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1995年、その年に日本社会を震撼させる阪神淡路大地震とオウム地下鉄サリン事件が起こった。
その記憶は決して消えるものではなかろう。しかし21世紀をいかに描けばいいのか、という社会ヴィジョンの視点からその年をながめると、たぶん「インターネット」という言葉が社会一般に普及し始めたという事実の方がより大きな社会的な意味をもってこよう。そして今、2001年にあって、20世紀から21世紀への橋渡しとして一番期待されている言葉は「IT革命」である。もちろん革命といっても現状では、せいぜい政治経済モデルの高度化(一層の効率化)が期待されている程度で、革命と呼ぶにはかなり物足りない。
しかしその波及効果はあと15年もしたら、社会・生活・文化での変容に大きく貢献するという予感がないわけではない。もちろんこれから15年後の日本社会を予測することなど不可能に近い。しかしどのような社会であってほしいかという価値観(社会ヴィジョン)を含んだうえで、社会システムの方向性を想定することはある程度可能であろう。
そこで以下、「ネットワーク」という新しい社会インフラ整備が、現状のテクノロジーを超えたイマジネーションでの期待水準で実現されたとすると(これを、2015あたりと想定する)、それはどのような社会システムであるかを、「生活/家族と地域社会の変容」という視点から提案する。
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