Aug
05
2006
Claude Hagège, L'homme de paroles, chapitre VII
この章は5つの節から構成されている。
第1節:普遍言語を作るという欲求は、言語の多様性が人々の分裂を解消するという信念から生じる。また既存の言語は社会的慣用を作り出し、人をその意味である社会集団に属させるものであるから、この社会集団からの解放にも基づいたものである。しかしこれは、ひとつの夢に終わる、言語の文法性は決して普遍言語が望むような簡便なるものとしては構想できない。
第2節:ならば、既存の言語に関する創造としてはどのようなことが言えるであろうか?言語の歴史をみてみると、それは「改革」と「保存」であるといえる。しかもしそれは、民族意識が、文化や言語に関わる時期に現れる。具体的には、つづり方の問題、文法書、辞書の発刊、または国家が積極的に関与する新語の創作の場合などが挙げられる。
第3節:ただしこうした言語の創造は、語彙のレベル以外にはほとんどの不可能と言える。ただし、それでも、人間は自然に囲まれ、自然を加工していくように、言語に対しても同じ行為を働こうとする。こうした言語道具観の内部にあるのは、言語の機能の根本がコミュニケーションという認識である。この認識から生まれるのが、「言語計画」である。
第4節:こうした公的な形による言語の統制化に対する反論は、たとえばノディエの引用が示すように、その土地のことばの消滅に対する警鐘という形をとる。規範化は「改革」と「近代化」という意味合いを持ち、支配文化・社会と結びつき、マイナーな言語を追いやっていく。
第5節:以上、言語の改革、規範化はまさに政治と結びついている。