胆汁酸シグナルを介した生活習慣病の改善
Bile Acid Signaling胆汁酸は、食事により摂取された脂質やコレステロールを生体内に効率良く吸収する役割を担います。さらに近年、胆汁酸はシグナル分子として代謝を制御することが分かってきました。私たちはこのシグナルを起点に、生活習慣病の改善を目指します。
ヘルスサイエンスラボ
Watanabe Lab · Keio SFC
食・運動・ごきげんをテーマに健康を研究し、まちづくりへ応用しながら、健康長寿社会の実現を目指します。
渡辺研究会には大きく二つのテーマがあり、代謝を中心に健康長寿のしくみを調べる基礎研究と、その成果を地域で活かす「健康・幸福のまちづくり」に取り組んでいます。
主に代謝の観点から、健康長寿の実現に向けて研究を進めています。胆汁酸、腸内細菌、概日リズムなど、さまざまなテーマがあり、実験にはマウスを使用し、肝臓などの臓器の代謝を解析しています。
「食・運動・ごきげん」の3つの観点から、生活習慣病をはじめとする様々な疾患の研究を行い、その成果をまちづくりへ応用することで、健康長寿社会の実現を目指しています。
機能性食品や栄養バランスの働きを、科学的に明らかにする。
身体活動と代謝のメカニズムを解明し、日常の習慣へとつなげる。
心理状態と健康の関係を明らかにし、「ごきげん」な毎日を支える。
日本の超高齢化は世界に例を見ないスピードで進行しています。私たちは、生活習慣に起因する疾患の予防と健康寿命の延伸に、代謝研究の力で貢献します。
2070年に65歳以上が占めると推計される人口割合(2025年は29.4%)
女性の平均寿命と健康寿命の差。男性は8.49年(2022年)
日本人の死因に占める、がん・心疾患・脳血管疾患の割合(2024年)
生涯医療費約3,000万円のうち、70歳以降にかかる割合(2023年度推計)
生活習慣病は、死亡数の約5割、一般診療医療費の約3割を占めるとされています。だからこそ、日々の「食・運動・心」を科学的に研究することが、これからの健康につながります。
主な研究領域
出典・参考資料: 内閣府「令和8年版高齢社会白書」、 厚生労働省「健康寿命の令和4年値」、 厚生労働省「令和6年人口動態統計(確定数)」、 厚生労働省「令和5年度 生涯医療費」、 厚生労働省「健康日本21(第三次)関連資料」
マウスをはじめとする様々なモデル生物を用いて、分子から個体のレベルまで、そしてその成果を社会で活かすところまで、幅広く研究しています。
胆汁酸は、食事により摂取された脂質やコレステロールを生体内に効率良く吸収する役割を担います。さらに近年、胆汁酸はシグナル分子として代謝を制御することが分かってきました。私たちはこのシグナルを起点に、生活習慣病の改善を目指します。
大麦に含まれる水溶性食物繊維のβ-グルカン、杜仲茶の葉に含まれるアスペルロシド、まいたけに含まれるMXフラクションなど、身近な食品成分の機能性を科学的に解明し、その応用を探ります。
サーカディアンリズムは、からだに備わる体内時計によってコントロールされています。24時間周期のリズムの乱れがいかに健康へ影響するのかを解析し、規則正しい生活がもたらす効果を明らかにします。
冬の身体活動を「健康長寿」の視点から見つめるとともに、日本のスキー場そのものの持続可能な発展に向けた研究・活動にも取り組んでいます。現状分析やレポートの執筆に加え、スキー場のDX・AXに取り組むメンバーもいます。背景となる国の政策と国内外の学術研究は、各テーマページで出典とともに紹介しています。
冬季の運動が代謝・身体機能・こころの健康に与える効果を検証し、生涯スポーツとしての価値を明らかにします。
利用者動向や経営・市場のデータから国内スキー場の現状を分析し、持続可能な運営の課題を整理します。
デジタル/AI技術でスキー場の来場体験と運営を高度化し、新しいウィンターリゾートのかたちを描きます。
