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September 29, 2005

Goteborgs

ちょっとスウェーデンまで行ってきた。ほんとうに「ちょっと」。

ヨテボリというスウェーデン第二の規模のまち(本当に?)。片道3時間、2000円。なので多分、東京ー熱海くらいの感覚だと思う。国境沿いも数人の担当者が笑顔でバスを見つめるだけで、バスも若干スピードを緩めるくらい。EUに入っていないノルウェーもシェンゲン(カタカナあってるかな)条約には加入しているので、ヨーロッパ内の行き来は自由。

こうあっさり国境を通り抜けてしまうと「国」というものがよくわからなくなる。EUみたいなsuper-nationalな機関も、国民国家の成立とセットで語られる「国家」という概念も、ヨーロッパに生きている人と、日本で生きているぼくでは、肌感覚がぜんぜん違うのかも知れないと思った。

雨という予報だったのだけど、北欧のあてにならない天気予報のおかげで(雨といったら晴れ、晴れといったらシャワーが基本)ヨテボリは晴れていた。

印象は、オスロを弱らせたまち。同じチェーン店が多いし、言葉も似ているし、雰囲気も近い。なので、あまり観光客気分にはなれなかった。ノルウェーより若干物価が安いのでいつも買っているチョコをまとめ買い。ますます国の意味がわからなくなる。

トラムの古さにびっくり。オスロの公共交通もきれいとはいえないのだけど、ヨテボリのトラムは自分でドアを開ける方式だった。しかも、ステップが3段もある。あきらかにバリアフリーとは遠い設計。

海洋博物館がすごかった。ふつう海洋博物館といえば水族館や海草の展示なんかを想像するでしょ?ぜんぶ、実物の船の展示。しかも大型の駆逐船や潜水艦がそのまま海に浮かべてあってその中(甲板だけではなく、船室ってこと)に入れるという趣向。

めちゃくちゃ怖かった。富士急のお化け屋敷よりも絶対に怖い。たとえば潜水艦。狭い内部を見て回ることが出来るのだけど、一人がやっと通れる広さの通路。そしてマネキンと音声による実際の状況の再現。まがりなりにも水面よりも下という状況。しかも順路が整備されているので引き返すのも難しい。

丘の上の教会。そこから眺める港。川にうつる大聖堂の陰影。ことばや写真にするときれいなのに、あまりわくわくしなかったのはきっと、海洋博物館のせいに違いない。


Til Stockholm
空が破れ落ちるころ
列車は音もなく海を離れた

そして
歓迎の旗だけが残される

ながれる世界の側で
聞いたこともない言葉を
覚えてもいない笑顔に


Til Lindvallen
ひとがこぼす悲しみを
すくうとそれは
ただきらめきだして

いつか
連合を別った意味を置いて

いとしい世界の外で
忘れてきたひとを探せず
引き違えた線を戻せず

すぎさる世界のふちで
抱えきれない孤独を
自由と書き直してみる


Til Helsingborg
風は明日に届かないと
車掌が声もなく笑う夜更け

投稿者 POE : 04:34 EM | コメント (1) | トラックバック

September 27, 2005

New season will be coming around

もうすっかりノルウェーは秋。校舎には落ち葉が舞い、夜明けの温度も、日暮れの時間も、夏と少しずつ遠ざかってきた。今の最高気温は16度、最低気温は4度くらい。日本よりも一ヶ月はやいくらいの速度かな。

実は、自分が秋や冬が好きなのを思い出してきた。袖からはいる風が寒いとついほくそえんでしまう。またあの終わりの季節が来ると思うと、わくわくしてくる。

空が低く暗い時間が増えてくる。真夏は、自分がそこにいるのが場違いな気がして、でもそれは異世界の体験とも似ていて楽しいのだけれども、秋や冬のほうが自分にしっくりとくる。世界が自然に染み込んで、浸透圧が下がってゆく感覚。

しかも、あの北欧神話を生んだ場所での冬。北欧の神話の何がすごいって、冬には神様もみんな死んでしまうんだよ!(凍死じゃないけど)でも、いくつかの入門書によれば、神さえも死んでしまうラグナロクという概念には、この場所での厳しい冬がかかわっているというのは定説のよう。そんな冬に恋する9月下旬。

......この余裕に満ちた日記を見て、ノルウェーの真冬を過ごすであろう数ヵ月後の自分が怒り出さないか心配です。

投稿者 POE : 05:54 EM | コメント (0) | トラックバック

September 26, 2005

雑記っき

■キッチン
キッチンは6人でシェア。建物自体も新しいわけではないし、こんなものかと思っていたら他のフラットへ行って驚いた。どこもキッチンがうちよりもきれい。建築年数などの条件はさして違うわけでもないのに。

もちろん、ゴミが落ちていないだとか、基本的な点はうちのキッチンもクリアしているのだけど、細々とした点の手入れの違いが印象に大きな影響を及ぼす。たとえば、オーブンにこびりついた汚れ。天井の汚れ。冷蔵庫の上に置きっぱなしの食品。というわけで、明日から少しずつキッチンをきれいにしてみようかと張り切ってみる。

■日本人
交換留学生としてオスロに来ている日本人は確か9人だかいる。こっちではその日本人とあまりつるまないようにしている。というか、良い関係が彼女たちとない。逆に好ましいのだけどね。日本人と英語で話すのは苦手。そして、センス、知識、努力の全てが欠けている人も苦手。ホモフォビアかも知れないけれど。

■インターネット
巨視的に見たときに、インターネットは特に新しくない。たとえば多数対1というコミュニケーションはテレクラ、友達募集雑誌のころからあるし、距離を越える手段なら電話もFAXも一世紀以上前から存在している。ここ10年のインターネットが何をもたらしたかといえば、迅速化・大衆化くらいの意味くらいだと思う。

だけど主観で語るならば、インターネットはなんだか命綱のような存在になっている。人類史でいう宗教や友達みたいなもの?ほとんどインターネットだけで日本の友達や家族と繋がっている。

