研究会2(言語と思想、言語と芸術)
要項
- 開講日程:2009年度 春学期 / 金曜日5時限
- 担当教員:國枝孝弘
- 前提科目・関連科目:なし
- 履修条件:特になし。ただし学生の興味が多分野にひろがっているため、知的好奇心を旺盛な人が望ましい
- 授業形態:ディスカッション
- 予定受け入れ人数:15(08年春学期研究会履修者を優先する。その上で受け入れ人数に余裕があれば、新規履修者もメールで研究内容を相談し、それにもとづいて選抜して履修を許可する。)
- 予定受け入れ人数を超えた場合の選考方法:メールでアポイントをとったあと、簡単な面接を実施する(選考日程:メールでアポイントをとって調整する)
- 連絡先:kunieda@sfc.keio.ac.jp
- 研究会ホームページ:http://web.sfc.keio.ac.jp/~kunieda/(当サイト)
評価・スケジュール
- 評価方法:
1. エクスポゼ:自分のテーマについて5分間の発表を行う。なぜそのテーマにしたのか?そのテーマの魅力は何か?どんなことを自分なりに探ってみたいか?
2. 中間発表:自分の研究の進捗状況を含め15分から30分程度の発表を行う。研究テーマの定義、そのテーマの背景、自分なりの視点と、その研究を行う意義と展望
3. 最終発表:研究タイトル。最終レポートの構成:何章構成か、それぞれの章に何を書くのか、プランを述べる。最終的な到達目標:今回はどこまでを調べ、あるいは考えるか、議論の範囲を画定する。結論の予測:最終的には何が明らかになる可能性があるのか、仮説を述べる。
4. 最終レポート:最終発表をレポートという形でまとめる。
5. 輪読テキストのレジュメ担当 - 授業スケジュール:
4/10 オリエンテーション
4/17 エクスポゼ
4/24 岡田隆彦「虚偽を捨て去れ」『芸術の生活化』(小澤書店 1993)
5/1 エクスポゼ
5/8 岡田隆彦「芸術のもたらす豊かさ」『芸術の生活化』(小澤書店 1993)
5/15 ガストン・バシュラール『夢想の詩学』「第三章 幼少時代へと向かう夢想」
5/22 休講
5/29 中間発表1
6/5 中間発表2
6/12 中間発表3
6/19 ジャン=ポール・サルトル「書くとはどういうことか」(『文学とは何か』)
6/26 最終発表
7/3 最終発表
授業終了後にレポート合評会を行います。 - 来期の研究プロジェクトのテーマ予定:今学期のテーマの継続
概要
この研究会は、人文科学の分野において、特に言語・思想・芸術といった対象を複合的に扱い、分析および、論評していくことを目的とします。上記の対象分野に興味を持ち、単なる趣味ではなく、事象の文化的背景をとらえ、人間の芸術創造を広く探究していこうと考えている人のための研究会です。
具体的には次のようなアプローチの研究を行う事ができます。
・表象論:文学作品や、絵画にこめられている文化的文脈や、作品を創造するにあたっての表現・技法の問題を扱う
・物語論:人間の持つ世界の意味付けという能力を通して、象徴の問題や、名づけの問題を扱う
・言語思想論:記号論や、認識論などの枠組みを通して、哲学や文学との連関において、言語を扱う
・芸術論:人間の想像力、精神のあり方を芸術作品を通して探る
08年秋学期の学生の研究テーマは以下の通り
「文字再考-一画開点」
「追風用意-香文化の歴史から探る日本人にとっての香り」
「イギリス風景式庭園にみる公共性」「オペラ『夕鶴』にみる團伊の創作技法」
「自我X自画 フリーダ・カーロの自画像作品を通しての画家の内面の探究」
「型と日本文化」
「教育思想におけるプロダクトと遊びの位置づけ」
「デザインと芸術〜アルフォンス・ミュッシャを通して〜」
「ルソーの『社会契約論』について」
「飛行の詩学ーパナマレンコがめざした空中」
「シュタイナー教育ー思想と実践」
研究会は次の二つの活動からなります。
1. 個人研究
2. 共通テーマに基づく輪読
1. は各自の興味のあるテーマを選んでもらい、別記の評価方法にのっとって研究を進めます。2. は共通のテキストを輪読することによって、人文科学の分野における素養を身につけることを目的とします。
過去の研究会の活動
› 2008年度
» 輪読テキスト
- 大江健三郎『新しい文学のために』
- 岡田隆彦『危機の結晶』
- 篠田浩一郎『形象と文明』
- ジャック・デリダ『生きることを学ぶ、終に』
- 柳田國男「ウソと子供」、「小さき者の声」
- 青山昌文『美と芸術の理論―世界再生のミーメーシス美学―』
- 高階秀爾『ピカソ 剽窃の定理』
- ロラン・バルト「作家と著述家」(ロラン・バルト著作集5)
過去の研究成果
› 卒業制作
» 2008年度
» 2007年度
- 生塩曜『C. ドビュッシー 《牧神の午後への前奏曲》における伝統と革新 ―主題の不定性を通して見る形式と調性の概念―』(岩竹徹研究会)
- 伊藤 敬佑『児童文学とは何か―「子ども性」による児童文学の意義提示』(古石篤子研究会)
- 関あゆみ『サルヴァドール・ダリの中期作品におけるメッセージ性について』(パトリス・ルロワ研究会)
- 一之瀬秀美『写真論:写真を読む、写真を旅する』(三宅理一研究会) PDF
※秋学期サバティカルのため春まで指導。実際の制作は( )内の教員の指導のもとで行なわれた。
» 2006年度
- 花房太一『国際展とその主催者をめぐる問題 - La force de l'art展覧会を事例に』
- 倉橋結花『20世紀におけるファッションモードの変遷と女性の変化』
› 修士論文
» 2006年度
- 内村尚志『オクタビオ・パスの思想を貫く個と普遍性の問題 - 近代における革命と詩作の意味をめぐって』
- 押川淳『鮎川信夫研究 作品における「語り手」と構造から』
» 2003年度
- 長谷川善威『アルベルト・ジャコメッティ後期彫像群におけるプリミティヴィズム』