日本公共政策学会

 6月5日と6日の週末は、浜松で日本公共政策学会(http://www.ppsa.jp/)の2010年度研究大会に行き、6日の午前中にセッションの司会をしてきた。自分の発表がないので気楽なものである。

 5日の夜は仲間と繰り出し、老舗で鰻を食べた後、浜松餃子なるものをいただく。いくつか知られた店があるそうだが、「むつぎく」という飲み屋街にあるお店に行くと、閉店間際にかかわらず行列している。味もおいしくて、鰻でお腹がいっぱいなのでぺろっと食べてしまった。

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 翌日、セッションの後で関係者と昼食。また鰻。これもおいしかった。

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 発表者二人の話(エネルギー技術の話と宇宙技術の話)は学ぶところが大きかった。行って良かった。

インターネットの未来(未来のインターネット)

 前にも紹介した通り、ヨーロッパのプロジェクトで未来のインターネットに関する研究を行っている。

昨年の9月にブリュッセルでワークショップがあり、今年の3月にボストンのMITで、そして、5月に東京でワークショップを開いた。その報告がウェブに載った(ボストン東京)。ご協力いただいた皆さん(その多くがICPCのプログラム委員とアドバイザリー・ボードの皆さんです)、ありがとうございます。

そしたらスウェーデンの海賊党からメールが来た。おもしろいもんだ。返事しなくちゃ。

最初は私も勘違いしていて、「インターネットの未来」に関するプロジェクトだと思っていたけど、「未来のインターネット」が正しかった。

私にとってはヨーロッパは暗黒大陸。何が起きているのかさっぱり分からない。

中国は広大なコモンズ

 週末に大学院生たちと合宿。課題論文のうちの一つは中国政治について扱ったものだった。議論の中で、中国の土地はいまだに国有になっている話に及ぶ。まるで私有地のように家は建ち、工場が並んでいるが、原則として利用権を得て利用しているだけだという。無論、先祖代々そこに住んでいるという例もあるのだろうけど、いざとなれば政府は立ち退かせることができる。

 これは電波の世界で議論しているコモンズの話に他ならない。

 電波帯域は技術によってある程度「広がる」可能性があるが、一般的には土地のように限られた資源である。誰がどの周波数帯を使うかは、土地をめぐる争いと似ている。日本では電波を使うには免許を取らなくてはいけないが、いったん免許をもらうと実質的に居座ることができた。地デジ化は特定の電波帯域からの立ち退きを迫るという点で画期的なことだ。

 そう考えると、中国の国土利用はすごい可能性を持っていることが分かる。3月に同僚の加茂具樹さんと揚州市というところに行き、畑の真ん中に政府が一気に道路を敷いている様子を見てきた。国土という広大なコモンズを中国政府はいざとなれば自由に使えるのだ。成田空港や普天間基地のような問題は起きない。すごいなあ。