反転する快感
"Like A Prayer"にみる“うそのような”解釈
 
序論
1. 話題の表層−イデオロギーとしてのマドンナ
2. 「Like(〜のように)」に意図された戦略
3. シーンのシンボリック・アナリシス
4. 映像のシークエンス:構造とプロセス
5. 歌詞のオーバーラップ:6重奏
6. メディアの嘘、だからリアリティ
7. 最後の快感?
「ライク・ア・プレイヤー」というマドンナのミュージック・ビデオがある。それは、彼女がリリースした曲のなかで代表的な作品(1989 ちょっと古いが!)の一つで、彼女らしい刺激に満ちた映像と音楽がミックスされたビデオクリップである。本稿では、この作品にかんして、その映像や歌詞の背後にどのようなシンボリックな形式が存在するかを解釈し、そのことを通して、どのような意味でこの作品が多くのひとびとに共感され支持されたのか、を考えてみたい。