2005年9月アーカイブ
またSFCで合宿中。今回は某社の皆さんも一緒で、総勢19名。もう夜の12時半。明日の1限の授業は大丈夫なのか……。
東京都写真美術館に行くついでに、恵比寿のAALAWIでジャーク・チキンを食べる。ジャマイカ料理。手軽でうまい。
ところで、昨日衝動買いしたAirMac Expressがどうもうまくいかない。電波が間欠的にしか出ていないような気がする。しばらくはうまく接続できるが、突然つながらなくなって、ネットワークが見えなくなる。プリンタの共有もうまくいかない。どうやら初期不良じゃないかという気がしてきた。イライラ。早く寝よう。
【追記】翌朝、プリンタ共有については以下のリンクを発見して、解決した。
http://global.solutions.brother.co.jp/Library/ja_jp/faq/faq000512_000/
私が使っているのはAirMac Expressで、AirMac Extremeではないし、プリンタの機種も違うが、問題の本質は同じらしい。1年以上経っているんだから、早く直しておいて欲しいな。
選挙の投票をしてから新幹線に乗り、昨日まで京都の立命館大学で過ごす。夏休みだというのに、夏期集中講義にわんさかと学生がやってきていて(ただし、私の大学院の講義は受講者3名なのでのんびりと)、食堂はピーク時には席がなくなる。学期が始まると大変なことになるらしい。とにかく元気な大学だ。正門を入ると縄跳び(?)サークルが練習中で、見事なパフォーマンスを見せてくれる。
朝10時40分から午後4時10分まで講義で、その前後にそれぞれ45分のバスに乗らなくてはいけないので、観光はできない(その気力も残っていない)。でも食事を楽しんだり、バスの風景を見たりしているだけでも京都は興味深いからよしとしよう。
これは立命館大学の近くにある中野屋という讃岐うどんの店で食べた「釜玉生じょうゆうどん」(天ぷらは別売り)。昨年の受講生に教えてもらった店で、ちょっと歩かなくてはいけないが、とてもおいしい。六本木で讃岐うどんを食べたらあっという間に1000円を超えてびっくりしたが、ここではそんなことはない。
京都の帰りに名古屋に数時間立ち寄って会食。万博効果なのか、とても景気がいいようだ(世界で一番景気がいいんじゃないかとすら思える。ここを超える景気のいい街はどこだ)。一泊しようと思ったがホテルはまったく空きがない。夜中に帰宅。ウェリントンから名古屋までの長いツアーが終わった。
ワシントン・ポストによるとeベイがスカイプを買収するという。ちょっと早すぎるし、つまらなくないか。
Jonathan Krim, "EBay to Buy Skype," Washington Post, September 12, 2005.
「ギークが変える技術フロンティア」(ネット時評)掲載。
猪口孝・田中明彦・恒川恵市・薬師寺泰蔵・山内昌之編『国際政治事典』弘文堂、2005年。
少しだけ執筆。11月刊行予定。執筆者は総勢445人。執筆者が1冊ずつと全国の図書館が買えば1000部にはなる計算か。なるほど。
Yuki Noguchi, "Google Grabs Internet Founder From MCI: Vinton Cerf Helped Develop Protocol for Web Communication in the 1970s," Washington Post, September 9, 2005; D05.
グーグルは最近マイクロソフトからの人材引き抜きで話題を振りまいているが、今度はMCIからヴィント・サーフまで引き抜いた。アプリケーションもどんどん拡大中だし、何を考えているんだろう。
昨日はStockholm School of Economics(SSE)でセミナーを開いてもらう(写真はメイン・ビルディングの正面玄関)。ニクラスのおかげだ。いろいろな人が集まってくれて興味深い話を聞くことができた。
SSEにいる日本人の友人(今回は会えなかったが)は、SSEを「ストックホルム商科大学」と訳しているが、「ストックホルム経済大学」と訳している例も多い。後者のほうが直訳としてはいいようだが、どうなんだろう。スウェーデンの大学は一般的には無料だ。その分税金が高いのだが、でもうらやましい(留学生は授業料をとられる)。SSEは例外的な私立大学で、授業料が必要だ。
ちなみに「ストック」は「低い」で、「ホルム」は「小さい島」という意味だそうだ。ストックホルムは低地にあり、徐々に海に浸食されているという。温暖化はここでも他人事ではないようだ。
もっと時間があればさらに調査を深められただろうが、時間切れだ。今日の便に乗って東京に帰る。
昨日は日帰りで飛行機に乗ってヨーテボリ(英語では「Gothenburg:ゴッセンバーグ」)まで出かける。
ヨーテボリ大学の情報学部がクリエイティブ・コモンズ・スウェーデンをホストしている。写真の5人のうち真ん中のマシアスと右隣のカールが中心になっている。もうすぐポーティング・プロセスを終えるそうだ。左端のスタファンは人類学者で日本に5年滞在したことがある。左から二番目のジョセフは建築家で大学ではデザインを教えている。右端のジョナスはフリー・ソフトウェア・ファンデーション・ヨーロッパのバイス・プレジデントだ。
