よもやま話: 2006年1月アーカイブ
大学の教員をやっていて一番いやな季節がまたやってきた。採点だ。何の因果で学生の格付けをやらなくてはいけないのかと嫌になる。そもそも履修者全員が素晴らしい答案やレポートを出してくれれば文句はないのだが、そうでもないのがたくさん出てくると、「おまえの教え方が下手くそだ」と言われている気がする。もっともだ。
それでも締め切りまでに採点はやらなくてはいけないので、ここ数日必死にやっているのだが、ついに昨晩、出席するはずの研究会のことを完全に忘れてしまった。気づいたのは今日の午後。まっずいなあ。すみません。居眠りしていたわけではないので許してください。
全然関係ないけど、気分転換に読んだニュース記事で、「いわゆる『ショベルカー攻撃』のほうが実際に起きる可能性は高く、『コード・レッド』をはじめとする、これまでに起きたいかなるサイバー攻撃よりもその地域に与える影響は大きいはずだ」という話には笑った。全くその通り。サイバー攻撃だといっても、物理インフラを攻撃できるのならそれが一番手っとり早い。
おととい、新年会の道すがら、浅草寺でお参り。トシノスケさんの酔っぱらいぶりが楽しかった。
昨日は歌舞伎座で坂田藤十郎の襲名披露公演を見る。歌舞伎に詳しいわけではないが、イヤホンガイド聞きながら観るとよく分かる。小泉首相が観劇した際にもイヤホンガイドを使っていたそうだ。「夕霧名残の正月」で悪役をやった吉右衛門や「曽根崎心中」で悪役をやった橋之助が素人には印象に残った。この写真を撮っていたら目の前に立命館大学のO先生が立っていてびっくりした。
それにしても坂田藤十郎を襲名したのは二百数十年ぶりとのことだけど、なぜそれまで誰も継がなかったのだろう。
帰りに松坂屋で「古九谷浪漫 華麗なる吉田屋展」を見る。吉田屋というのは知らなかったけど、古九谷を一時的に復興させたらしい。私のお気に入りは、「海老図平鉢」だ(実際はもう少し明るい色に見えた)。古九谷はそもそも誰が注文して作られたのかよく分からないらしい。吉田屋は技術を取り戻したのに、復興させた伝右衛門が死んでしまうとマネージメントができなくなり、7年で廃窯になってしまった。現代にも通用する話だ。技術だけじゃダメ。マネージメントも重要。
もうすぐ正月休みも終わり。今年は比較的ゆっくりできて良かった。一年通してこれぐらい余裕があるといいのに。