登場人物(5) |
彼は脳卒中で再起不能の噂が流れている右翼の大物で、敗戦のどさくさに紛れて掴んだ巨富で保守党の派閥と広告業界を買い取り、杜会の黒幕として君臨している。なお彼はこの物語でも実際には登場しない。彼はここでも黒幕のまま存在する。 |
『右翼の大物』 |
登場人物(6) |
洗練された不吉なニュースのように突然現れた男は、右翼の大物の秘書で、組織の実質的な経営を任されているナンバー・ツーで、表情がなく黒のスーツを着た背の高い日系二世である。僕は、彼のために拒否権の行便ができないビジネス(=冒険)を迫られる。 |
『黒服の男』 |
登場人物(7) |
彼はみためよりは人なつっこそうな本物の運転手で、先生(右翼の大物)を神の次に立派な方と信じている。彼(のような人)は、僕の冒険の間、僕の年老いた猫の世話をしてくれる。 |
『運転手』 |
登場人物(8) |
妻に「可愛そうな人」と言われた僕の友違で、手紙で二つの頼みをしてきた。一つは過去に関することで、僕がかつての街に帰ることがあったら2人のひとに「さよなら」を伝えてほしいということ。もう一つは、<羊の写真>を人目のつくところに発表してほしいということ。 |
『鼠』 |
登場人物(9) |
1963年ベトナム戦争が激しくなった頃、僕の街にきてパーを開いた男やもめ中国人。僕は17歳の無口な高校生の時からこのバーに通い、そこで鼠に出会った。鼠が僕にさよならの伝言を頼んだ人。僕や鼠の青言のルーツがここにある。 |
『ジェイ』 |
登場人物(10) |
1905年仙台の旧士族の長男として生まれ、神童からスーパー・工リートそして農林省に人省。緬羊増産計画大綱をまとめ、現地視察で満州に渡った1935年、行方不明になり、そこで〈羊と交霊する〉経験をもち、東亜の農政の中枢から追放される。1937年農林省を辞して北海道に渡り羊飼いになリ、敗戦後1947年緬羊協会に動務する。 |
『羊博士』 |
登場人物(11) |
150センチで猫背で足が曲り、頭から羊の皮をかぶり、羊的なものと人間的なものが同居する。十二滝町の生まれだが、戦争拒否の理由で山中に一人で住む。なぜが鼠の意思を反映したと思われる行動をとる。 |
『羊男』 |
登場人物(12) |
羊をめぐる冒険にでかけるこの物語の主人公で、もうすぐ30歳になる。 |
『僕』 |