国際関係論: 2007年1月アーカイブ
今日は福澤先生の誕生日のため休みだ。たまった仕事をほっぽりなげて、師匠が「国際関係論の担当者必見」と推薦する『ダーウィンの悪夢』を見てきた。渋谷のシネマライズで19日まで上映している。
アフリカのビクトリア湖に放流されたナイルパーチという魚が引き起こした悲劇のドキュメンタリーだ。これはアフリカのローカルな悲劇ではなくグローバリゼーションがもたらした悲劇だ。大型で良質の白身がとれるナイルパーチは工場で加工されてヨーロッパと日本に輸出される。日本では別名「白スズキ」となってコンビニ弁当や学校給食の「白身魚のフライ」に化ける。
ビクトリア湖周辺の人々はナイルパーチが作りだした産業で潤う一方で、湖の環境は大きく代わり、新たな貧困と暴力が生まれている。
情報通信技術から見るグローバリゼーションは良い側面が目立つ。しかし、この映画が描くグローバリゼーションは圧倒的に悲劇的だ。そして、自分に何ができるのかが分からないことが腹立たしい。コンビニ弁当をボイコットしてもさしたる変化はないだろう。知らず知らずに貧困と暴力にわれわれは加担している。忸怩たる思いだ。次は『不都合な真実』を見に行かなくては。