ、観察(工程3)で検査技師が観察する。
しかしここで問題があり、工程1と工程2を合わせ不適切な検体が20%~30%に上るという。
せっかく検査しても医師の技量に依存し20%~30%もの検体が不適切になるとはいかがなものか。
なぜこれほど不適切になるか。医師が採取した細胞をガラスへ直接塗末する際にムラなく塗末することができず、また、妊娠中など出血しやすい時期に採取した血液が見たい細胞を遮るなどが原因している。
最近では、採取(工程1)のみ医師が行い、標本作成(工程2)と観察(工程3)を検査技師が実施する方法も現れた。リキッドベース方式で、医師は採取器具を検査用保存液に入れるだけで良いので技量の差が生じない。また、遠心分離で残る血液など余分な成分をなくすために、出血が多い場合用の保存液を変えることで溶血し精度を上げた。
この方法では、医師の技量に依存する部分をなくし、不適切な検体を0.2%にまで減らすことができている。