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14.ネットワークは、マッチングが命。
ネットワークに、なぜ人は参加するのか。それは、自分のもっている情報が他の誰かに必要とされるならば、その人のために貢献したいからであり、同時に、自分がほしい情報があれば、それを他の誰かが助けてくれるだろうという思いからネットワークに参加するのである。こうして、無数の人がネットワークに参加してくる。
とすると、一方に情報を欲しい人たちが無数にいて、他方にはその欲求にこたえる情報をもつ人たちが無数にいる、ということになる。この無数にある「欲求と情報」の間に橋をかけることが、ネットワークの登場によって、はじめて可能になった。それ以前には、一部に限定されたかぎりで、「欲求と情報」の交換が成立していたが、ネットワーク環境の成立によって、無数の欲求と無数の情報の間をマッチングすることが可能になった。しかもそれは、交換のように、まずは情報を所有する人からの情報提供があって、それに見合う報酬を払うことで、情報が獲得されるのではなく、情報をもっていない人が欲しいと言うと、ネットワーク上をエージェントが走って、情報提供者を探してきて、無償で情報獲得ができる、という「探索と支援」の関係が成立している。
ネットワークは、無数の「欲求と情報」のマッチングを無償で成立させる。なんでもいいから、欲求と情報があれば、その間をつなげて、欲求に合致した情報を提供するのがネットワークの仕事である。従来ならばできなかったような、つまり市場を形成するにはあまりにも特殊であったり、儲からなかったりした欲求が、ネットワークを介せば、あっという間に情報入手できる環境が形成される。
老人介護の手がほしい、草野球の相手がほしい、登校拒否している子供にどう接すればいいのか、なんでもいいから、ある情報が欲しいと叫べば、どこからかお助け情報が入ってくる。無数のお願いに合った情報を探索して支援してくれるのがネットワークである。この意味で、ネットワークは今までにない最大級のマッチングの装置であり、情報が欲しい人に最高のプレゼントを贈る装置である。
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