水が切れたら人は死ぬ。でも命綱が切れても人は別に死ぬわけじゃない。だけど、水よりも命綱のほうがヒトじゃなく人として生きてゆくためには大切。だからもしも僕が命綱を抱えて干からびていたら笑ってあげてください。そして幸せだったのだろうと思って悲しまないでください。

声が千切れそうな朝焼けの外
微笑みさえうまく思い出せない

少しずつ遠ざかる足音
Det er vanskelig å tale med du
ただのひとことさえもうまくは伝わらない


かき消された光の中
踊り続ける君と
今になり急に目があってしまう

欲しくないものや欲しいものを
いろいろと間違えたまま
信じたくない日々を気がつけば
費やしてしまっている

今はもう聞こえない憎しみ
連れ去った先に残された
Jeg håper at vi går på der,
まだ焦点さえ結ばない場所まで

指がほどけそうなほどの多くの約束を
叶えられる場所まで


声が千切れそうな朝焼けの外
傷口さえうまく開かない

投稿者 POE : 03:56 EM | コメント (107) | トラックバック

今日も日記

今日も日記のようなことを。決して、チョコとかチョコとか内省的なことを書いていたら、友達いないの?と心配されたからではないです。

ノルウェーフォークミュージアムに行ってきた。メインは数百年前から順を追ってノルウェーの建築が再現されているパート。百近い建造物が潤沢な土地条件を利用して、そのまま復元(移築?)されている。ただ、どれも外国人には同じに見えて仕方なかった。

ただ、同じ木造建築のためか、日本の初期の木造建築に似ている気がした。高床式倉庫(だと思った)、校倉造(にめ見えた)。これらの建築様式は世界で共通して見られるものなのでしょうか。建築専攻ではないので、疑問は疑問のままにしておきます。

ほかにもミュージアムには衣装だけを歴史順に展示した館、歴史を説明した館もあったのですが、なんだか学芸員の苦労が伝わってきました。というのも、ノルウェーの歴史って一国主義的にはなりえないから。

バイキング時代は諸侯が各地に点在して領地を支配していたし、またバイキングの活動という意味ではスカンジナビア間の差異は非常にあいまい。その後、初期のSTATEが成立したあともデンマークやスウェーデンとの連合・支配的連合という期間を多くもっている。そのため、これがノルウェー!というものは、スウェーデンから連合を解消したこの100年はともかく、それ以前の、特にフォークミュージアムが扱うような時代ではあまりないようなのです。

+++

夜はノルウェーの人と結婚した韓国の人の家へ。結婚式のDVDがすごかった。日本の結婚式事情には疎いけど(むしろそんな分野に詳しい大学生なんてやだ)、日本でも結婚式の模様をプロが編集してくれるサービスとかあるんでしょうか。すごかったよ。なんかいろいろと凝ってるの。

せっかく書いた日記なのに、実際に体験したことや感じたことよりも、どうでもいい知識の披露が多くてうざいですね。いったい、何を感じて毎日生きているんだろう。

投稿者 POE : 01:13 EM | コメント (227) | トラックバック

September 24, 2005

ASIAN FOOD PARTY

たまにはふつうの日記。

韓国の子と、ドイツの子と、スイスの子でAsian food party。

といっても、こっちはSUSHIなど提供できないので日本のものかどうかも怪しいカレーライス。韓国の子は卵の何かと、肉の何かを作ってくれた。(固有名詞くらいは覚えたいな)

一人がめちゃくちゃ頑張ってチキンスープを作っていたのだけど、スープのもとを大量に投入しすぎてすごい味と色に。インターナショナルなまずさだった。なべを4つ活用し、水でうすめるも甲斐なく、失敗。

韓国、ドイツ、スイス。日本以外は全て徴兵制のある国。でも若者なので、そんな話は軽くスキップ。KINGの話になって、韓国のKINGはという流れになったときも軽くスキップ。戦争問題もスキップ。

でも3人いたKOREAN BOYSのうち、1人は兵役拒否で色々もめているらしい(でもみんな笑いながら話していたので大丈夫なのかな。35歳までに行けばいいらしいし)。1人は「ボランティアですませられるといいなあ」。韓国でも、一応制度として良心的兵役拒否はあるのだけど、ドイツと違い面接や試験を求められる場合もあり、なかなか認められないらしい。もう1人はすでに2年の兵役を終えているという。あくまでも印象だけど、英語で話すときはSOFTなのに、韓国語で話すときは急に男らしくなる気がした。

現在、徴兵制を行う国はどんどん減ってきている。一番の理由は軍事部門の細分化と専門化。1年程度の訓練で大量の兵士を確保するよりも、少数精鋭のほうが効率がよいという理論。

逆にそれでも徴兵制を続ける国にはそれなりの意図があるということになる。たとえばドイツやノルウェー(にもあるんですよ!)などは、軍事部門の風通しをよくしておこうという意図がある。特に、さきの大戦の反省をうけてドイツではその意味が強い。そのためこのような国では良心的兵役拒否が基本的に認められる。

(韓国の理由はまだよくわかんないんだ。)

日本の場合、徴兵制の復活はまさかないと思う。けれども、たとえば有事法では一般人の有事の場合における協力を強制しているし、罰則規定まで存在している。憲法草案にはまだ国防の義務という言葉は残っている。

また、低就職率時代に、自衛隊が職業訓練のようなことをはじめることは十分にありうるし、アメリカのように志願兵へ色々と特典をあたえるような制度もありうる。(この場合は外国人やいまフリーターの層の若者が流れることになるのかな。)

兵役制度をもたないことと、軍隊をもたないことは意味が違う。たとえば、軍隊がないということは、住民がみんな軍隊と同じにみなされても仕方ないことだ、という論理まである。もちろんその逆には無防備都市を攻撃してはいけないという考え方も百年も前から存在している。

