グランド・ストラテジーを考える: 2009年5月アーカイブ

先月26日には、同僚の清水さんにお誘いいただき、海上保安庁の観閲式へ行く。船が大好きな学部長と高汐さんも一緒。海保の観閲式は『海猿』人気以来、なかなか入手が困難だそうで、うれしい限り。乗船したのは割とおおきな「やしま」という巡視船。

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MITでお世話になったリチャード・J・サミュエルズ教授の『日本の軍事大戦略』の翻訳がもうすぐ出版されるが、彼は海保の役割に注目している。その影響もあって、海保についてもっとよく知りたいと思っていた。海保は国土交通省に所属しており、自衛力の一角を担うわけではなく、警察庁の下にはないが、海上における警察力を担っている。しかし、海難救助や環境保全、災害対応、海洋調査も担っているというから幅広い。

海上自衛隊の観艦式は相模湾沖までかなりの時間をかけて行くが、海保の観閲式は羽田沖なので移動時間が短いのが良い。晴海からレインボーブリッジをくぐって船が出て行くと、右舷に見える東京の街並みがマンハッタンのように見える。

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告知されていなかったようだが、特別観閲官として麻生首相が乗り込んできた。現役の首相をこんなに間近に見るのは、首相官邸で開かれた研究会に鞄持ちで付いていったとき、小渕首相を見て以来だ。テレビの中で見ている人は、実際に見てみると意外に小振りであることが多い。麻生首相もそんな印象だ。船内ではテレビで見る弁護士や軍事アナリストも見かけた。

眺めの良い場所に陣取ることができ、途中までは巡視船やヘリコプター、航空機を楽しんだが、途中から風が猛烈に吹き始め、艦上のアナウンスも聞こえなくなる。プログラムも変更があったようだ。風は吹いても陽が当たっているせいでそれほど寒くない。3年分の風に吹かれた気分で爽快だった。終了間際には海の向こうにうっすらと富士山も見えた。

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