情報社会学を構築する: 2004年11月アーカイブ
マイクロソフトの楠正憲さんにマイクロソフトの新製品を見せてもらった。分厚い手帳のような塊にハードディスクとUSB2.0が付いていて、パソコンで録画した動画を転送して貯めこめる。自動的に圧縮してくれて100時間(?)ぐらいは見られるという。OSをマイクロソフトが担当している。
それよりもおもしろかったのが、そのデバイスで見せてもらった動画。「二足歩行ロボット競技大会 第6回ROBO-ONE」の様子で、二足歩行するロボットがプロレス並みの技を掛け合って戦っている。大手メーカーが作った動きの鈍い二足歩行ロボットのイメージとはかけ離れてダイナミックだ。
外部環境とのコミュニケーションという点では進んだAIを搭載したロボットのほうが優秀なのだろうが、横で解説してくださった白田秀彰先生によると、アマチュアが数十万円で作っているロボットのほうが圧倒的におもしろいらしい。ああ、驚いた。
エクスポズのワシントンDC移転が気になる。ボルチモア・オリオールズが観客を失うのは明らかだ。
もう一つワシントンDCで聞いたうわさ話はFCC(連邦通信委員会)の人事。父親のコリン・パウエル国務長官は辞任したが、息子のマイケル・パウエルFCC委員長は留任しそうだ。ダシェル院内総務の落選で再任が危ぶまれていたジョナサン・アデルシュタイン委員は生き残りそう。すでに任期が切れているキャサリン・アバナーシー委員が辞任するかどうか。こちらの記事だとどうやら辞任しそうで、後任探しが始まっている。
"A Nation Online: Entering the Broadband Age," National Telecommunications and Information Administration, September 2004.
http://www.ntia.doc.gov/reports/anol/index.html
...broadband more specifically, are transforming the way we live, work, and learn.
浜村さんのブログで中国のiPodの話が出ている。違法コンテンツを入れた上で売ってくれるらしい。
同じようなことをアメリカで体験したことがある。iTunesが出たてのころ、アップル専門店(アップル・ストアではない)で開封済みだが新品で安売りされていたHDを買おうかどうか迷っていたところ、店員が「いいもの入れておくから買ってよ」といっておもむろにiMacに接続し、中に入っていた2千曲ぐらいのMP3ファイルをコピーし始めた。唖然として見ていたが、あまりにも時間がかかるので中止してもらった。
ナッシュビルの会議でおもしろかったのは、FCC(連邦通信委員会)とその他の機関に適用されているという「ex parte requirement」の話。
「ex parte」とは英辞郎によれば、
一方だけの、一方的、当事者の一方に偏して
となっているが、いまいちよく分からない。
FCCの弁護士の説明によると、何か審議中の事項に関してFCCにロビーイングをする場合は書面でそのロビーイングの内容を提出しなくてはいけないというもの。逆に言うと、立ち話とか電話とかそういった類のロビーイングについてFCCの委員はじめスタッフは一切影響を受けてはならないということだそうだ。透明性を確保しようという試みであるのはいうまでもないが、こうした規制がないと大変なことになってしまうのかとも勘ぐってしまう。
(電子フロンティア財団や)クリエイティブ・コモンズは本当によく頑張っているけど、われわれの年代はそのことをよく知らないみたいだ
夏に立命館大学大学院国際関係研究科で行った下記集中講義の課題レポートが出揃った。みんな個性的でとてもおもしろい。国際関係論が専門の修士課程の受講者たちの目から見た情報ガバナンスの諸問題。
とても面白いとおもってp2p-politics.orgを見ていたのだが、とうのレッシグ教授は失敗だと思っているそうだ。そんなこともないと思うのだが。
そのために、われわれはp2p-politicsを制作した。だがすばらしい技術的実装にも関わらず、このアイデアは失敗だった。無数の人々がサイトを訪れてビデオクリップを観た。たくさんの素晴らしいクリップが寄せられた。だがそのなかで、誰かに議論を、理由を、せめてビデオクリップを送信する機能を利用したのはごく僅かだった。