国民国家と軍隊が不可分の関係にあることはよくわかってる。たとえ今がテロの時代で、国家があやふやな季節だとしても。

だけどそれでも、だよね。嫌だもん、戦いたくないもん。痛いのいやだし。ていうか働きたくさえないのに、強制奉仕なんてしたいわけがない。(自分勝手だけど、出発点はここ。そのあとじゃないと、正義論がいうような範囲まで考えを巡らせられない)

韓国で兵役拒否する人を罵倒する日本人とか、腹立たしい。国防の義務とかほざく老人政治家も大嫌い。本当に彼らは問題を自分のこととして考えているのかな。

おっと、日本語で、しかも文章だと、つい若者らしくないことを語りだしちゃうよ。


投稿者 POE : 10:37 EM | コメント (0) | トラックバック

September 23, 2005

チョコレーテンゲル係数

支出に占めるチョコレートの割合は?この地味な設問を解明するために、この一週間家計簿というものをつけていた。そして一週間*0が経過したので、その結果をここに発表する。

総支出 1196NOK
食品  424NOK
(うちチョコレート 243NOK)

というわけでチョコレーテンゲル係数は20.3。日本のエンゲル係数を少し低くしたくらいなので、思ったよりもチョコレートまみれの一週間ではなくて安心した*1。一般にエンゲル係数が低いほうが生活水準が高いといわれているが*2、エンゲル係数自体は35だった。

*0 一ヶ月よりもショックの少ない一週間で集計することにした。

*1チョコレート以外の食品よりも、チョコレートの支出が多いことはここでは無視する。また日本円に直すことも、さらには一ヶ月単位で考えることも、色々と問題が多そうなのでここでは省略する。

*2たとえばアメリカのエンゲル係数は10程度。ただし、(ノルウェーのような)先進国でありながら消費税や輸入食材に頼るため食品の値段が安くはない国もあり、一概にその比較は出来ない。

投稿者 POE : 11:42 EM | コメント (0) | トラックバック

September 22, 2005

今読んでいる本

■among the dead(小説)
誤って人を轢いてしまった学生たち。しかし目撃者もないようで、彼らもこの秘密を守り通すことを約束しあう。しかい数年後。。。。。
なんか、行間からさえB級っぽさが漂ってきます。

■VINTAGE/ HARUKI MURAKAMI(小説)
いくつかの村上春樹の小説の第一章だけをあつめた短編集。企画意図が謎なのだけど、一章だけでも意外と納得して、それなりに満足してしまいます。

■"Love and Power in Marriage"
ノルウェーといえばジェンダーでしょ!みたいなミーハーな感じ。

■戦後日本の女性政策
図書館で借りた本。意外と日本語の本が揃っていて、ついついそこにばかり足を運んでしまう。色々な論文や背景が整理されていて嬉しい。これで日本の事例を知ったかぶりできます。

■近代家族の成立と終焉/上野千鶴子
この本が短編集(論文だとなんていうの?寄せ集め?)だとはじめて知りました。それにしてもノルウェーまで来て上野千鶴子って.....

■沈黙博物館/小川洋子(小説)
村上春樹のハードボイルドワンダーランドの、ワンダーワンドのほうに雰囲気が似ている気がしました。長い冬に読むといい気がしたのだけど、ついつい冬前に読み終えてしまった。

投稿者 POE : 05:09 EM | コメント (1) | トラックバック

September 21, 2005

Addiction

何かにAddictなんて他人の話だと思っていたから少し驚いている。このままじゃまずい気がする。取り返しのつかないことは、意外と世界の中に多く転がっている。ほんの数センチの違いからときに見慣れた世界は姿を変えてしまう。

で、何に首ったけかというとこれ。


普通のミルクチョコレートなのだけど、もうこれが手放せなくなりつつある。有名なメーカーのものらしいので街中のどこでも手に入るのがやばい。どんなに小さいお店にも置いてあるから手持ちがないとつい買ってしまう。

さらによくセールをするのもaddictionに拍車をかけている。ふだんは100g15NOK,
200g20NOK(コンビニだと30NOK)なのだけど、安いときは200gのものが15NOKで買える。それでここは書いためて長い間もたせようとまとめ買いをするのだけど、ついつい部屋にあると食べてしまう。

これではまずいと、試みに部屋の外のロッカーの取りにくい位置に隠したのだけど、これも効果なし。ただドアを開ける頻度が増えて、数歩分のカロリーを消費しているだけで、解決にはならない。

つまり

チョコがない→どこでも買える→でもコンビニじゃ高い→セールのときにまとめ買い→あると食べてしまう→やはり買いだめはやめるべきか→でもどこでも買える

というサイクルが無限軌道のように続いていく。

実は今も、さっき残っていたひとつを食べ終えてしまい、どうしようかと考えているところ。もう、このチョコがないと淋しい。何をするにもいつもすぐ側にいて欲しい。ちなみに今週も、JOKERというバスで行かないといけないスーパーではセールをしている。

現在の時刻午後6時半。まだ閉まるには時間がある。

投稿者 POE : 06:27 EM | コメント (2) | トラックバック

September 20, 2005

隣の男

三週間くらい空いていた隣の部屋にとうとう人間がやってきた。

実は、隣の人とバスルームがシェアなので、できれば誰も来てほしくないと思いながら、ささやかな試みをしていた。入居者は部屋を決める前に鍵をわたされていくつかの部屋の下見をするのだけど、そのとき「この部屋には住みたくない。だって隣人がこれだし」と思われれば、いつまでも部屋は空室のままということになる。

しかしあえて汚くしておくのは自分も嫌だし、汚いもの好き(ドラゴンボールでそういうキャラクターいたよね)が来ても困る。お札を貼ったり奇怪にしておくのも、それを受け入れた人が入ってきたときが少し怖い(ノルウェーって統計見ると意外とニューエイジが多いし)。

というわけで、ささやかに、本当にささやかなかわいい抵抗が、隣の部屋ノブに折りたたみ傘をかけておくこと。自分が下見に来た部屋に傘があったら、一瞬誰かがいるのかと疑いたくなり、もしくはもう少し想像して、実は隣の部屋の住人はジャイアンのような人(おまえのものは俺のもの。俺のものは俺のもの)なのかと勘違いして、その部屋をやめてくれるのではないか、という算段。

