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2016年12月 アーカイブ

2016年12月02日

「民主主義を規定する枠組みとしての選挙区」(11月30日)@韓国・仁川

06165.JPG06282.JPG (左:全体セッションのようす、右:光化門前の反政府集会)

 韓国・仁川で開かれた第1回東アジア日本研究者協議会で、共同パネル「日本型民主主義の歴史的展開」を開きました。東海大学の出雲先生に公務員制度の歴史的展開を、私が「民主主義を規定する枠組みとしての選挙区―空間的歴史的制度の形成と展開」と題して選挙区制度について話し、立命館大学の上久保先生、高麗大学の李先生に討論をしていただきました。

 この会、EACJS(East Asian Consortium of Japanese Studies)という名称にも現れているように、EAJS(ヨーロッパ日本研究学会)のアジア版を作ろうというもので、人文科学と社会科学、日本語報告と英語報告が行われるとてもすてきな会となりました。

 なにより、院生を対象とした次世代セッションは、30名の報告者を交流させる工夫が随所にあり、EAJSのPh.Dワークショップを彷彿とさせるネットワーク機能を見事に果たしていました。

 来年もぜひパネル参加したいですね。次世代パネルにて英語報告を完遂したわが研究室の三谷くんにも拍手を送りたいと思います。

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2016年12月11日

「日本の選挙区はどう作られたのか」『年報政治学』2016-2(12月10日)

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 ここ数年取り組んできた選挙区制度の研究がようやくかたちになりはじめました。第一弾として、「日本の選挙区はどう作られたのか―空間的政治制度の始点を考える」が日本政治学会『年報政治学』2016-2に掲載されました。

 とても思い入れのある研究が公表できたことに加え、同号には兄弟子の奥健太郎さん、初弟子の三谷宗一郎くんの論文も掲載。とりわけうれしいできごとになりました。

 ご高覧いただければ幸いです。

 http://www.bokutakusha.com/announcement/2016_announce.html#link12

年報政治学2016-Ⅱ政党研究のフロンティア 目次
はじめに 待鳥聡史
<特集論文>
日本の選挙区はどう作られたのか: 清水唯一朗
 空間的制度の始点を考える
選挙制度改革の政治学: 西川 賢
 カリフォルニア州のプライマリー改革の事例研究
サルトーリ再考 岡﨑晴輝
20世紀ヨーロッパにおける政党デモクラシーの現実モデル: 網谷龍介
 H.ケルゼンの民主政論を手がかりに
政党の選挙戦略と党内の資源配分: 藤村直史
 内閣総理大臣による選挙期間中の候補者訪問
自民党結党直後の政務調査会: 奥健太郎
 健康保険法改正問題の事例分析
左翼ポピュリズムという幻影 中島晶子
 ギリシアの急進左翼連合とスペインのポデモスから
政党支持は投票行動を規定するのか 善教将大
 サーベイ実験による長期的党派性の条件付け効果の検証
ボリビア小選挙区比例代表併用制における投票行動 舟木律子
 白票を含む分割投票の規定要因について
<公募論文>
「学力」をめぐる政治: 坂部真理
 アメリカ初等中等教育改革をめぐる「社会的学習」の交錯
医療保険政策をめぐるアイディアの継承と変容: 三谷宗一郎
 なぜ保険者入院事前審査制度は導入されなかったのか
「『総評―社会党ブロック』と『同盟―民社党ブロック』の対立」成立の萌芽: 堀内慎一郎
 独立青年同盟の結成と排撃
英国における所得税廃止論争(1816年)の再検討: 板倉孝信
 麦芽税廃止論争との関連性を中心に
日米関係における「価値観の共有」 1973-1976年: 長 史隆
 冷戦変容期における同盟の基盤
リアリズムにおける慎慮(プルーデンス)の意味内容に関する一考察: 宮下 豊
 H・J・モーゲンソー、R・アロン、永井陽之助、高坂正堯を対象として
影響を受ける者が決定せよ: 松尾隆佑
 ステークホルダー・デモクラシーの規範的正当化
2015年度学界展望 文献委員会
2016年度日本政治学会総会・研究大会日程 事務局
日本政治学会規約・その他 事務局
日本政治学会倫理綱領 事務局
論文投稿規程 事務局
査読委員会規程
『年報政治学』の著作権に関する規程 事務局
 

2016年12月15日

「選挙区は誰のものか―国民代表論と地域代表論」(12月14日)

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 公益産業研究調査会『公研』640号(2016年12月)に「選挙区は誰のものか―国民代表論と地域代表論」と題したエッセイを寄稿しました。

 選挙区制度の歴史的展開を研究するなかで考えたことを、1月解散の風説と重ねて論じています。お目にとまれば幸いです。

 (12月28日以降、本文へのリンクを張れる予定です)。 

http://www.koken-seminar.jp/new.htm
 

2016年12月19日

新時代的台日関係―社会科学領域的学術対話(台湾、12月17日)

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 12月17・18日に国立政治大学日本研究プログラムの主催で行われた「新時代的台日関係―社会科学領域的学術対話」に参加してきました。台湾からは黄自進先生、何思慎先生、于乃明先生のような重鎮から若手まで、日本からは政治大学に派遣された経験のある先生を中心に30名ほどが研究報告を行いました。

 それぞれのセッションは日台の研究者がペアを組むかたちで行われ、私は政治大学の林先生とともに選挙区についてそれぞれ報告しました。同じセッションで報告された阪大の上川先生、義守大の呉先生の報告、いずれも刺激的でした。

 それにしても、台湾は私にとって第二の故郷と感じるようになりました。歓迎してくださった皆さん、たくさんの議論をいただいた皆さんに心から感謝申し上げます。

http://www.mpjs.nccu.edu.tw/news/news.php?Sn=116
 
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「『日本の若者は政治に関心がない』は本当か?」WEDGE Infinity(12月19日)

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 「時代の先端を行く雑誌」WedgeのWeb版WEDGE Infinityに「『日本の若者は政治に関心がない』は本当か?」というちょっと刺激的な原稿を書かせていただきました。

 国際比較、経時的比較から、現在の若者が決して「政治に関心がない」わけではないこと、彼らは政治好きの大人が好む「大文字の政治」ではなく、直面する公共的な課題に向き合おうとしていることを論じました。

 このテーマは、以前から関心があったものの、身の回りの学生の活躍を書くことになるのでためらいがありました。ですが、昨秋から台湾で、スペインで、韓国で、多くの学生と議論するなかで、この日本の動きは伝えておく必要があると考えるようになりました。

 すでにいくつかのネットメディアでご意見をいただいていますが、この議論は少し時間をかけて続けていきたいと考えています。
 

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8479

 

2016年12月21日

「日本年輕人對政治不感興趣?」『自由時報』(台湾、12月19日)

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 まったく偶然なのですが、Wedge Infinityの記事公開と同日、台湾紙『自由時報』朝刊に拙稿「日本年輕人對政治不感興趣?」が掲載されました。台湾向けに若干書きぶりを変えていましたが、趣旨はほぼ同じものです。

 中文の記事は、2011年に香港の雑誌に書いて以来になります。滞在中に刊行されたため、実物も手に取って見ることができ、台湾の研究者、学生の皆さんとも議論することができました。ありがたい限りです。
 

http://talk.ltn.com.tw/article/paper/1063256

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