情報通信政策: 2009年1月アーカイブ

CIA人事に触れたからにはFCC(連邦通信委員会)の人事にも触れておきたい。オバマ次期大統領は、年末に噂に出ていたとおり、ハーバード・ロースクールの同級生をFCC委員長に指名する見通しになった。Julius Genachowskiはベンチャー・キャピタリストで、オバマのキャンペーンに50万ドルの資金提供をしている(猟官制という言葉が懐かしい)。

そして、現職のマーチン委員長は辞職し、アスペン・インスティチュートに行くという。ワシントン・ポストは、「スペクトラム・オークションの勝者に対してそのネットワークを外部の技術にオープンにすることを強いたとしてマーチンは記憶されるだろう。そして彼はまた、ネットワークで特定のインターネット・トラフィックをスローダウンさせる行為においてコムキャストに不利な裁定を下した」と記事をしめくくっている。

1996年通信法から12年経ち、ようやくもってFCCはインターネットに焦点を絞った政策・規制にシフトすると見られている。規制撤廃と言いつつ、これまでのFCCは細かいルールをやたらと作り、それが意味不明で裁判・裁定がたくさん必要になり、ブロードバンドが普及しないという事態になっていた。オバマ政権がブロードバンド普及に力を入れると言った以上、FCCの方向転換は不可欠だ。

ところで、これまでアメリカのインフラやサービスの悪口を書いてきたが、そうそうと思う記事がワイアード・ビジョンに出ていた。アメリカのトイレは紀元前と変わらない。紀元前でも別にいいのだけど、それでは世界一とは言えない。

アメリカのブロードバンドはダメなんだと日本で言うと信じてくれない人が多いが、FCCのブロードバンドの定義は768kbpsである。これでは世界一とは言えない。

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