国立がんセンター中央病院(病院長 土屋了介先生)

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土屋先生は現在内閣官房における新健康フロンティア戦略賢人会議のメンバーである。
戦略会議の中でも、がん対策の推進を重点においた対策を進められている。

このたび、その活動の一環として山形県鶴岡地区およびその周辺地区を対象としてがん患者に対する緩和ケアを推進するパイロットケースに取り組むこととした。全国各地の候補の中から地域の医療情報化が進んでいる山形県鶴岡地区が良いと考えている。がん患者に対する緩和ケアをどのように進めるべきか、地域としてどのように連携していくかなど、今後日本全体のモデルケースとなるべく、まずは情報収集の取り組みを進める。
がん患者に対してどのように望むべきか、実は医師自体が良く認識していないケースもある。例えばがん患者に対する緩和ケアで医療麻薬を利用しても良いかどうかわからない。過去に学習した既存の知識では、ある症例のがん患者に対して医療麻薬の使用は不可とされているが、最新の医療研究の成果報告によると実は使用可であったりする。それを理解していない医師が実は案外多い。したがってまずは医師への勉強会などを進めることから始める必要がある。今回のパイロットケースでは推進の成果を計るために医療麻薬の使用量の推移を見ることを想定している。緩和ケアの医療技術が浸透すれば使用量は増加するはずである。これら情報を解析するためには医療情報を収集し統計をとらなければならない。そのためには地域の病院や医師会の協力を得て、情報を提供してもらう必要がある。地域の医療情報化が進む山形県鶴岡地区は情報を得やすいと考える。情報提供の協力を得る代わりに、がん治療の講習会を開催するなど、がん治療に関する医療情報を提供する用意がある。その他、がんと宣告された患者や家族のために作成した冊子を提供することも考えている。鶴岡地区の協力による良い成果を期待している。

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このページは、madpapaが2007年8月17日 01:30に書いたブログ記事です。

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