グランド・ストラテジーを考える: 2005年9月アーカイブ

ニューオーリンズあたりのハリケーン被害がすさまじい。アメリカ版の津波というのもうなずける。まさに緊急事態だ。ワシントンDCの街中では特に反応は見られないが、新聞によれば、救助に動き出しているグループもあるようだ。ガソリンのいっそうの値上がりが懸念されている。長期的には経済全体にも影響が出ることは必至だろう。

ところで、今回の調査ではいろいろなことを聞いているが、そのうちの一つが『イノベート・アメリカ(Innovate America)』、別名パルミサーノ・レポートのことだ(NEDOワシントン事務所の松山さんのレポート[pdf]参照)。パルミサーノとはIBMの会長の名前で、たくさんの専門家を集めたCouncil on Innovationというところが作成した(しかし、なぜか、昨年12月に出たファイナル版はウェブから削除されている)。1980年代に日本の挑戦に対応するためにヤング・レポートというのが出されたことがあるが、それと重ね合わせてみる向きが強い。

おもしろいのは、シリコン・バレーの人は一人も知らなかったこと。「知らないね。ワシントン的な発想のレポートだな」という人が多い。ワシントンDCの人はたいてい知っている。あまり政党色は出していないものの、若干、民主党色が出ているため、ブッシュ政権はほとんど反応していない。ヤング・レポートのように本格的に議論されるのはもう少し先なのかもしれない。

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