クリエイティブ・コモンズ: 2004年6月アーカイブ

公文俊平『転換期の世界』(講談社学術文庫、1978年)を読んでいたら、コモンズの話が出てきた。

コモンズ(commons)ということばのもともとの意味は、中世の大学などのような共同生活者の集団において、共同の食卓に提供される食事のことである。各人は、それを好きなだけ食べることができる。だから”コモンズ”にはもともととくに”土地”という意味合いはなく、むしろ私が定義した意味での「共用財」に最も近い。ただし、[ガレット・]ハーディンは、共同放牧場や公道を、その典型例とみなしている。つまり、実質的には、「共用財」は”資本(個物)”よりは”土地(場所)”にあたるものの方が多いと思われる。なお、ハーディンは、全体としての”国土”あるいは”地球”をもコモンズの一例としてあげている。

なるほど。そういうことだったのか。

作者逮捕で話題になっているWinny。実は使ったことがないのでコメントできない。

昨日、あるベンチャー企業の社長に会ったら、Winnyは宣伝媒体として非常に優れていると力説していた。実際、大規模な宣伝を打てなかった音楽や動画をWinnyを使って流したことで、はっきりと宣伝効果が現われたそうだ(社長自ら流したらしい)。

Winnyで流れるコンテンツにクリエイティブ・コモンズのライセンスがついたものがたくさん出回ればいいのに。

NTTインターコミュニケーション・センターの季刊誌『InterCommunication』でドミニク・チェンさんがレッシグ教授にインタービューしているのを発見。3月のシンポジウムの報告も少し出ている。

ペルーの東大にあたるサン・マルコス大学を訪問する機会があった。ここは国立大学で、授業料は完全無料だそうだ。入学はとても大変らしい。

ここのサイバーローの講義に招かれた。一緒に出張しているHさんが簡単に日本の情報通信政策を説明して、私は質疑応答に参加した。その中でクリエイティブ・コモンズについても説明したのだが、「何の話をしているの?」という顔をしていた。

パラパラと教室を出て行く学生もいたからつまらなかったのかと思ったが、終わった後に数十人に囲まれて質問攻めにされた。「ウェブからとった写真を使って訴えられるのはおかしいじゃないか」と講義する学生もいたけど、議論できておもしろかった。途上国(ペルーは途上国脱出中だけど)の学生は真摯だなと感動した。

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