よもやま話: 2008年12月アーカイブ

観光気分の東京

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12月5日に慶應の三田キャンパスで開かれたシンポジウムに参加するため、一時帰国。3月24日に渡米して以来なので、約8ヵ月ぶりの日本である。成田空港に着くと、まず暑いと思った。だいたいボストンの最高気温が東京の最低気温ぐらいなので仕方ない。成田エクスプレスに乗って品川に着くと、人が多い。歩けない。こんなところを毎日平気で歩いていたのかと思うと不思議だ。

シンポジウムの最中は時差ぼけで眠ってしまうのではないかと思ったが、思いの外、目は覚めていて楽しめた。翌日、オバマ次期大統領がインフラストラクチャへの大規模投資を発表して、我が意を得たりという気分だった。ブロードバンドへの投資も本腰を入れるようだ。

インフラやサービスのレベルを日本を規準にして考えてはいけないのは分かっているが、世界一の先進国だという割にはアメリカはあまりにもお粗末で嘆きたくなる。配達ものが本当にひどくて、指定した日に届かないのは当たり前というのはどうかしていると思う(だったら最初から指定させるべきではないだろう)。パネルの中でアメリカのコンビニの悪口を言ったが、要は物流インフラとそれを支える情報インフラがしっかりしていないので、新鮮な食品をコンビニの店頭に並べるということができない(例えばShintaroさんのブログを参照)。おそらく同じ理由で新鮮な魚がスーパーに並ぶということもない。電車はおんぼろでうるさく、一定の間隔で運行できないので、固まってきたと思ったらずっと来なくなったりもする。飛行機は国際スタンダードでそれなりに定時の運行ができるのだから、電車だってやればできるはずだ。

シンポジウム翌日の土曜日は朝からいくつかの用事を片付ける。春に亡くなった小島朋之前学部長の墓参にようやく行けたのも良かった。いろいろなめぐり合わせで葬儀にも偲ぶ会にも出られなかったので、やっとという思いだ。一緒に行ってくれた同僚の清水唯一朗さんとカツ丼セットを食べられたのも良かった。本物のカツ丼だった。

夜はICPCの合宿へ。さすがに時差ぼけが出てきて、夜通しの議論にはつきあえず残念だったが、議論は大いに盛り上がっていて良かった。この合宿で使った日本橋のホテルは、びっくりするほど狭い部屋のビジネス・ホテルなのだが、大きな風呂があるのはうれしかった。久しぶりに首まで湯につかることができた。やはり外国には長く住めない。私には風呂が必要だ。温泉に行きたい!

驚いたのはこのホテルには外国人旅行者がたくさん泊まっていて、白人の若い女性三人がぞろぞろと浴衣で歩いていたり、夜中に修学旅行生のように廊下で騒いでいたりしたこと。観光地としての東京の人気は上がっているのかなと思う。

翌朝、日本橋の小舟町から東京駅まで歩く。江戸橋の横を通り、日本橋を渡り、永代通りをゆっくり歩いた。日曜日の朝なので人通りは少なく、すがすがしい。振り返るとコレド日本橋に朝日が反射していてきれいだった。今回はホテルに3泊したが、観光気分で東京を見ると予想以上に楽しいなと思い直した。

ボストンはアメリカのスタンダードで言えば都会だけど、東京は桁違いに大きくて、人と文化がぎっしり詰まっている。東京は住むには通勤などが大変だけど、観光客として訪れるにはとても楽しいところなんだろう。東京駅で土産物屋が開くのを待っていたら、友人のNさんに見つかった。こんなにたくさん人がいるのに不思議なものだ。

あっという間に一時帰国は終わり、シカゴまで飛ぶと雪が積もっていた。ここでオバマ次期大統領は政権構想を練っている。さらにボストンまで飛ぶ。この日は雪が降ったそうだがまだここでは積もっていない。

と、ここまで一週間以上前に書いたのだが、ボストンに戻ってきてからあわただしく、そのままにしておいたら、今朝雪が積もった。いよいよ冬が本格化する。

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