で、結局訪れたのが、メキシコ人男性。今も部屋でなぜか扉を開けながら歌っているくらい陽気なのだけど、底抜けでもなく、逆に色々と整理好きな一面も。おまじないはうまくいかなかったけど、別にバチもあたらなかったよう。ちなみに3週間で行ってしまうらしい。

3週間って、気楽でいい。行きずりのものって重くてなくて、傷つけなくて、傷つかなくて好き。信じなくても疑わなくてもいい。

投稿者 POE : 04:54 EM | コメント (0) | トラックバック

September 18, 2005

妄想時間割

月曜
状況と意味論

火曜 
エコロジカルデザイン、比較近代化論、サブカルチャー論(聴講)、比較体制論

水曜
異文化組織論、生活者の社会参加

木曜
情報環境論、アカデミックコミュニケーション手法、Understainding"America"

金曜
英語プロジェクト

って、別にまだ帰りませんよ。ただ暗い子なので、SFCのサイトで時間割をきちんとチェックして、妄想の時間割を組み立ててみただけです。ドイツ語のインテンも取りたい!韓国語も少しくらい話せるようになりたい!と、妄想はただ膨らむばかりです。

他にも色々チェックしています。来年のこのノルウェーの大学のTOEFLの要求スコアが下がったこともきちんと確認済みです。そこまでしないと、人数集まらないのかよ、と憤ってみたりしています。まるで偏差値判定がZの大学みたいじゃないか、と。

こんな国まで来て何やってるんだか。はやく本読まなきゃ。

投稿者 POE : 01:37 EM | コメント (0) | トラックバック

September 17, 2005

Mir ist kult!

って風邪じゃなくても使えるんだっけ。でも風邪でもひきそうなくらいだからいいのかな。

今日は、すごく寒かった。太陽光線が強くて、空も青いからついうっかり薄着で出かけてしまったら、風が強くなりだして、外では震えていた。おかげでいくつかのくにの言葉で「寒い」をいえるようになった。

KOREAN PARTYへ。大使館のサポートで開かれているとはいえ、とてもアットホームな感じ。今日は韓国のTHANKSGIVEN DAY*らしい。米をゴマのようなもので包んだお菓子を作り、韓国で長らく親しまれているというゲームをし(おんぶと、片足ケンケンと、押しのけがポイントの誰でも楽しめるゲームです)、韓国料理(たぶん、日本でも韓国に詳しいひとなら名前が言えるような料理。ユンケなんとか?、とキムチと、あの色々混ざっているオムレツみたいなやつと、四角いやつ。って、ひどい説明だな)を食べさせてもらう。

韓国の人は、高校で第二外国語として日本語の選択があるようで、意外と多くの人が日常会話程度の日本語を話せる。

なんか、こう普通に話したり、あまりにも多くをシェアしているお互いの文化とかを考えると、もう国と国との対立の話とかはあまり重要な問題ではない気がしてくる。もちろん、それは過去の正当化も清算も意味しないし、そんなことは感情レベルでも論理レベルでも何の帰結ももたらさない。

だけれども、ひととひとは、ひととひとで関係を結ぶことができる。国家とは何かがもう自明ではなくなりつつある時代に、もしくはたとえ国家なしでは存在しえない個人だとしても、少なくとも「今ここ」での「わたし」と「あなた」は信じてもいいかな。

おお、寒っ。さすが最低気温が0度。もう冬も近いのかな。

=====
*というか、日本で言うお盆に近いのかな。実家に帰り、お墓まいりをして、伝統的なものを食べる。豊作を祈り、先祖に感謝する日みたい。旧暦でちょうど8月15日だから光復節だとどうしようかと思ったのだけど、違ってよかった。やっぱりさすがにそれはのこのこ行ったら気まずいじゃん。

投稿者 POE : 08:23 EM | コメント (0) | トラックバック

September 16, 2005

IKEA

IKEAといいNOKIAといい、北欧の言葉は時々日本語のよう。そういえば、発音が日本語みたいでまわりのヨーロッパ人がNOKIAを日本の会社だと思っていると、フィンランドの人が愚痴愚痴言っていた。

IKEAとは、スウェーデン発祥の家具や食器の量販店。郊外に大規模店舗を構えて、北欧でも価格破壊をしているというすごいお店。日本でいうと無印を大きくして、フランフランを混ぜて、ジャスコを抜いた感じかな。

まわりの学生はこのIKEAで家具やライトから食器までを揃えていることが多い。ノルウェーにしては珍しく駅前から無料バスを走らせたり(だけどどこにもバスの発車場所の目印がないあたりがノルウェー。はじめての人は絶対わからない)、TAX25%とは思えない価格具合に、平日の昼間でも混雑するくらいの人気っぷり。

間接照明セットが1700円とか、椅子が700円とか、色々と不思議な値段で売っている。(もちろん高いのもあるよ。でも一見デザイナーズチェアみたいのが、2万とかで買える)

IKEAなんてノルウェーと関係を持つ前は聞いたこともなかったのだけど、世界で数百の店舗を構える有名な大企業らしい。このIKEAが来年の春から日本でも相次いで出店を開始するよう。一号店はザウスの跡地に、二号店は横浜。

どんな感じのお店になるのかな。どっちにしても、なんだか悔しい。日本に比べてノルウェーがアドバンテージを発揮できるわかりやすい例の一つがIKEAだったのに。まあ、どうせMADE IN CHINAで大量一括生産をするマクドナルドのような、多国籍(脱国籍?)企業だから関係ないのかも知れないけど。

投稿者 POE : 11:46 EM | コメント (0) | トラックバック

September 15, 2005

ゆるやかに。

ノルウェーの国民番号が発行され、銀行口座を作ったのが2週間前。
大学の一時口座にdepositしてあったお金を自分の口座に移すようにメールで頼んだのも2週間前。

メールでの通知でも可としていたが、やっぱり書類を本人が出しにきてほしいという返事を受け取ったのが1週間前。(ここがまず遅い。)

その担当者に会えたのが今週の火曜日。ノルウェーじゃみんなすぐ休みがち。
そして今日再び担当者に尋ねると昨日(水曜日)送金したので、明日か明後日には口座に振り込まれるとのこと。(え、昨日で明日?)

