背景の背景

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現在のコンピュータは使いづらいと感じている。パソコンを利用する際のスパムメールの多さ、ウィルスなどセキュリティへの脆弱性、ウィルスから保護するためのセキュリティソフトの更新の多さ、Windowsのセキュリティ更新の多さなど、本来はなくてよいものが当然のごとく行われており、多くの人たちは疑問すらもたなくなりつつある。これら劣悪な情報環境によりどれだけコンピュータ資源、ネットワーク資源、人々の時間やストレスなどに悪影響を及ぼしていることか、世界中でtremendousな浪費に違いない。

これら情報環境を改善するために
人に優しいコンピュータをかねてから作りたいと考えていた。

パソコンの利用シーンを考えると、一般的な人にはメールとウェブが安全に使えること、メディアプレーヤが使えることで十分だ。これら利用中のトラブルの多くはネットワーク接続に起因する。
携帯電話の場合では、同様にネットワークに接続されているにもかかわらず、パソコンほど多くのトラブルは発生しない。この差は、アーキテクチャの違いが考えられる。パソコンでも携帯電話程度に安全に利用できるようになれば相当ストレスは減るのではないか。

現在のウィルス対策の大部分はパターンをチェックすることである。ウィルスの情報を元にチェックパターンを作成しワクチンとしている。この場合、ウィルスのパターンが増加したらチェックパターンも応じて増加し、結果としてウィルス検出にかかるCPU利用時間は増加する。それはどこまで許容されるのか、いずれCPUの利用時間を食いつぶす恐れも否定できない。現在のウィルスへの対応方法は根本的な解決方法とはいえない。

根本的な解決は、アーキテクチャを変えなければできない。
先の携帯電話の例では、プログラムとデータを分離した構造となっている。パソコンではプログラムとデータが同一空間上にあるため、データ内にプログラムコードを書き実行することが可能である。一方携帯電話ではデータをプログラムとして実行できるような構造にない。プログラムのローディング方法が限定されおり、データをプログラムとして起動できないようにしているからである。

自身の研究は、コンピュータアーキテクチャを見直し、誰もが安心して利用できる情報環境を創り出そうというものである。

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このページは、madpapaが2007年6月28日 01:00に書いたブログ記事です。

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