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3.ネットワークは、身体に装着される
ネットワークは、いつでも・どこでも利用可能でなければならない。ネットワークは、時間と空間の制約(「いま」と「ここ」)を超越するのだ。24時間つながるばかりでなく、どこからでもネットワークにつながる環境が必要である。ということは、ネットワークの環境は、個人に装着されなければならない。
従来、環境は場所に設置されていた。家庭であり、職場であり、人は、その場にいることではじめて行動することができた。ネットワークの環境も、それ自体移動することのない場所が求められた。そこでは、人間は、今までと同じように、自らその場所に移動することで、やっとネットワークにつながるのだった。
しかしこれは、ダイヤルアップの発想が間違っているように、ネットワークの思想にふさわしくない、間違った発想である。ネットワークの環境は、もはや場所ではなく、個人の身体に装着されなければならない。行為する主体そのものに環境が装着されたとき、はじめて「どこでも」の条件がみたされる。腕時計・手帳・携帯電話のように、メディアは身体に装着されなければならない。そのとき、「ここ」という不動の場を越えて、まさに移動しながらネットワークにつながる、ということが可能になる。ネットワーク環境には、モバイルギア(ウエアラブルコンピュータ)が不可欠である。
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