国内で、しかも同じ銀行で、口座から口座にお金を移すだけで普通3日もかかるものなんですか。3日あったら、日本からノルウェーの海外送金さえできますよ。

(でも、経済のことがよくわからないせいかも知れないけど、どうしてお金って一瞬で移せないんだろう。たとえば日本から海外へといっても、現金を空輸するわけでもないのに(そうだったら、それで面白いから許すけど)、この時差は何なのだろう。)

というわけで、物事はこの国でゆるやかに流れているようです。でもそれはインドやポリネシアのように時間の感覚が違うかといえば、そういうわけではない。

エスカレーターでは日本のように、片側がとまる人用で、もう片側が歩く人用になっている。横断歩道では、赤でもどんどんわたる。バスや電車は時間通りに運行している。急ぐ場所が違うだけなのかな。それともシステムとして成立しちゃったものはどんどん進んでいくけれど、システムを構築しないでよい場所はゆるやかなままなのかな。なぞ。

小径を抜けた先
あてどなく広がる岬

流れ着いたその先に
遺されたものはわずかな時間と
砂粒のような寂しさだけ

どれだけすくってみても
それはあなたには届かない

今もまだ幸せだと
思っているんだろう?

やがて青に侵され
遥か海流に流される日まで

ささやかな痛みは続くのか
光だけを紡いだ回廊に
届かない想いを乗せるように


風早の渡り
緩やかな訪れは少しずつ傷をえぐり取る

水面が映し出した夜の予感
それはきっと淋しさも闇に紛れる時間

投稿者 POE : 11:19 FM | コメント (0) | トラックバック

September 14, 2005

マナーだとか。

香港に新しく出来たディズニーランドで、客のマナーの悪さが問題になっているらしい(と、批判しているのは大陸紙くらいで、他のメディアでそうした報道は見つけられなかった)。

いわゆるマナーの悪さで言ったら、ノルウェーも負けていない。たとえば電車の中では、ゴミを普通に捨てていくし、向かい合わせになっている椅子二つを使っておかしな座り方をして人もいるし、犬を紐をつけないで乗せてくる人もいる。

同じことがたとえば中国で行われていたら、冒頭の記事のように「野蛮な行為」だといって批判する人もあるのだろうけれど、逆にノルウェーだとこのマナーの悪さが、個人主義の徹底だとか、リベラルな風潮だとか言ってポジティヴに評価できうるから面白い。

偏差値の高い学校には校則がなくて、逆に中程度の学校の校則が厳しいのと似ているのかな。近代化を達成した国はリベラルでフリーセックスで、だけど近代化を目指す国というのは富国強兵、性規制を敷いて統制をはかるという図式(「学校が自由になる日」藤井誠二ほか、2002)。

ただ、ノルウェーの「マナーの悪さ」というのは、日本のように他者の認識が欠落したゆえのマナーの不成立ではなくて、匿名性の関係を結んだ上での個人主義の徹底ゆえだと思う。ベビーカーを持った人が乗り込むときには、自然と手伝うし、席も移動するし(譲りはしない。脇によけて自分も座る)。

投稿者 POE : 10:40 FM | コメント (0) | トラックバック

September 12, 2005

選挙とか


自民党は圧勝というニュースを見て以外だという感じだったのだけど、これも日本にいないせいなのかな。よくyahooで流れてた民主党のCM結構好きだったのけど(何度でもスタートできる社会を、みたいなやつ。都市型リベラルってやつですか)。

まあ、郵政民営化の是非というわかりやすいお題目があって、自民党はそれしかアピールしないで、民主党は真面目にやりすぎたってことなんですか。日本にいないからよくわかんないけど。ポピュラリズムへの迎合ってやつだよね。国民皆投票制度かつ、リテラシー教育もしていない国だから仕方ないけどさ。

日本で住んでいた場所の選挙区の、自民党と民主党の候補の政策を見てみたのだけど、郵政民営化に賛成か反対か以外の項目は、それが自民党の政治家のものなのか、民主党の政治化のものなのかわからなかった。

民主党の議員のほうは、青少年の健全育成・治安を守るために罰則の強化、規制緩和による自由競争の促進を訴えるというかなり右っぽい政策。

一方で自民党の議員のほうは、小さな政府志向という点では同じなのだけど、小児医療や犯罪被害者の補償など弱者保護に重点をおいた説明。

うーん、自民党も民主党もよくわかんないです。日本が二大保守政党制とか、ばかなことにならなければいいけど。どっちにしても、郵政民営化を皮切りに、どんどんネオリベ(ていうかネオコン?ネオつけると危険でかわいくなるよね)路線が進んでいくのかな。

だとしたら、負け組みにはなれなくなるよね。勝てるかな。

ちなみに、ノルウェーも今日総選挙だったみたいです。どこで誰が投票しているのかは、よくわからなかったけど。日本の選挙の争点が郵政民営化だけだって言ったら、不思議な顔されました。さらに、女性議員が10パーセントっていったら、少し苦笑いされました。大人ですね。

ていうか、終わってしまった選挙のことを、こんなぶつぶつ言ってもね。こういうこと日本語で話せる人がいないんだ、かわいそうだなと思って許してあげてください。

投稿者 POE : 08:45 EM | コメント (0) | トラックバック

September 11, 2005

911メートル後の世界

だとか、よくわからないのだけど、とりあえず部屋の中にお菓子があるとついつい食べちゃう。買いだめはしておくべきではないのか。さらに、キッチンまでも十数歩。色々と食べてしまう。どこかへ出かけて本でも読もうかな。でも、このくにでもコンビニは日曜も開いている。

