インテリジェンス: 2006年2月アーカイブ
Barton Gellman, Dafna Linzer and Carol D. Leonnig, "Surveillance Net Yields Few Suspects: NSA's Hunt for Terrorists Scrutinizes Thousands of Americans, but Most Are Later Cleared," Washington Post, February 5, 2006; A01.
日本の新聞でも引用されていたが、ワシントン・ポストが報じたところによれば、昨年末に発覚したブッシュ政権の令状無し傍受の対象になった人は5000人にもなる可能性がある。当初の報道では3000人という数字が出ていたが、とにかく多い。そのほとんどがテロとは無関係だという。
この記事はさまざまな専門家に取材していておもしろい。法律が求めている「probable cause(相当な根拠)」がなければ傍受できないとすると、ほとんど使えなくなる可能性は高くなるが、それにしても5000人を傍受無しでやっているというのは尋常ではない。ブッシュ大統領は記者会見で「30件」と言っていたから、「5000人」という数字のインパクトとは大きくかけ離れている。
この記事がもう一つ面白いのは、ネットワーク分析で使う「degrees of separation」を使っていること。つまり、ケビン・ベーコン・ゲームをテロ分析に援用していることだ。
電子メールの傍受がどう行われているか、少し説明されている点も面白い。
ところで、下記は頼まれて書いた原稿だが、前にもほとんど同じことを書いていた(情けない)ので自分でボツにした。若干付け足されている情報もあるからここに載せておこう。
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