分析と現場から得た知見をレポートにまとめ、スキー産業へ向けて発信します。
天然物由来機能性物質による肥満関連肝細胞がん抑制効果の検討
健康長寿延伸を目指した最適な栄養素バランスの解明
ゴボウ由来の加工食品による抗メタボリックシンドローム効果の検討
お米に含まれるレジスタントスターチによる抗肥満効果の検討
杜仲茶配糖体アスペルロシドの抗メタボリックシンドローム作用
天然物由来機能性物質によるパーキンソン病予防作用の検討

マウスをはじめとする様々なモデル生物を用い、肝臓などの臓器の代謝を解析しています。遺伝子・細胞・組織・個体という複数の階層から調べることで、食成分や代謝シグナルの作用機序を確かなエビデンスとして積み上げています。
基礎研究で得られた成果を、地域で実際に活かしていく取り組みです。世界の幸福や健康に焦点を当てたまちを調べ、基礎研究の知見と合わせながら、藤沢市の遠藤・御所見地区で研究を進めています。
本研究室は、藤沢市の「健康と文化の森地区」に生まれた湘南慶育病院と連携し、健康増進・抗加齢医学など最先端の研究を実践しています。なかでも鍼灸外来の鳥海春樹先生と共同研究を行い、漢方医学・鍼灸療法の科学化への取り組みを推進しています。
画像解析機器や生体情報計測機器などを駆使し、鍼灸治療による体表形態変化の定量化と、その意義づけを目的としています。画像解析に詳しい方・興味のある方を随時募集中です。
連携:湘南慶育病院 詳しく見る
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 教授/環境情報学部 教授(兼担)/医学部 教授(兼担)
健康に関する専門研究を行わない学生も基本的な知識を身につけ、自身の研究に健康を視野に入れてもらえるように配慮しています。




学生の研究テーマは、肥満・がん・糖尿病・動脈硬化から、食品成分・サプリメント・栄養と運動の関係まで多岐にわたります。健康を専門としない学生も基礎知識を身につけ、それぞれの興味から研究に取り組んでいます。
代謝・胆汁酸シグナル・腸内細菌を中心に、国際的なジャーナルで発表した原著論文・総説から抜粋して紹介します。
Scopus、2026年7月5日時点(K-RIS掲載値)
活動は金曜5・6限(16:30〜19:40)を中心に行っています。研究会では、進捗報告へのフィードバックやゲストスピーカーの講演などがあり、実験を主とする研究会のため、それ以外の時間も活用しながら各々が研究を進めています。実験にはマウスを用い、肝臓などの臓器の代謝を解析します。気さくなメンバーの多い、アットホームな研究室です。
SFCでは、研究活動の成果を広く社会に公開する場として「SFC Open Research Forum(ORF)」を毎年開催しています。渡辺研究会では、食・運動・心をテーマとした健康研究プロジェクトを展示し、まちづくりへの応用を通じて健康長寿社会の実現を発信しています。
「すべての人のごきげんと健康のために」
渡辺研は、新規履修者を募集しています。医学や生化学の発展に貢献したい方、研究を通して健康長寿の実現に寄与したい方を歓迎します。代謝の観点から、概日リズム・腸内細菌・胆汁酸・サプリメントなど様々な角度から研究します。
輪読・グループワーク・基礎的実験を通じて、代謝・栄養と健康の基礎知識を高めます。正直、実験がメインのため、興味だけでなく体力ややる気も求められます。それでも——アットホームでとても過ごしやすい研究室です。興味のある方は、どんどん連絡してください。お待ちしています。
〒252-0882 神奈川県藤沢市遠藤 5322
慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)/舘内ハウス
湘南慶育病院
〒252-0816 神奈川県藤沢市遠藤 4360番地