うまい、距離のとり方はきっとずっと難しい。


遠く離れて見ていた
ぼやけたままですべてを眺めていた

少しくらい世界が変わってしまっても
泣かなくてもいいように。


九つに分かれた海が
闇へと落ち込む

途切れてしまったままの鎖は
大洋をゆく風を巻きつけて。

一緒だよね。
一人と一人が
抱き合って一つになっても、
たとえば五百メートル後の世界では
はじめからそれは一つに過ぎない。

ほだされた約束が
いつの日か深海に辿り着くように

年表はささやかに伝えるのだろう。
もう誰もいなくなってしまった次の日にも
ほんの数行の記録だけが、どこかへ残されて。


まだ歩くのかな。
そしてまだ風はやまないのかな。

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September 10, 2005

世界一暮らしやすい国

「人間の豊かさ」指数、日本はベスト10から転落

 国連開発計画(UNDP)は7日、世界各国の開発の現状をまとめた05年版「人間開発報告書」を発表した。日本は健康、教育など「人間の豊かさ」を測る人間開発指数で177カ国・地域中11位(前年は9位)と、初めてベスト10から転落した。女性の政治・経済分野への進出度を示すジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)は43位と、先進国では極端に低かった。

 人間開発指数は平均寿命や就学率、1人あたり国内総生産(GDP)などをもとに測定。日本は調査が始まった90年と91、93年は1位だったが、バブル崩壊による経済の低迷で徐々に順位を下げ、00~04年は9位だった。1位は92年と94~00年がカナダ、01年からは5年連続でノルウェーが占めている。 (朝日新聞)


というわけで、世界一暮らしやすい国は5年連続ノルウェーとなりました。この「豊かさ」などという定性的な題名がついている分析で使われる指標は、

出生時平均余命、平均寿命、成人識字率、教育指数、GDP指数。

物価の高さ、冬の日照時間、鬱患者の数、公共の場所の汚さ、日曜日も開いているお店の数などを指標に加えたら、首位転落は間違いないでしょうね。

LINK;Human Development Report 2005

投稿者 POE : 02:38 EM | コメント (0) | トラックバック

September 09, 2005

じゅぎょう

こんな授業とってます(←ありがち)。

■Monday
●Gender Equality in the Nordic countries(9→12)
求められているReadingの量と、そのテキストの内容は簡単ではないけれど(ていうか英語ネイティヴの子が、翻訳みたいな英語だと言っていました)、クラスのディスカッション自体のレベルはそれほど高くない。一応、社会学のお勉強をしてきたんですね、みたいな。Social constructionだとかreflective myselfだと、したり顔で話す子が多い。
ちなみに、10人の履修者で僕の他はすべて女の子です。そうですよね、ジェンダーですもんね。まだこんな時代ですからね、


●The settlement of North Atlantic(1→4)
再来週からはじまる。ただ、Atlanticという響きが好きなだけで選んだようなものだから、切るかも(この大学では期末テスト数週間前にドロップアウトを宣言すると、一切どこにも記録に残らないんです。)。

●Norwegian Life and Society(4→6)
ノルウェー総合講座。概説の授業だけあって浅い。ノルウェーじゃ、中学校でやるのだろうことばかり。ただ、「外国人のためのノルウェーを紹介する授業」をどう展開するのかという視点で見ると楽しいかもね。どうやって外国人にその国の歴史を教えるのか、何を見せるのか、何のために見せるのか、伝統を創っていないか、だとか。まあSFC総合講座のように、自慢で終わるのだけはやめてほしいな。


■Tuesday
●Norwegian(9→12)
ノルウェー語の授業。文法はドイツ語を一通り簡単にした感じ。色々と変化しません。ただ、発音が悪すぎて、基本的にノルウェー語を勉強してきた非ノルウェー人にしか通じない(日本人だけがカタカナ英語を理解してくれるようなもの?)。ドイツ語と似ているので、あるドイツっ子は来て一ヶ月でもうラジオが聞けるよと自慢していました。


■Thursday
●後期近代の北欧の福祉政策、みたいな授業
これも10月からはじまります。

■Friday
●Norwegian(9→12)
週2回のノルウェー語。ノルウェーにいるのだから、これ以上ノルウェー語を学ぶには良い環境はないのだけど、それならドイツ語でも勉強しておきたいよ、ていうかその前に英語は!?というジレンマ。真剣に悩んでいます(つまり、どれも真剣にやっていないという最悪の状態)。


基本的に、本読んでればいい感じなので、そこまで大変じゃないです。読むスピードが日本語よりも遅くなるのと、専門用語がうまくまだ英語へ結びつかないのと、それくらい。アメリカに行った人は死ぬような勉強をしているのかな。

でも、しみじみ思うのだけど、本読んでればいいって幸せです。だって中学校とかでは、運動とか推奨されてたじゃん。体育とかいうやけに特権的な科目まであったじゃん。文武両道とかいう誰がその効果を証明したんだよ、みたいなお題目を掲げちゃってさ。それよりは、ずっと生きやすい。

