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3.21世紀の「創出」ヴィジョン
拡大のヴィジョンは、21世紀にあっても社会的な期待として、その勢力を維持するのであろうか。また、そのヴィジョンは21世紀に期待される社会システムに適合的なのであろうか。予感されることは、拡大のヴィジョンそのものが社会的な期待を後退させ、いままで日本社会を誘導してきた拡大のヴィジョンはその歴史的使命を終え、それとはまったく異なった新しいヴィジョンが期待されるであろう、ということである。しかもそのヴィジョンの変換は、社会システムそれ自体の変動によってもたらされるものだ、と予感されるのである。その変動を誘発するのが、一つは情報化であり、もう一つは拡大ヴィジョンの成果により達成された「社会としても豊かさ」である。情報化と豊かさの実現は、拡大のヴィジョンが指向する「終わりなき拡大」というヴィジョンそれ自体ののメカニズムと既存の社会構造(経済・政治・社会・文化)に大きな変容をもたらす、と予感される。
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