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4.ネットワークは、境界を無視する。
イントラネットは、ネットワークの精神に反する。これは、重要なことである。では、何が違うのか。イントラネットは、しっかりとした境界を維持しようとしているから、違うのだ。そこでは、内部と外部が明確な境界線で分離され、内部は内部として完結し、そこでの関係が優先される形でシステムが維持されている。これはシステムではあっても、ネットワークではない。
ネットワークの基本は、境界をもたないことだ。つまり内部と外部という弁別はここにはない。すべてが内部であり、同時にすべてが外部なのだ。ネットワークに参与するすべての人は、どこと関係をもっても、その関係は等価であり、その関係が階層化されることはない。だからネットワークは、その本質において、グローバル・ネットワークなのである。
インターネットは、個々のローカルなネットワークが自己増殖した結果、つながっただけのことである。しかもそれぞれのローカル性は、その発生においてローカルであるというだけのことで、本質的には境界を維持しようとしないから、その必然の帰結としてどんどん自己増殖し、それが他のローカルのネットワークと融合し、そして世界中に拡散していったのである。インターネットは、こうして、境界を無視することで生成したはじめてのシステムである。境界を無視できないイントラネットとは、その精神が異なる。ネットワークは、インターネットのように、境界を無視しなければならない。
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