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チョコ

チョコがおいしい。

安いときだと200gで15NOKくらいだし。
やばいなあ。

いくつもの夜は
これほどたやすく越えられるのに

数え切れない朝は
疑いもなくここへ訪れてきたのに

わずか数ミリの国境も
ほんの数人のいさかいも
たった数時間の悲しみは
どうして今もここに残されたままなの


はじまりの日から
信じられないほどの日々は巡った

たとえばウェストファリアのスープが冷めるとき
スカンジナビアのつながりが切れるとき
アジアの風が嗄れてしまったとき

あなたの夢は
どれくらいの空を飛んでいるのかな

同時に抱きしめられない
LAの歌声と、カルカッタの悲しみ

もう少しだけ離れてみたら
わかる日も来ると
今日も優しい人が優しいうそをつく

まだ飛び続ける日々は
どこを目指すでもなく
ただ離陸後の軌跡だけをたどっているのに


それでも信じてみたいね
夜明けの側をたどることで
いつか朝を見た日のように

そして
うそをうそと言える日がくるように

あと何度かのはじまりの朝を終えて
一番長い夜がここに染み込むまで

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September 07, 2005

NIKI

日記って昔の発音だとNIKIのほうが近いのかな。なんかNIKEやKINO(映画館)みたいだ。

3 Sep
イギリスから日本人の(そこまで仲良くない★)友達がくる。さんざんノルウェーの物価の高さをばかにされる。

4 Sep
その友達とリルハンベルへ電車で片道2時間半の旅。見事にリルハンベルには誰もいず、ノルウェーの過疎地っぷりをばかにされる。

5 Sep
授業。Gender Equality。ネイティブじゃない人にも優しい授業。アフリカの人はすごく真剣。構造的差別どうのこうのじゃなくて、Same opportunity for the educationさえ確保されていない地域の人さえもいる。理論との戯れじゃなくて、闘うための武器の使い方を学んでいるという感じ。

もう一つの授業は、Norwegian life and society。ノルウェーをさまざまな分野から横断的に見ていくSFCでいう比較文化やSFC総合講座。今回は歴史の後半。中学校の歴史の授業みたい。年表順に概説を連ねて。大学生に教えるのだから、もっと重要な部分があるだろ、という感じ。立憲君主制の成立だとか、それと聖俗の関係だとか、国民国家の成立だとか、近代化の課程における特徴だとかさ。

で、授業のあとは任意参加のディスカッション。ヨーロッパ人なのに、意外とヨーロッパを知らない人が多くてびっくり。(「EUっていつできたの?」だとか、EUの目的・意義だとか。ECと混同していたり。)でもまあ、それなりに面白い話は聞けた。(税金が高いのは福祉のためじゃない、とか。ノルウェーは別に寛容じゃない、とか。)

6 Sep
ノルウェー語の授業。はじめて1時間寝過ごす。

7 Sep
慶應の成績表が届いたらしい。はじめて切った一教科のせいで、またもやStraight Aを取りそこなう。せっかくイタリア人がたくさんいるのに「ペルケ?」と「ボンジュールノ!」しか覚えてないイタリア語もAだとか、あまり記録に残るものに多くの意味はないのかな。

スカイプとメッセのWebcam経由で、家族に協力してもらいトリビアを見る。画面はほとんど判別できないが、音は鮮明。なんか、すごくおばかなことをしている気がするが、まあいい。本当は「Dの嵐」を見たいのだけど、そこまでは恥ずかしくて頼めなかった。

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September 06, 2005

結局質問をするとナンセンス

と、ブログペットが言っていました。どうでもいい。でもナンセンスなのは質問の行為自体なのか、それとも質問の答えなのか。どうでもいい。

結局体重計を買ってナンセンス。思ったよりもやせていて、そのせいで体重計を買った日からかなりの量のチョコを食べている。どうでもいい。

今日はノルウェー語の授業。街はノルウェー語ばかりだからノルウェー語の勉強には最適な環境。教科書で無理やり設定を作らなくても、街へ行けばいくらでも話せるチャンスはある。

ただ、基本的に誰でも英語を話せるからノルウェー語がないと生きていけないというわけではない。だけど、逆に誰でも英語を話せるせいか、二ヶ国語表記は極端に少ない。たとえば、電車内の表示でも「ホームと電車のギャップに気をつけてね」とか生命にかかわりそうなもの意外はノルウェー語。

銀行の契約書なども、明らかにノルウェー語よりも英語版のほうが短い。寮の請求書はノルウェー語のみ。もちろん、聞けば誰でも英語で教えてくれるから、それでいいのだけど、やっぱり知らない言葉の中で生きるのは少しだけひやひやする。

よく「街で外国人を見かけるとその人が英語話者かどうかもわからないのに、英語で話しかける日本人」や「英語帝国主義」を批判する人があるけれど、とにもかくも英語がリンガフランカになってしまった世界で、それはただの非難にすぎなくて、代替案の提示は容易じゃない。

最大限に人間を信じたとしても、政治性のない共通語なんて、エスペラント語のように広まるわけがない。結局は、今あるもので、それを何とか継ぎ足して、たとえ諸刃の剣でも、やっていくしかない。

だから、それが母語でさえないはずで、しかもうまく使えてさえいないのに、ノルウェーの街中で英語を見かけるとほっとする。たとえそれが、グローバリズムへの自発的な追従だとしてもね。仕方ないじゃん。ノルウェー語わかんないんだもん。

結局色々書くとナンセンス。

*

鮮やかに今遠ざかっていく
風の側に置いた夢

もう信じられなくなった魔法を
最後に呟いたとき隣にいた影

伸ばした指先は
どうしても円を描けずに

もう日没には間に合わない


信じ続けることも
疑い続けることも少しも楽じゃない

終わりのない約束のように
旅立ちの朝をいくつか抱え
そのすべてをすべてとして歩いていけたならば

線路はもう少し
環状へ近づけたのかも知れない

すべてを取り巻いていた光の中
最後の色が言葉に置き換えられたとき、
またそこに朝焼けは訪れるように

投稿者 POE : 06:55 EM | コメント (0) | トラックバック

September 05, 2005

夢の痕

1994年に冬季オリンピックが開催されたリルハンメルへ行ってきた。

長野へ行ったことがないから、どう比べればいいのかわからない。もちろん今日が日曜日だったせいもあるだろう。だけど、とりあえず誰もいなかった。世界中の歓声を集めたであろうメイン会場には、もうただ座席だけが果てしなく残されている。

オリンピック博物館のも受付の係員以外、ほとんど人に会わなかった。ただ、過去のオリンピックにおけるノルウェーの功績を並べているだけの展示室。その真摯なうらぶれた感覚が、いくつかの寂しささえ通り越していた。