ひとしきり議論した後、ヨーテボリを案内してもらう。ヨーテボリは大阪みたいなスウェーデン第二の都市だが、文化的な中心でもある。街自体はさほど大きくなく、中心部は歩いて回ることができるが、景観が維持されている。石畳や建物の外観は古いものを残している。写真の通りはその典型的なもので、再開発の話が出たときに住民が立てこもって反対したそうだ。
カフェや書店、劇場などが建ち並び、年に一回映画祭も開かれる。スタジアムではコンサートもあり、最近はU2も来たそうだ。大学街なので教職員だけでも5000人おり、それを中心とした文化都市になっている。かつては造船業で栄えたそうで、まだドックが残っているが、日本との競争に負けてしまったという。
1時間半ほど歩いて案内してもらったのだが、大学と街が融合し、アートが溢れ(政府は一定額をアートに支出する義務があるという)、いい雰囲気だ。なんともうらやましい。スウェーデンでは数百年単位で話をすることが多いという。「われわれは16世紀以来、攻められたことがない」とか「200年前に隣の某国を失ってしまった」とかである。そう考えられるのも身近に歴史があるからだろう。
アップル・コンピュータのスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行った講演。
日曜日の夕方、ストックホルム市内をぶらぶらしていて見つけたお店。この組み合わせはやめてもらいたい。
旧市街近辺は王国の雰囲気に溢れている。けっこう賑やかだ。
絵になる街だ。
3日夕方にNYを発つ。スカンジナビア航空はなかなかいい。食事も一風変わっていたし、ネット接続も可能だった。
写真は、大西洋上の機内でスカイプを通じて東京と話しているKさん。TさんとSさんと話したが、Tさんとの会話は問題なし。Sさんとの会話はとぎれとぎれ。CPUの処理速度が関係しているということだが、どうなんだろう。大声出していると周りの人に迷惑ということ以外は実用的だ。
朝の6時半(NY時間で夜中の12時半)にスウェーデンのストックホルムに到着。霧が立ちこめていて、空気がひんやりしている。むせるようなニューヨークと比べると気持ちがいい。
7時半にホテルにチェックイン。まるで学生寮のような部屋だ。窓が小さいのは暖房対策かな。今、ストックホルムは医学関係の大きな学会が開かれているらしくて市内のホテルは満杯。仕方なく郊外のホテルになった。周りは住宅地で何もなさそうだ。
昼寝をして少し元気を回復したので、夜は市内まで行ってみよう。
ワシントンDCからニューヨークへ移動した。新聞もテレビもハリケーン被害の報道が続いている。無法状態になっているところも問題だが、特にガソリンの値上がり(便乗値上げも含む)が懸念されている。ブッシュ大統領の支持率も最低になってきている。新聞記事を読むと、イラク戦争よりもガソリンの値段を問題視して大統領の支持を下げる人がいるのは残念だ。
いつも思うのだが、この国はたくさんのエネルギーを浪費するシステムがはびこっている。ワシントンのホテルはチェックインしたら(サービスの一環だと思うのだが)部屋のエアコンが付けっぱなしで寒いぐらいに冷えていた。それが豊かさの象徴でもあるし、「そうやってお金を使うことで世界経済を牽引しているんだ」という人もいる。しかし、そうも言っていられない時代に変わりつつあるのではないか。
カリフォルニアで会った友人が結婚を機に日本のハイブリッド車を買い、とても喜んでいた。ハイウェイの優先ゾーンを使えるなど実利もあるが、そうしたことを考える人が増えてきているのはうれしい。
しかし、NYは暑い。おまけに泊まっているホテルが、たぶんここ数年で最悪ではないかと思えるほどひどい。パソコンを充電しようと思って部屋中を探すが、まともなコンセントがない。ようやく見つけたものを引っこ抜いたらエアコンが止まってしまった。
おまけに時差ぼけなのか、体調もおかしい。今晩の夕飯は、同行の二人の他に、日本人のゲストが二人いたのだが、最初に飲んだ一杯のシャンペンのせいで、食事中に居眠りしてしまった。子供が食事しながらこっくりこっくりするようなものだ。普段は時差ぼけはあまり気にならないのだが、こんなにひどいのは記憶にない。明日からアルコールはやめることにした。先が思いやられる。
ニューオーリンズあたりのハリケーン被害がすさまじい。アメリカ版の津波というのもうなずける。まさに緊急事態だ。ワシントンDCの街中では特に反応は見られないが、新聞によれば、救助に動き出しているグループもあるようだ。ガソリンのいっそうの値上がりが懸念されている。長期的には経済全体にも影響が出ることは必至だろう。
ところで、今回の調査ではいろいろなことを聞いているが、そのうちの一つが『イノベート・アメリカ(Innovate America)』、別名パルミサーノ・レポートのことだ(NEDOワシントン事務所の松山さんのレポート[pdf]参照)。パルミサーノとはIBMの会長の名前で、たくさんの専門家を集めたCouncil on Innovationというところが作成した(しかし、なぜか、昨年12月に出たファイナル版はウェブから削除されている)。1980年代に日本の挑戦に対応するためにヤング・レポートというのが出されたことがあるが、それと重ね合わせてみる向きが強い。
おもしろいのは、シリコン・バレーの人は一人も知らなかったこと。「知らないね。ワシントン的な発想のレポートだな」という人が多い。ワシントンDCの人はたいてい知っている。あまり政党色は出していないものの、若干、民主党色が出ているため、ブッシュ政権はほとんど反応していない。ヤング・レポートのように本格的に議論されるのはもう少し先なのかもしれない。