ただ、すごく風景がしっくりきた。空の色も広がる街並みも、すごく腑に落ちた。美しいとか難しいことはよくわからない。だけど、すごく納得できた。


・・・・・・・・

夜の彼方には今でも
誰かに守られた朝が潜んでいる

大陸をわたる鳥を
にわかに追い越す波はまた
はるか群青を連ねる

まるで終われずにいた物語のよう
幸福も勇者も永遠もない空の澪は
ただ隣の国まで羽を広げる


やがて朽ちるメモリアルを
ささやかに弔う鐘の音

いつか手繰られた本の片隅に
残されたわずかな希望の文字

すべてをやがて覆う終わりは
すべての無を意味はしない

消せない傷跡でさえ
消えてゆく世界の前ではいとしくなるのだろう

だからたとえば
弔うものが消えた次の日でも
待ち人のいないあの人の明日にも

誰かに涙した昨日や
誰かを待ち焦がれた今日は
残りつづける


あきらめたはずの風が指を撫でる
ふぞろいだった優しささえ指先からこぼれずに。

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September 04, 2005

Traveler's English

なかなかトラベラーズ・イングリッシュから脱出できない。つまり、言いたいことは何とか伝わって、向こうの話していることも問題ないくらいにはわかって、だけど少しもスマートじゃない、という旅行者なら問題ないレベル。

だけど、ニュアンスだとか、適切な言葉だとか、うまい表現だとか、なかなかうまく出てこない。やっぱり、毎日日本語のサイトを見て、日本語の音楽を聴いて、日本語でメールしているからかな。

でもまあ語学留学じゃないからいいのかな。でも、リンガフランカとしての英語くらいは身につけたいよなあ。ちなみに、英語ができない人率が高いのは、日本人と中国人とイタリア人くらいです。言語構造と、英語教育の成果が如実に反映されているようで面白いです。

日本語と同じように言語構造が違うはずの韓国語話者は、意外と話せる気がする。確かに、韓国の英語教育は実践的だと評価が高いし、そして受験戦争のポジティヴな面での成果かな。

とかいまさらぶつぶつ文句を言っていても仕方ないので、何かしようかな。でも、基本的に英語ではなくてノルウェー語の国なので、つまりネイティブの英語話者が少ないということで、気楽なんだけどね。まあ、まずリンガフランカレベルにしなきゃ。

離陸してゆく雲の隙間に
残した夢の軌跡は
誰のもとでどんな歌を紡いで

何もかもはやがて時間が漂白して
当たり前に新しい日々を送るのだろう
並んだクロスをほどくように
いくつもの夜は朝へと繋がってゆける

August sky above the mountains glistens there
You will reach the blue light this night
Gone are the days when we were together


風化してゆく夜の彼方に
優しく雨が濡れてた
君は今もこんな歌を続けて

わかりあえた日々は
つたない物語をなぞるように
仄かな風が運んでしまう
はじめからの夢をまた
歩けるだけの道はあるかな

I heard footsteps coming towards here
When I was alone in the huge summer
I shouldn't have kept the door locked


一人でいいよと笑っていられたのは
一人じゃなかったからと
一人になってから気がつく

August sky above the mountains glistens there
You will reach the blue light this night
Gone are the days when we just longed for departure

投稿者 POE : 01:19 FM | コメント (0) | トラックバック

September 02, 2005

企業を尊敬。

なぜかバリューセットが1000円ノルウェーで、電化製品はなぜかそれほど高くないのでプリンターを買った。HPのPhotosmart。

しかし、ドライバーをインストールしてもプリンターが反応しない。買った製品が日本では発売されていない機種だったので、アメリカのHPのカスタマーズセンターに連絡。

で、そのサポートがすごいんですよ!メールで質問すると必ず1時間以内に返信してくるの。しかも、おざなりな回答じゃなくて、泣きそうになるくらい丁寧で、ものすごく詳しい説明つきで。

さらにサイトには技術者とのチャットまで用意されている。こっちはプリンターが使えなくて途方にくれているにもかかわらず、HPという企業がすごく大好きになった。(同時に日本のHPにも一応質問メールを出したのだけど、こっちからは24時間たっても返信がない。だから好きなのはHPであって日本HPじゃない)

追記
結局、日本HPのサイトから、買った機種版と一番近そうなソフトをダウンロードしたら動きました。これで、自作のポストカード送り放題です。

投稿者 POE : 11:26 EM | コメント (0) | トラックバック

手紙

いつもはしないのに、ノルウェーにくるとやけにし始めたものなんだ?

と煽っても、タイトルで手紙って書いているから仕方ないのだけど、最近よく手紙を書いています。すっかりとメールに取って代わられ、いまや年賀状くらいでしかその価値を認めてもらえない手紙という古いメディアですが、古いメディアゆえに、場所移動という古くからある人間の様式にはあっていると思います。

インターネットでは、どこにいても同じ画面を共有することができ、また一瞬でメッセージを飛び交わせることができます。別に、これを味気ないと言っているわけではなくて、それは人の意味づけや解釈によっていくらでも色気はつけられるけれど、ただどこかインターネットは目的化には不適だとも感じます。

何か伝えたいことがある、誰かとつながりたい。だから今メールをする。今チャットをする。ここでインターネットというメディアは文字通りただの媒介に近い役割を果たしています。

一方で、手紙というのは、それ自体が目的になりうる点に惹かれます。メールが一瞬で届く世界で、エアメールはたとえばノルウェーから日本なら数日もかかります。すぐに伝えたい言葉、すぐに届けたい想いを託すわけじゃない。むしろ、たとえ伝えたいことが何もなくても、手紙ならそれが許されると思います。

メールだとどこのサーバーを経由して届いたかなんてどうでもいいことだけれども、手紙だとポストに入れて、飛行機が運んで、配達員が届けてという一連のプロセスが「手紙」というメディアに内包されたことです。内容は、ただのいちファクターにすぎない。

というわけで、そのうち無文字手紙や、不幸のエアメールが送りつけられるかも知れませんが、優しいまなざしで手紙というものを考えるきっかけにしてみてください。じゃあ、今からまた一枚書いてきます。

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